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参考資料3-2 (89 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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アクションプランの成果指標
「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」の成果指標として、以下を設定する。

ヒトに関して
1.

2027 年のバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症の罹患数151を 80 人以下(2019 年時点)に維
持する。

2.

2027 年までに黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率152を 20%以下に低下させる。

3.

2027 年の大腸菌のフルオロキノロン耐性率153を 30%以下に維持する。

4.

2027 年までに緑膿菌のカルバペネム(MEPM=R)耐性率154を3%以下に低下させる。

5.

2027 年の大腸菌及び肺炎桿菌のカルバペネム耐性率155を 0.2%以下に維持する。

* 薬剤耐性率の予測は、2011 年から 2021 年までの院内感染対策サーベイランス事業(JANIS)データを元に、今回の成果
指標の対象となる耐性菌の検体(血液・尿・呼吸器)から検出された対象となる菌のデータから、ポアソン回帰で将来の検出
数を、感受性菌・耐性菌それぞれについて予測した。耐性率は、それぞれの年度ごとの総検出数を分母・耐性菌検出数を分
子として耐性率を計算した。予測の際に 2011 年からの季節性、抗菌薬消費量、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の
影響を変数として投入し、2027 年までの数値を算出した。なお、 2022 年から 2027 年までと長期間の予測であるため、結果
は参考値として考慮し設定。耐性率については JANIS 公開データ四半期報から個別に算出した。
151
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、その治療薬の選択肢の少なさから、現在世界的に拡大傾向にあり、重大な
薬剤耐性(AMR)の脅威の一つである。病院や高齢者施設での水平感染を制御すべき耐性菌であり、平時の感染対策の指
標として感染症の実数を新たに追加指標とする(全数把握疾患報告)。病院をまたぎ地域内で流行することがあり、地域の感
染対策連携の評価指標にもなる。地域での拡散を防止し、感染者数を現状の低い数を維持することを目標とする。
152
黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性率は、2020 年現在 50%程度と他の先進諸国と比較し高い水準にある。血流感染症は疾
病負荷に大きく寄与することや保菌の影響を除く意図で血液検体を用いた指標とする。2011 年から 2021 年までのデータを
元に、2020 年実測値 35.9%から季節性、抗菌薬消費量、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮した 2027 年
の予測は 32%である。本アクションプランにて実施する感染予防・管理(IPC)の推進により毎年 1.4%加速されることを加味
し、目標値を 20%と設定する。
153
大腸菌のフルオロキノロン耐性率は、フルオロキノロン剤の使用量と高い相関がある。非耐性菌と比べて治療が困難であ
り、本邦における死亡の多くを占めていることから指標として採用を継続する。外来において、薬剤耐性菌が治療に直結する
尿路感染症を対象とすることから尿検体を用いた指標とする。2011 年から 2021 年までのデータを元に、2020 年実測値 35.0%
から季節性、抗菌薬消費量、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮した 2027 年の予測は 42%である。本ア
クションプランにて実施する抗菌薬適正使用(AMS)の推進及び尿道カテーテル感染症に対する感染予防・管理(IPC)の徹
底により毎年約 2.4%加速されることを加味し、目標値を 30%と設定する。
154
緑膿菌のカルバペネム耐性率は、2020 年現在 11.0%であり、この数値は、諸外国において高いものではない。血流感染
症は疾病負荷に大きく寄与することや保菌の影響を除く意図で血液検体を用いた指標とする。2011 年から 2021 年までのデ
ータを元に、 2020 年実測値 7.1%から季節性、抗菌薬消費量、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を考慮した
2027 年の予測は6%である。本アクションプランにて実施する感染予防・管理(IPC)の推進により毎年約 0.6%加速されること
を加味し、目標値を3%と設定する。
155
カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症は、その治療薬の選択肢の少なさから、現在世界的に拡大傾向にあり
重大な薬剤耐性(AMR)の脅威の一つである。幸い、我が国における大腸菌及び肺炎桿菌のカルバペネム耐性率は 2020 年
現在 0.1%、0.2%と極めて低い。このため、適切な薬剤耐性(AMR)対策により、耐性率を同水準に維持する。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 89