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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》
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の担当医)
:ウェリントン病院では身体拘束はあ

り得ません。そもそも精神科病棟に人をベッド
に拘束するための器具がありません。私は 10
年ウェリントン地区で働いていますが、その中
で身体拘束をされた人は 1 人しかいません。
あったとしても、10~15 分間手で押さえつけ
るだけです。大抵はもっと短い時間です。
長谷川:日本では身体拘束が増えていて、その
理由の 1 つは、おそらく急性期の病棟が増え
サベジさん一家。右端が日本において身体拘束
中に亡くなったケリーさん。

ていること。そこでは入院した最初に身体拘束
から入るというのが広まっているんです。そこ
で働く人たちは、最初に身体拘束をしてあげた

体拘束のない国へ~ニュージーランドからの報

ほうが早く退院できると言うんです。それはこ

告』という番組を作り放映してくれた。もちろ

ちらでは考えられないですか?

んディレクターはマイケル氏だ。この DVD は

ロビン・シアラー(精神保健研究所最高責任者[当

現在でも NHK 厚生文化事業団の福祉ビデオラ

時]

:その裏にあるエビデンスを疑いますね。

イブラリーで一般貸出をしている。末尾の案内

ニュージーランドでも(過去には)拘束や隔離



を参照してぜひ視聴してほしい 。

はよいものだという強い信念がありました。私

ニュージーランドではケリーさんの実家を訪

たちは時間をかけて(それは違うという)エビデ

ねお父さんともお会いした。部屋の壁中に飾ら

ンスを示し、学会での講演や出版を通して一生

れた家族写真がむしろ私には痛々しく感じられ

懸命努力してきました。

た(その中の素敵な 1 枚を家族の許可を得て本頁に

キャロ・スワンソン(精神保健研究所主席アドバ

掲載する)


イザー)
:嬉しいのは、この 10 年で仮に隔離や

NHK で放映された、ニュージーランドの関

拘束をされた場合、それは「治療サービスの失

係者とのやり取りで聞き取った言葉を皆さんに

敗」と言われるようになったことです。(隔離

お届けする。

や拘束は)治療ではないんです。

スツット・ポール(精神保健研究所臨床リーダー):
ニュージーランドでの精神科医療関係者と
筆者とのやり取り

中には依然として隔離をしてもいいと考えてい

長谷川:日本の病院の精神科医がケリーさんに

らないことがたくさんあります。でも相手を気

対して「じゃあそこのベッドに横になってくだ

遣う、相手に親切にする、同情するといった価

さい」と言ったそうです。そして、すぐにその

値観や態度を身につければ、私たちはいつだっ

場で身体拘束をされた。つまり、命令に従って

て前に進めるのです。

るスタッフがいますので、まだやらなければな

ベッドに横になれる人を、果たして身体拘束す
るのでしょうか?
アラステア・ウィリス氏(精神科医、ケリーさん

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閲覧情報:医学書院 10001

この会話の中に、日本の身体拘束を考える上
でのヒント(表)があるように思う。

34

2024/12/24 11:30:39