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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (42 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》 |
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〈特集1〉
私は
身体拘束 を
生き延びたのか?
匿名(女性・看護大学在学中)
[編集部より]
この手記を掲載するにあたり、著者名を実名にするか匿名にするかで、編集部では大変迷いました。私
たちとは以前から親交のある方で、人となりを知っていましたし、本文を読んでいただければおわかりになるように、非常に
客観的に物事を分析する力がある方です。
この手記を実名で掲載すれば、記述内容の信頼性はさらに増すと思い
ますし、身体拘束がいかに人間の核の部分を傷つけるかが、
さらにく
っきり
とした輪郭を持って示されること
と思います。
著者(彼女)
自身は当初、実名での掲載を希望されていました(以下、編集部とのやり
と
りから抜粋します)
。
©IGAKU-SHOIN Ltd, 2021
実名でいきたいという意図は、
(例えばがんの闘病記などと異なり)
「身体拘束を受けたことにより匿名
にしなければならない」というスティグマ性が嫌だったからです。自分くらいはそういうスティグマを持
ちたくない(セルフスティグマは嫌だ)ということです。
それに、自分に拘束経験があるからという理由で就きたい職に就けない社会ならば、社会のほうがお
かしいので、それに従うつもりはない、という意図でした。
全く
その通りだと編集部でも考えます。
しかし一方で、彼女は今、
とある大学の看護学部の学生です。今回の手記を
実名で発表することによって、
ここに示されている精神的な不安定さを理由に、将来の職業選択の幅を狭められてしまう
かもしれない、
その可能性を編集部は恐れました。
何度も彼女と話し合い、
また彼女を応援している方にも相談しました。
その末に、編集部では「匿名」
という苦渋の選択
をしました。彼女も最終的には同意してくれましたが、
もしかしたら編集部の心配を汲んで、今回は意向に沿ってくれた
のかもしれません。
掲載後、やはり匿名では自分の意図が達成できていないと彼女が考えたならば、
どこかで実名を明らかにするかもしれま
せん。
その場合は、聡明な彼女が決断することですから、編集部では応援したいと思っています。
末尾になりましたが、
さまざまなリスクが想定されるなかで困難な体験を記してくださった彼女に敬意を表すると
ともに、身
体拘束や強制入院にかかわる課題が広く議論されることを望みます。
1343-2761/21/紙:¥500/ 電子:¥750/ 論文 /JCOPY
518
閲覧情報:医学書院 10001
42
2024/12/11 10:32:22
私は
身体拘束 を
生き延びたのか?
匿名(女性・看護大学在学中)
[編集部より]
この手記を掲載するにあたり、著者名を実名にするか匿名にするかで、編集部では大変迷いました。私
たちとは以前から親交のある方で、人となりを知っていましたし、本文を読んでいただければおわかりになるように、非常に
客観的に物事を分析する力がある方です。
この手記を実名で掲載すれば、記述内容の信頼性はさらに増すと思い
ますし、身体拘束がいかに人間の核の部分を傷つけるかが、
さらにく
っきり
とした輪郭を持って示されること
と思います。
著者(彼女)
自身は当初、実名での掲載を希望されていました(以下、編集部とのやり
と
りから抜粋します)
。
©IGAKU-SHOIN Ltd, 2021
実名でいきたいという意図は、
(例えばがんの闘病記などと異なり)
「身体拘束を受けたことにより匿名
にしなければならない」というスティグマ性が嫌だったからです。自分くらいはそういうスティグマを持
ちたくない(セルフスティグマは嫌だ)ということです。
それに、自分に拘束経験があるからという理由で就きたい職に就けない社会ならば、社会のほうがお
かしいので、それに従うつもりはない、という意図でした。
全く
その通りだと編集部でも考えます。
しかし一方で、彼女は今、
とある大学の看護学部の学生です。今回の手記を
実名で発表することによって、
ここに示されている精神的な不安定さを理由に、将来の職業選択の幅を狭められてしまう
かもしれない、
その可能性を編集部は恐れました。
何度も彼女と話し合い、
また彼女を応援している方にも相談しました。
その末に、編集部では「匿名」
という苦渋の選択
をしました。彼女も最終的には同意してくれましたが、
もしかしたら編集部の心配を汲んで、今回は意向に沿ってくれた
のかもしれません。
掲載後、やはり匿名では自分の意図が達成できていないと彼女が考えたならば、
どこかで実名を明らかにするかもしれま
せん。
その場合は、聡明な彼女が決断することですから、編集部では応援したいと思っています。
末尾になりましたが、
さまざまなリスクが想定されるなかで困難な体験を記してくださった彼女に敬意を表すると
ともに、身
体拘束や強制入院にかかわる課題が広く議論されることを望みます。
1343-2761/21/紙:¥500/ 電子:¥750/ 論文 /JCOPY
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閲覧情報:医学書院 10001
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2024/12/11 10:32:22