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【参考資料2】長谷川参考人提出資料 (38 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_49021.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第4回 1/15)《厚生労働省》
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すなわち、
「飲水の動向が予測できない」こ

対し、エアーげんこつでなく本当に立ち向かっ

とを理由に一也さんは隔離室に移動させられて

たら、患者さんは即座に制圧されてしまう。圧

いる。着目すべきはこれが金曜日である点だ。

倒的な力をもつ“病院”のパワーを背景に「暴

土日にスタッフが少なくなることが背景にある

力はよくないですよ」と言われたら反論もでき

と推察される。翌 10 日
(土)
、11 日
(日)は静

ず、せいぜいエアーげんこつで“昇華”するし

かに隔離室内で過ごされていた。

かなかったのだろう。だからもの悲しいのだ。

週明け 12 日
(月)の看護記録をみてみよう。

無理やりの注射に抵抗

◦ 主治医を見ると興奮し怒り出す。
◦大
 声で「牛乳屋の店長になりたい」
(と言って手を挙げ

る)


「お前脱税か」等と話す内容は滅裂。
◦隔
 離処置がイヤでホールに出たいようであり「こんなバ

イ菌だらけの部屋に入れて」
「鼻ほじったら手洗いせん
なん」
「お前手洗いさせんのか」
「週末って言っとったや
ろ」と言う。
◦興
 奮して拳を握りしめ「なぐらせろ」というので暴力はよ
くないですよと説明すると「じゃあエアーげんこつさせろ」
といってエイ、エイ、エイ、エイっと周囲の 4 名に向かっ
て少し笑いながらエアーげんこつをする。

私なら間違いなく半狂乱になって暴れまくる
に違いない。
しかし、この関係性が崩れるのが翌 12 月 13

(火)である。一也さんは食後の薬を服用し
た後、看護師から注射をすることを告げられ
る。その時の看護記録をみてみよう。

◦ 早めに薬を飲んでもらうことには拒否なく応じられる。
◦内
 服後注射をする旨を説明すると、
「嫌や!」と易怒性

を顕著にみせる。

この様子を読者である看護師の皆さんはどの
よ う に 感 じ る だ ろ う か?

◦他
 病棟の男性職員を含め男性 5 名で当人の身体を抑

えるも抵抗強い。身体の力み強く、強引に立位をしよう
としたり、腕を振り払おうとする。職員に対し頭突きをす
る行為あり。
「身体を抑えて注射するのは駄目やって看
護学校で習わんかったんか~!」
「公務執行妨害やろ
~!」等の言動あり。身体を抑えた後、右肩にリントン
1A 筋注施行する。
◦注
 射後、身体の拘束を解き、職員が退室しようとする際
には殴りかかろうとする動作あり。

隔離された 9 日

(金)の「一時的に隔離開始」との記述、そし
てここでの一也さんの「週末って言っとったや
ろ」との発言からは、医師が「隔離は週末の間
だけ」と伝えていたことが推測される(むしろ
解除の目途を言わずに入室させたらそれは虐待だろ
う)
。一也さんの「なぐらせろ」という怒りの

淵源は、その約束を破って出してくれないこと

ここで一也さんは内服薬を飲んでいたにもか

にある。しかし、
「じゃあエアーげんこつさせ

かわらずさらに注射をされそうになり、
「嫌

ろ」と言い、それを受け止めるだけの関係性が

や!」と拒否をしたが、男性看護師 5 名に押さ

両者の間にはまだ残っていた。最終的な隔離の

えつけられ注射をされてしまう。押さえつけら

決定は医師が行うものだが、患者さんとの間に

れながらも腕を振り払おうとしたり「頭突き」

看護師が緩衝材のように存在しているようにも

をする抵抗をした。その日はそのまま入眠する。

見える。ここには医師・患者関係と異なる次元
の関係性が成立しているのだ。
一方で「暴力はよくないですよ」との看護師
の言葉はもの悲しくも感じる。話とは違う隔離に

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閲覧情報:医学書院 10001

落ち着いているのに
前日の抵抗を理由に身体拘束
その翌日 14 日
(水)に何が起こったのか?

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2024/12/24 11:32:15