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【参考資料3-1】ポリオウイルスの取扱いに関する指針(案)[1.7MB] (33 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54655.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会(第94回 3/26)《厚生労働省》 |
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5
病原体管理
5.1
ポリオウイルスの取扱いに関する指針の適用範囲
【世界的な封じ込めの状況】
ポリオウイルスの封じ込めの取組を確実にするため、根絶後もポリオウイルス感染性材料や感染性を
有する可能性のある材料の保管を希望する国は、当該材料を PEF 内に保管することが求められている。
ポリオウイルスの封じ込めの状況は「移行中」と「完全実施」に分類される。「移行中」のものについては、
各国で封じ込めの要件制定に向けた検討を進めている状態である。「完全実施」のものについては、各国
で封じ込めの要件を全て制定し、国と施設が積極的に施行している状態である62。
ポリオウイルス(血清型、遺伝子型)の世界的な封じ込めの状況は、2024 年8月現在、下表のように示
されている(図表 10)。具体的には、世界的な根絶状況を踏まえ、これまで封じ込め対象であった2型のポ
リオウイルス(WPV・Sabin 株)に加え、2019 年に根絶が認証された3型の WPV・VDPV も封じ込め対象と
すること、同様に、1型の WPV についても、流行国を除く全ての国で、封じ込め対象とする方針が示され
た。なお、この封じ込めの状況は、毎年 GCC において評価・更新される。
図表10 世界及び日本のポリオウイルスの型別の封じ込めの状況
1型
2型
3型
ポリオウイルスの株
WPV1
VDPV1
Sabin1/OPV1
WPV2
VDPV2
Sabin2/OPV2
WPV3
VDPV3
Sabin3/OPV3
世界の封じ込めの状況
移行中
移行中
移行中
完全実施
移行中
移行中
移行中
移行中
移行中
日本の封じ込めの状況
完全実施
完全実施
移行中
完全実施
完全実施
完全実施
完全実施
完全実施
移行中
【日本の封じ込めの状況】
取扱指針策定時点において、日本はポリオ排除国となっていることを踏まえ、2型に加え、1型・3型に
ついても2型と同様の取扱いとする。
なお、日本では、感染症法上、ポリオウイルス(WPV、VDPV)は四種病原体等に分類されており、施設
基準(BSL2相当)や保管等の基準が定められるとともに、事故(盗取、所在不明など)、災害(地震など)
時の国への報告が義務づけられているが、GAPⅣとは異なる規定となっている。なお、Sabin 株は OPV と
して我が国でもかつて定期の予防接種に使用していたが、諸外国では依然 bOPV 接種が実施されている
ため、ウイルス株として規制の対象外となっている63。
ポリオ根絶に向けた世界的な取組みの推進のためには GAPIV に概ね則した対応が必要となることか
ら、ポリオウイルスを扱う施設は感染症法の規定に加え、関係機関等とも連携しながら、取扱指針の内容
に準拠することが求められる。
62 WPV2 型と 3 型は根絶が宣言されたが、現在世界は cVDPV の発生と流行国における WPV1 型の継続的伝播という前例のない課題に直
面している。これらの新たな流行により、想定していた封じ込めの進捗は予想より複雑化し、これまでの厳格な枠組みには適合し
なくなった。今後の課題に対応し封じ込め要件の柔軟な制定を可能とするため、影響を受ける国が現場の状況に適切に対応できる
よう、封じ込め要件が移行中に分類されている。
63 厚生労働省:感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kekkaku-kansenshou17/03.html
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病原体管理
5.1
ポリオウイルスの取扱いに関する指針の適用範囲
【世界的な封じ込めの状況】
ポリオウイルスの封じ込めの取組を確実にするため、根絶後もポリオウイルス感染性材料や感染性を
有する可能性のある材料の保管を希望する国は、当該材料を PEF 内に保管することが求められている。
ポリオウイルスの封じ込めの状況は「移行中」と「完全実施」に分類される。「移行中」のものについては、
各国で封じ込めの要件制定に向けた検討を進めている状態である。「完全実施」のものについては、各国
で封じ込めの要件を全て制定し、国と施設が積極的に施行している状態である62。
ポリオウイルス(血清型、遺伝子型)の世界的な封じ込めの状況は、2024 年8月現在、下表のように示
されている(図表 10)。具体的には、世界的な根絶状況を踏まえ、これまで封じ込め対象であった2型のポ
リオウイルス(WPV・Sabin 株)に加え、2019 年に根絶が認証された3型の WPV・VDPV も封じ込め対象と
すること、同様に、1型の WPV についても、流行国を除く全ての国で、封じ込め対象とする方針が示され
た。なお、この封じ込めの状況は、毎年 GCC において評価・更新される。
図表10 世界及び日本のポリオウイルスの型別の封じ込めの状況
1型
2型
3型
ポリオウイルスの株
WPV1
VDPV1
Sabin1/OPV1
WPV2
VDPV2
Sabin2/OPV2
WPV3
VDPV3
Sabin3/OPV3
世界の封じ込めの状況
移行中
移行中
移行中
完全実施
移行中
移行中
移行中
移行中
移行中
日本の封じ込めの状況
完全実施
完全実施
移行中
完全実施
完全実施
完全実施
完全実施
完全実施
移行中
【日本の封じ込めの状況】
取扱指針策定時点において、日本はポリオ排除国となっていることを踏まえ、2型に加え、1型・3型に
ついても2型と同様の取扱いとする。
なお、日本では、感染症法上、ポリオウイルス(WPV、VDPV)は四種病原体等に分類されており、施設
基準(BSL2相当)や保管等の基準が定められるとともに、事故(盗取、所在不明など)、災害(地震など)
時の国への報告が義務づけられているが、GAPⅣとは異なる規定となっている。なお、Sabin 株は OPV と
して我が国でもかつて定期の予防接種に使用していたが、諸外国では依然 bOPV 接種が実施されている
ため、ウイルス株として規制の対象外となっている63。
ポリオ根絶に向けた世界的な取組みの推進のためには GAPIV に概ね則した対応が必要となることか
ら、ポリオウイルスを扱う施設は感染症法の規定に加え、関係機関等とも連携しながら、取扱指針の内容
に準拠することが求められる。
62 WPV2 型と 3 型は根絶が宣言されたが、現在世界は cVDPV の発生と流行国における WPV1 型の継続的伝播という前例のない課題に直
面している。これらの新たな流行により、想定していた封じ込めの進捗は予想より複雑化し、これまでの厳格な枠組みには適合し
なくなった。今後の課題に対応し封じ込め要件の柔軟な制定を可能とするため、影響を受ける国が現場の状況に適切に対応できる
よう、封じ込め要件が移行中に分類されている。
63 厚生労働省:感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kekkaku-kansenshou17/03.html
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