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【参考資料3-1】ポリオウイルスの取扱いに関する指針(案)[1.7MB] (3 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54655.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第94回 3/26)《厚生労働省》 |
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はじめに
1.「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」策定の背景
急性灰白髄炎(以下「ポリオ」という。)はポリオウイルスによって引き起こされる疾病である。1988(昭和
63)年5月の世界保健総会における決議に基づき、世界保健機関(以下「WHO」という。)や民間団体等が
「世界ポリオ根絶イニシアティブ;Global polio eradication initiative (GPEI)」を組織し、ポリオ根絶に向けた
世界的な取組みが推進されている。
日本では、1980 年の1例を最後に、現在まで、野生株ポリオウイルス(WPV:Wild poliovirus)による新た
な患者は出ていない。その後、2000 年には WHO 西太平洋地域において根絶が宣言され、2002 年に WHO
ヨーロッパ地域、そして 2020 年にはアフリカ地域でそれぞれポリオの根絶が宣言された。全体として、患
者数は確実に減少に向かっているが、海外の一部地域では、経済的・政治的不安定を背景にして、ポリ
オ対策が充分に実効をあげていないことが危惧されている。
こうした現状を踏まえ、WHO は、ポリオ根絶に向けた最終的な取組として、「ポリオ根絶戦略 2022-2026」
(以下「ポリオ根絶戦略」という。)に基づき、「ポリオウイルス封じ込めのための世界的行動計画(GAP)」
(最新版は令和4年7月公開の GAPⅣ)(以下「GAP」という。)を定めた。GAP では、各国はポリオウイル
スを保持し続けるワクチン製造・診断・研究に関わる施設を「Poliovirus-essential facility (PEF)」として認証
し、その数を最小限に減らすことが求められている。日本においては、AFP サーベイランス、感染症流行
予測調査事業に基づく環境水サーベイランスや中和抗体価のモニタリング等を通じてポリオウイルスの封
じ込め状況をモニタリングしているところであるが、これらの取組に加えて、国内での PEF の認証を進める
とともに、不必要なポリオウイルス等の廃棄等を進めているところである。
一方、日本では、ポリオウイルスは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以
下「感染症法」という。)第6条第 25 項第3号において四種病原体等に分類されており、施設基準や事故・
災害時の届出等の義務が規定されている。また、ポリオとしては、第6条第3項第1号において二類感染
症に分類されている。しかしながら、GAP はポリオウイルスの根絶を目的としているため、感染症法とは異
なる規制を設けている。
上記を踏まえ、本「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(以下「取扱指針」という。)は GAP に沿った
適切な対応を、ポリオウイルス所持施設、地方公共団体(都道府県及び市区町村のことをいう。以下同
じ。)及び医療機関等が感染症法等の法令に基づく対応に加えて必要となる具体的な対応についてまと
めたものである。なお、対応に当たっては、PEF 及び PEF の所在地を管轄する地方公共団体及び医療機
関等と連携した対応が求められることから、取扱指針の策定に当たっては上記関係者に協力いただいた。
2.取扱指針の目的
取扱指針は、日本における世界ポリオ根絶戦略推進のため、国及び JIHS、地方公共団体、PEF 及び
医療機関等が連携・協力し、適切な行動ができるようにすることを目的として、運用上の取組を示すととも
に、ポリオウイルスの取扱いの方向性について検討を進める際の基礎資料とする。
この取扱指針により、ポリオ根絶に向けた日本の取組が一層強化され、国際的な目標に向けた確実な
進展が期待される。引き続き、各関係機関が連携し、情報共有を図りながら、ポリオ根絶に向けた具体的
な行動を推進する。
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1.「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」策定の背景
急性灰白髄炎(以下「ポリオ」という。)はポリオウイルスによって引き起こされる疾病である。1988(昭和
63)年5月の世界保健総会における決議に基づき、世界保健機関(以下「WHO」という。)や民間団体等が
「世界ポリオ根絶イニシアティブ;Global polio eradication initiative (GPEI)」を組織し、ポリオ根絶に向けた
世界的な取組みが推進されている。
日本では、1980 年の1例を最後に、現在まで、野生株ポリオウイルス(WPV:Wild poliovirus)による新た
な患者は出ていない。その後、2000 年には WHO 西太平洋地域において根絶が宣言され、2002 年に WHO
ヨーロッパ地域、そして 2020 年にはアフリカ地域でそれぞれポリオの根絶が宣言された。全体として、患
者数は確実に減少に向かっているが、海外の一部地域では、経済的・政治的不安定を背景にして、ポリ
オ対策が充分に実効をあげていないことが危惧されている。
こうした現状を踏まえ、WHO は、ポリオ根絶に向けた最終的な取組として、「ポリオ根絶戦略 2022-2026」
(以下「ポリオ根絶戦略」という。)に基づき、「ポリオウイルス封じ込めのための世界的行動計画(GAP)」
(最新版は令和4年7月公開の GAPⅣ)(以下「GAP」という。)を定めた。GAP では、各国はポリオウイル
スを保持し続けるワクチン製造・診断・研究に関わる施設を「Poliovirus-essential facility (PEF)」として認証
し、その数を最小限に減らすことが求められている。日本においては、AFP サーベイランス、感染症流行
予測調査事業に基づく環境水サーベイランスや中和抗体価のモニタリング等を通じてポリオウイルスの封
じ込め状況をモニタリングしているところであるが、これらの取組に加えて、国内での PEF の認証を進める
とともに、不必要なポリオウイルス等の廃棄等を進めているところである。
一方、日本では、ポリオウイルスは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以
下「感染症法」という。)第6条第 25 項第3号において四種病原体等に分類されており、施設基準や事故・
災害時の届出等の義務が規定されている。また、ポリオとしては、第6条第3項第1号において二類感染
症に分類されている。しかしながら、GAP はポリオウイルスの根絶を目的としているため、感染症法とは異
なる規制を設けている。
上記を踏まえ、本「ポリオウイルスの取扱いに関する指針」(以下「取扱指針」という。)は GAP に沿った
適切な対応を、ポリオウイルス所持施設、地方公共団体(都道府県及び市区町村のことをいう。以下同
じ。)及び医療機関等が感染症法等の法令に基づく対応に加えて必要となる具体的な対応についてまと
めたものである。なお、対応に当たっては、PEF 及び PEF の所在地を管轄する地方公共団体及び医療機
関等と連携した対応が求められることから、取扱指針の策定に当たっては上記関係者に協力いただいた。
2.取扱指針の目的
取扱指針は、日本における世界ポリオ根絶戦略推進のため、国及び JIHS、地方公共団体、PEF 及び
医療機関等が連携・協力し、適切な行動ができるようにすることを目的として、運用上の取組を示すととも
に、ポリオウイルスの取扱いの方向性について検討を進める際の基礎資料とする。
この取扱指針により、ポリオ根絶に向けた日本の取組が一層強化され、国際的な目標に向けた確実な
進展が期待される。引き続き、各関係機関が連携し、情報共有を図りながら、ポリオ根絶に向けた具体的
な行動を推進する。
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