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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (7 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》 |
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精神科病院における身体的拘束
身体的拘束指示期間が 1 か月以上のケースが全体の 11.5% を占めているほか、10 年以上に
わたって身体的拘束を受けていたケースも 2 件ある。なお、身体的拘束指示期間の平均は 36
日間、最大日数は 5,663 日に及んだ。
表1
精神科を有する病院における身体的拘束指示期間及びその割合(2019 年)
1日
のみ
2 日以上 1 週間以上 2 週間以上 1 か月以上 3 か月以上
1 週間未満 2 週間未満 1 か月未満 3 か月未満 1 年未満
1 年以上
5 年未満
5 年以上
10 年未満
10 年
以上
身体的拘束
指示件数
104 件
957 件
172 件
152 件
106 件
41 件
28 件
3件
2件
割合
6.6%
61.2%
11.0%
9.7%
6.8%
2.6%
1.8%
0.2%
0.1%
(出典)山之内芳雄『精神病床における行動制限に関する検討』(令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金
障害者政策総合研究事業(精神障害分野)医療計画、障害福祉計画の効果的なモニタリング体制の構築のための
研 究 分 担 研 究 報 告 書 )2020. 厚 生 労 働 科 学 研 究 成 果 デ ー タ ベ ー ス <https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/
files/2019/192131/201918037A_upload/201918037A0007.pdf> を基に筆者作成。
(3)身体的拘束の実施数の国際比較
日本における身体的拘束の実施率を諸外国と比較した調査として、これまでに 2 つの研究が
行われている。1 つは令和 2(2020)年に発表された国際共同研究であり(7)、日本、アメリカ、
オーストラリア、ニュージーランドの精神科病院において行われた身体的拘束の実施率(1 日
当たり、人口 100 万人当たりの実施人数)を比較したものである(表 2)。
この研究によれば、日本における身体的拘束の割合は、アメリカの 266 倍、オーストラリア
の 599 倍、ニュージーランドの 3,000 倍以上に当たる(8)。
表2
身体的拘束を受けた人数(1 日当たり、人口 100 万人当たり)
国
対象年齢層
人数
日本
全年齢
98.8 人
アメリカ
全年齢
0.371 人
オーストラリア
全年齢
0.165 人
ニュージーランド
15 ~ 64 歳
0.0305 人
(注)2017 年における数値を比較したものである。
(出典)G. Newton-Howes et al.,“The use of mechanical restraint in Pacific Rim countries: an international epidemiological
study,”Epidemiology and Psychiatric Sciences, Volume 29, 2020.12. <https://www.cambridge.org/core/journals/
epidemiology-and-psychiatric-sciences/article/use-of-mechanical-restraint-in-pacific-rim-countries-an-internationalepidemiological-study/9BFF0B4D9B2EFFA130A423FCDA3B2664> を基に筆者作成。
もう 1 つは、この研究チームに新たなメンバーを加えて実施され、令和 6(2024)年に発表
、ドイツ、
された国際共同研究である(9)。対象にはイギリス(イングランド及びウェールズ)
⑺ G. Newton-Howes et al.,“The use of mechanical restraint in Pacific Rim countries: an international epidemiological study,”
Epidemiology and Psychiatric Sciences, Volume 29, 2020.12. <https://www.cambridge.org/core/journals/epidemiology-andpsychiatric-sciences/article/use-of-mechanical-restraint-in-pacific-rim-countries-an-international-epidemiological-study/9BFF
0B4D9B2EFFA130A423FCDA3B2664>
⑻ 「身体拘束:日本の身体拘束、米豪の 200 倍以上 精神科病院、国際チーム分析」『毎日新聞』2021.3.24, 夕刊.
⑼ Martha K. Savage et al.,“Comparison of coercive practices in worldwide mental healthcare: overcoming difficulties
resulting from variations in monitoring strategies,”BJPsych Open, 10(1), 2024 Jan 11. <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/
articles/PMC10790218/pdf/S2056472423006130a.pdf>
66
レファレンス
884 号
国立国会図書館 調査及び立法考査局
2024. 8
7
身体的拘束指示期間が 1 か月以上のケースが全体の 11.5% を占めているほか、10 年以上に
わたって身体的拘束を受けていたケースも 2 件ある。なお、身体的拘束指示期間の平均は 36
日間、最大日数は 5,663 日に及んだ。
表1
精神科を有する病院における身体的拘束指示期間及びその割合(2019 年)
1日
のみ
2 日以上 1 週間以上 2 週間以上 1 か月以上 3 か月以上
1 週間未満 2 週間未満 1 か月未満 3 か月未満 1 年未満
1 年以上
5 年未満
5 年以上
10 年未満
10 年
以上
身体的拘束
指示件数
104 件
957 件
172 件
152 件
106 件
41 件
28 件
3件
2件
割合
6.6%
61.2%
11.0%
9.7%
6.8%
2.6%
1.8%
0.2%
0.1%
(出典)山之内芳雄『精神病床における行動制限に関する検討』(令和元年度厚生労働行政推進調査事業費補助金
障害者政策総合研究事業(精神障害分野)医療計画、障害福祉計画の効果的なモニタリング体制の構築のための
研 究 分 担 研 究 報 告 書 )2020. 厚 生 労 働 科 学 研 究 成 果 デ ー タ ベ ー ス <https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/
files/2019/192131/201918037A_upload/201918037A0007.pdf> を基に筆者作成。
(3)身体的拘束の実施数の国際比較
日本における身体的拘束の実施率を諸外国と比較した調査として、これまでに 2 つの研究が
行われている。1 つは令和 2(2020)年に発表された国際共同研究であり(7)、日本、アメリカ、
オーストラリア、ニュージーランドの精神科病院において行われた身体的拘束の実施率(1 日
当たり、人口 100 万人当たりの実施人数)を比較したものである(表 2)。
この研究によれば、日本における身体的拘束の割合は、アメリカの 266 倍、オーストラリア
の 599 倍、ニュージーランドの 3,000 倍以上に当たる(8)。
表2
身体的拘束を受けた人数(1 日当たり、人口 100 万人当たり)
国
対象年齢層
人数
日本
全年齢
98.8 人
アメリカ
全年齢
0.371 人
オーストラリア
全年齢
0.165 人
ニュージーランド
15 ~ 64 歳
0.0305 人
(注)2017 年における数値を比較したものである。
(出典)G. Newton-Howes et al.,“The use of mechanical restraint in Pacific Rim countries: an international epidemiological
study,”Epidemiology and Psychiatric Sciences, Volume 29, 2020.12. <https://www.cambridge.org/core/journals/
epidemiology-and-psychiatric-sciences/article/use-of-mechanical-restraint-in-pacific-rim-countries-an-internationalepidemiological-study/9BFF0B4D9B2EFFA130A423FCDA3B2664> を基に筆者作成。
もう 1 つは、この研究チームに新たなメンバーを加えて実施され、令和 6(2024)年に発表
、ドイツ、
された国際共同研究である(9)。対象にはイギリス(イングランド及びウェールズ)
⑺ G. Newton-Howes et al.,“The use of mechanical restraint in Pacific Rim countries: an international epidemiological study,”
Epidemiology and Psychiatric Sciences, Volume 29, 2020.12. <https://www.cambridge.org/core/journals/epidemiology-andpsychiatric-sciences/article/use-of-mechanical-restraint-in-pacific-rim-countries-an-international-epidemiological-study/9BFF
0B4D9B2EFFA130A423FCDA3B2664>
⑻ 「身体拘束:日本の身体拘束、米豪の 200 倍以上 精神科病院、国際チーム分析」『毎日新聞』2021.3.24, 夕刊.
⑼ Martha K. Savage et al.,“Comparison of coercive practices in worldwide mental healthcare: overcoming difficulties
resulting from variations in monitoring strategies,”BJPsych Open, 10(1), 2024 Jan 11. <https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/
articles/PMC10790218/pdf/S2056472423006130a.pdf>
66
レファレンス
884 号
国立国会図書館 調査及び立法考査局
2024. 8
7