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令和6年度予算の編成等に関する建議 参考資料(2) (28 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html
出典情報 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》
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医療法人の法人設立時期に基づく経常利益率の分析

資料Ⅱ-1-28

松山 幸弘 武蔵野大学国際総合研究所 研究主幹 「東京都内の医療法人決算が示すコロナ禍公費バブル」(2022年3月)
一般診療所経営医療法人の財務データ集計を繰り返す中で、医療法人を法人登記時期によって四分割して観察すると直近10年
間くらいに法人登記した一番若いグループの平均経常利益率が有意に高いことを発見した。これは、どの都道府県でも毎期当てはまる
事実である。図1は、今回集計した 東京都内一般診療所経営医療法人 1,089を四分割した結果を示している。 2021年で見ると、
一番若い第4期 273法人の平均経常利益率が 11.6%であるのに対して、第3期 9.1%、第2期 5.5%と逓減している。一
番古参グループの第1期の平均経常利益率が 7.0%となったのは、「医療事業収益 79億円で経常利益率 30.7%」という医療法
人が存在したからである。当該医療法人のホームページから判断すると、この好業績は PCR検査、ワクチン接種、発熱外来などコロナ
医療に積極的に取り組んだ成果のようである。この医療法人を除いて第1期の平均経常利益率を計算すると 4.9%と第2期の
5.5%より低くなる。
このように法人登記が古い医療法人ほど経常利益率が低く
なるのは、設置者である医師が内部留保を給与の形で取り
崩しているからである。ちなみに第1期の 272法人のうち診
察を縮小して医療事業収益を 5千万円以下とし内部留保を
毎期取り崩していると思われる法人が58確認でき、中には医
療事業収益ゼロで医療事業費用(医師給与)を計上してい
る法人もある。長年診療報酬改定の根拠とされてきた医療経
済実態調査では、この内部留保取崩しによる経常利益率低
下を看過して診療報酬引き上げをしてきたことになる。