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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (5 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》 |
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精神科病院における身体的拘束
(2)身体的拘束に係る基準
精神保健福祉法第 37 条第 1 項の規定の下、病院管理者が遵守すべき基準として「精神保健
及び精神障害者福祉に関する法律第 37 条第 1 項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」
(昭
和 63 年 4 月 8 日厚生省告示第 130 号。以下「告示 130 号基準」という。)が定められ、この告
示 130 号基準において、身体的拘束に関する基本的な考え方、対象となる患者、遵守事項が示
されている(3)。概要は以下のとおりである。なお、身体的拘束を行うことができるのは、精神
(5)
。
保健指定医(4)が必要と認めた場合のみである(精神保健福祉法第 36 条第 3 項)
①基本的な考え方
身体的拘束は代替方法が見いだされるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の
制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならない。また、身
体的拘束は患者の生命を保護すること、重大な身体損傷を防ぐことに重点を置いた行動制限
であり、制裁、懲罰、見せしめのために身体的拘束を行ってはならない。
身体的拘束を行う場合は特別に作られた衣類又は綿入り帯等を使用するものとし、手錠等
の刑具類、紐、縄等は使用してはならない。
②対象となる患者
身体的拘束の対象は次のとおりである。なお、この箇所は、Ⅳで述べる告示 130 号基準の
見直しの検討に関わる部分であるため、原文のまま引用する。
「身体的拘束の対象となる患者は、主として次のような場合に該当すると認められる患者で
あり、身体的拘束以外によい代替方法がない場合において行われるものとする。
ア
自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合
イ
多動又は不穏が顕著である場合
ウ
ア又はイのほか精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及
ぶおそれがある場合」
③遵守事項
当該患者に対しては身体的拘束を行う理由を知らせるよう努める。診療録には、身体的拘
束を行った旨とその理由、開始及び解除した日時を記載する。身体的拘束を行っている間は
原則として常時の臨床的観察を行い、適切な医療及び保護を確保しなければない。医師は身
体的拘束が漫然と行われることがないように頻回に診察を行う。
⑶
なお、厚生労働省の身体拘束ゼロ作戦推進会議が介護の現場に関わる人々に向けて作成した、『身体拘束ゼロ
への手引き―高齢者ケアに関わるすべての人に―』厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」
, 2001 では、危機
が差し迫っている旨を「切迫性」、他に方法がない旨を「非代替性」、短時間で解除する旨を「一時性」とし、併
せて 3 要件と呼んでいる。厚生労働省の「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」
が令和 4(2022)年に公表した報告書では、告示 130 号基準においてもこの 3 要件を明示してはどうかとの提案
がなされている(Ⅳの 2(1)で後述)。
⑷ 一定の実務経験を有し、厚生労働省で定める研修を終了した医師のうちから、患者本人の意思によらない入院
や行動制限の判定を行う者として厚生労働大臣が指定した者(精神保健福祉法第 18 条第 1 項)。
⑸ 「精神疾患による入院患者の適正な処遇等の確保について」(平成 10 年 9 月 28 日健医発第 1302 号)厚生労働
省ウェブサイト <https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4584&dataType=1&pageNo=1> では、身体的拘束は
「精神保健指定医が診察し、必要と認めた場合に限り行うこと。」とされている。
64
レファレンス
884 号
国立国会図書館 調査及び立法考査局
2024. 8
5
(2)身体的拘束に係る基準
精神保健福祉法第 37 条第 1 項の規定の下、病院管理者が遵守すべき基準として「精神保健
及び精神障害者福祉に関する法律第 37 条第 1 項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」
(昭
和 63 年 4 月 8 日厚生省告示第 130 号。以下「告示 130 号基準」という。)が定められ、この告
示 130 号基準において、身体的拘束に関する基本的な考え方、対象となる患者、遵守事項が示
されている(3)。概要は以下のとおりである。なお、身体的拘束を行うことができるのは、精神
(5)
。
保健指定医(4)が必要と認めた場合のみである(精神保健福祉法第 36 条第 3 項)
①基本的な考え方
身体的拘束は代替方法が見いだされるまでの間のやむを得ない処置として行われる行動の
制限であり、できる限り早期に他の方法に切り替えるよう努めなければならない。また、身
体的拘束は患者の生命を保護すること、重大な身体損傷を防ぐことに重点を置いた行動制限
であり、制裁、懲罰、見せしめのために身体的拘束を行ってはならない。
身体的拘束を行う場合は特別に作られた衣類又は綿入り帯等を使用するものとし、手錠等
の刑具類、紐、縄等は使用してはならない。
②対象となる患者
身体的拘束の対象は次のとおりである。なお、この箇所は、Ⅳで述べる告示 130 号基準の
見直しの検討に関わる部分であるため、原文のまま引用する。
「身体的拘束の対象となる患者は、主として次のような場合に該当すると認められる患者で
あり、身体的拘束以外によい代替方法がない場合において行われるものとする。
ア
自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合
イ
多動又は不穏が顕著である場合
ウ
ア又はイのほか精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険が及
ぶおそれがある場合」
③遵守事項
当該患者に対しては身体的拘束を行う理由を知らせるよう努める。診療録には、身体的拘
束を行った旨とその理由、開始及び解除した日時を記載する。身体的拘束を行っている間は
原則として常時の臨床的観察を行い、適切な医療及び保護を確保しなければない。医師は身
体的拘束が漫然と行われることがないように頻回に診察を行う。
⑶
なお、厚生労働省の身体拘束ゼロ作戦推進会議が介護の現場に関わる人々に向けて作成した、『身体拘束ゼロ
への手引き―高齢者ケアに関わるすべての人に―』厚生労働省「身体拘束ゼロ作戦推進会議」
, 2001 では、危機
が差し迫っている旨を「切迫性」、他に方法がない旨を「非代替性」、短時間で解除する旨を「一時性」とし、併
せて 3 要件と呼んでいる。厚生労働省の「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」
が令和 4(2022)年に公表した報告書では、告示 130 号基準においてもこの 3 要件を明示してはどうかとの提案
がなされている(Ⅳの 2(1)で後述)。
⑷ 一定の実務経験を有し、厚生労働省で定める研修を終了した医師のうちから、患者本人の意思によらない入院
や行動制限の判定を行う者として厚生労働大臣が指定した者(精神保健福祉法第 18 条第 1 項)。
⑸ 「精神疾患による入院患者の適正な処遇等の確保について」(平成 10 年 9 月 28 日健医発第 1302 号)厚生労働
省ウェブサイト <https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta4584&dataType=1&pageNo=1> では、身体的拘束は
「精神保健指定医が診察し、必要と認めた場合に限り行うこと。」とされている。
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レファレンス
884 号
国立国会図書館 調査及び立法考査局
2024. 8
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