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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (18 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》
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精神科病院における身体的拘束

病院は 8 割弱であり、そのうち約 9 割で勧告や介入に対して実際に是正されたことがあったと
され、調査を行った日本精神科病院協会は「委員会が行動制限最小化に向けて大きく寄与して
いる証である。」として評価した(75)。また、同研究においては、行動制限最小化委員会の活動
に資するための「行動制限最小化委員会の業務のためのマニュアル」が作成された。
他方、行動制限最小化委員会の活動の実効性については否定的な見方もある。「全国「精神病」
者集団」は、行動制限最小化委員会が新設されて以降、平成 18(2006)年から平成 28(2016)
年の 10 年間で身体的拘束の実施件数が 2 倍に増加したことを指摘し、「行動制限最小化委員会
は、方策として期待できないと言わざるを得ない。」と述べている(76)。


厚生労働省の検討会における検討
令和 3(2021)年 10 月、厚生労働省の「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の

実現に向けた検討会」(以下「検討会」という。)が発足した。検討会は、「精神障害にも対応
した地域包括ケアシステム」の構築、令和 5 年度末で期限を迎える医療計画等の見直しに向け
た地域精神保健医療福祉体制、入院中の患者の意思決定支援や権利擁護の取組について検討を
行い(77)、結果を令和 4(2022)年 6 月 9 日に報告書として公表した(78)。
報告書では、隔離・身体的拘束の最小化に関連する取組として、次の方向性が示された。
(1)告示 130 号基準の改正
切迫性・非代替性・一時性(以下「3 要件」という。)の考え方(79)について、告示 130 号基
準において要件として明確に規定するべきであるとされた。また、単に「多動又は不穏が顕著
である場合」に身体的拘束が容易に行われることのないよう、その要件を、多動又は不穏が顕
著であって、かつ、患者に対する治療が困難であり、そのまま放置すれば患者の生命にまで危
険が及ぶおそれが切迫している場合や、常時の臨床的観察を行っても患者の生命にまで危険が
及ぶおそれが切迫している場合に限定し、身体的拘束の対象の明確化を図るべきであるとされ
た(80)。
隔離・身体的拘束の最小化には、管理者のリーダーシップの下、組織全体で取り組み、隔離・
身体的拘束の可否は、指定医が判断するとともに、院内の関係者が幅広く参加したカンファレ
ンス等において、病院全体で妥当性や代替手段の検討を行う旨を明示するべきとされた。また、
行動制限最小化委員会の定期的な開催 、隔離・身体的拘束の最小化のための指針の整備、従
業者に対する研修の定期的実施についても、新たに規定 すべきとされた(81)。



同上, p.91.
全国「精神病」者集団「身体拘束ゼロ化・行動制限最小化の論点整理」(第 8 回 地域で安心して暮らせる精神
保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 参考資料 1-2)2022.3.31. 厚生労働省ウェブサイト <https://www.mhlw.
go.jp/content/12200000/000930759.pdf>
 「「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」について」(第 1 回 地域で安心して
暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 資料 2)2021.10.11. 厚生労働省ウェブサイト <https://
www.mhlw.go.jp/content/12200000/000841404.pdf>
 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会『報告書』2022.6.9. 厚生労働省ウェブサ
イト <https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000949216.pdf>
 前掲注⑶を参照。
 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会 前掲注, pp.34-36.
 同上, pp.36-37. こうしたプロセスの確保のため、診療報酬上の取扱いを含む実効的な方策を検討するべきとさ
れた。

国立国会図書館 調査及び立法考査局

レファレンス

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884 号

2024. 8

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