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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》
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う、医療事故に関わる調査の仕組みである。サ

に 3 つ目として記した本件を世に知らしめる

ベジさんご遺族はこれにより可能な限り正確な

ために 7 月 19 日に行った厚労省と外国特派員

調査が行われることを望んだ。しかしこれは 1

協会での会見の当日だった。遺族はこうでもし

通の手紙と共に叶わないこととなる。6 月に病

ないと息子の死のカルテのコピーを受け取るこ

院長名の「調査(依頼)を行わない」決定をし

とができなかった。

た旨の文書を受け取ったのである。我が国の制
度は、病院が了承しなければ調査自体がスター
トしないのだ。

カルテの内容

2 つ目のカルテ開示請求に対しての病院の回

限られた紙面でカルテの内容の全容を述べる

答は「閲覧は可能だが謄写は不可」というもの

ことは難しい。そこで決定的なことだけ述べる。

だった。つまり見せるのはよいがコピーは許可

看護記録には、次のような文が、入院当日 4

しない、というものだった。我が国のカルテ開

月 30 日( 日 )16 時 30 分 以 降、 急 変 し た 5 月

示は厚労省が定める「診療情報の提供等に関す

10 日(水)まで毎日、8 時 30 分、16 時 30 分、

る指針の策定について」により定められてい

23 時 30 分の 1 日に 3 回ずつ、ほぼ定刻に記載

る。 同 指 針 の 7 条 1 項 で は、
「医療従事者等

されている。

は、患者等が患者の診療記録の開示を求めた場

《精神運動興奮状態にあり、不穏、多動、爆発

合には、原則としてこれに応じなければならな

性が著しい。放置すれば患者が受傷するおそれ

い」としている。また、医療従事者等が開示を

が十分にある。


拒否できる場合は、①診療情報の提供が、第三

しかし、例えば心肺停止になる前日の 5 月 9

者の利益を害するおそれがある時、②診療情報

日、ケリーさんは過鎮静で舌根沈下も認められ

の提供が、患者本人の心身の状況を著しく損な

下顎呼吸の状態であった。その時も、である。

うおそれがある時、の 2 点に限定されている。

さらには、急変する当日、声掛けへの反応も

しかしこれに応じなかったからと言って罰則が

やっとの状況の時でさえも。お読みの方ならわ

あるわけでもない。病院は強い。

かるだろう。患者さんの状態にかかわらず、身

そこで病院に対して 7 月 3 日に民事訴訟法

体拘束中なのでその要件を満たすような定型文

上の提訴予告通知を行った。さらに裁判所に文

を書いて(コピー&ペーストして)いることがう

書送付嘱託を申し立てて、病院に対し裁判所を

かがえる。

通じてカルテ開示を要請した。
その後病院は、7 月 12 日にカルテについて

私はこのことをサベジさん一家に伝えながら

あんたん

暗澹たる気持ちになった。と同時に怒りが込み
で たら め

の「説明会」を開催した。それは病院の会議室

上げてきた。なぜこんな出 鱈 目 が許されるの

で、時間は 30 分、延長しても 1 時間までで、

か?

職員が操作するパソコンからプロジェクターに

私は純粋に国家というものを信頼していた。

映し出すものを「見る」だけのものだった。コ

もちろん最終的に紛争となれば司法判断を仰ぐ

ピーを取ること、映し出された画面の写真を撮

ことになろうが、このような火を見るより明ら

ることも許可されなかった。

かな誤りや医療に対する姿勢に関しては、国

病院から開示すると連絡が入ったのは、まさ

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閲覧情報:医学書院 10001

(厚生労働省)はきちんと指導してくれるだろう

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2024/12/24 11:30:39