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参考資料3-2 (12 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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我が国における薬剤耐性の現状とその課題
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2016-2020)では、成果指標として計画全体を通しての数
値目標を設定し、目標達成に向けて薬剤耐性(AMR)対策に取り組んできた。

表1 薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2016-2020)の成果指標

ヒトに関して
1.2020 年の肺炎球菌のペニシリン耐性率を 15%以下に低下させる。
 肺炎球菌のペニシリン耐性率は、2014 年現在 45%程度と諸外国と比較し高い水準にある。現
在、同指標は年率2%程度で減少傾向にあることから、経口セファロスポリン薬を含む抗微生物薬
の適正使用の推進により、これを年率5-6%に加速することで、2030 年時点で耐性率を他の先進
諸国と同水準である 15%以下を目指す。

2.2020 年の黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率を 20%以下に低下させる。
 黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率は、2014 年現在 50%程度と他の先進諸国と比較し高い水準
にある。年率2%で減少傾向にある。英国では、2006 年から 2011 年にかけて、対策強化を進め
たことで、年率5%の減少を達成しており、我が国においても感染予防・管理の徹底、抗微生物薬
の適正使用の推進により、これを約5%に加速することで他の先進諸国と同水準である耐性率
20%以下を目指す。

3. 2020 年の大腸菌のフルオロキノロン耐性率を 25%以下に低下させる。


大腸菌のフルオロキノロン耐性率は、フルオロキノロン剤の使用量と高い相関がある。耐性率
は年率 1.5%で増加傾向にあり、これは他の先進諸国と比較しても高い水準にある。経口フルオ
ロキノロン剤を含む抗微生物薬の適正使用を推進することで減少に転じさせ、他の先進諸国と
同水準である 25%以下を目指す。

4. 2020 年の緑膿菌のカルバペネム(イミペネム)耐性率を 10%以下に低下させる。


緑膿菌のカルバペネム耐性率は、2014 年現在 20%であり、この数値は、諸外国において高い
ものではない。現在、年率 0.5%で減少傾向にあり、減少率を1-2%に加速することで耐性率 10%
以下を目指す。

5. 2020 年の大腸菌及び肺炎桿菌のカルバペネム耐性率 0.2%以下を維持する。


カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)感染症は、その治療薬の選択肢の少なさから、現
在世界的に拡大傾向にあり重大な薬剤耐性の脅威の一つである。幸い、我が国における大腸
菌及び肺炎桿菌のカルバペネム耐性率は 2014 年現在 0.1%、0.2%と極めて低い。このため、適
切な薬剤耐性対策により、耐性率を同水準に維持する。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 12