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参考資料 3 (43 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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資料Ⅱ-4-3

採⽤倍率の低下

○ ⼤量退職に伴う採⽤者数の増加などにより、教員の採⽤倍率は⼤幅に低下(⼩学校は2.5倍(過去最
低))しており、質の⾼い教員の確保が困難になりつつある。
○ 当⾯は定年延⻑により退職者の減少も⾒込まれるが、少⼦化に伴う新社会⼈の減少を踏まえれば、なり⼿の確
保が喫緊の課題。
◆受験者数・採⽤者数・競争率(採⽤倍率)の推移【⼩学校】
70,000(⼈)
60,000

12.5倍

受験者数

採⽤者数

前年度末退職者数

(倍)
14.0

40,636⼈

46,156⼈

50,000

競争率(右軸)

40,000
30,000
20,000

12.0
10.0
8.0

16,152⼈

3,683⼈

10,000
0

6.0

【受験者数】
この20年間で
概ね横ばい
【採⽤者数】
この20年間で
4倍以上

4.0

【採⽤倍率】

2.0

2.5倍

0.0
2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022

令和4年度の採⽤倍率(⼩学校)の全国平均は2.5倍となっており、14県では、2.0倍未満となっている。
(秋⽥県、福岡県︓1.3倍、佐賀県、⼤分県︓1.4倍、⼭形県、⻑崎県︓1.5倍、福島県、富⼭県、宮崎県︓1.6倍、⼭梨県、島根県、広島県、⿅児島県︓1.8倍、
新潟県︓1.9倍)
(出所)令和4年度(令和3年度実施)公⽴学校教員採⽤選考試験の実施状況に係る⽂部科学省調査

◆採⽤倍率の低下がもたらす影響
・近年の、経済学の研究には、教員の「質」を⾼める政策の経済効果が極めて⾼いこと、教員の質が⾼まることの恩恵をもっとも⼤きく受けるのは社会経済的に不利な⽴場にいる⼦どもたちである
ことが⽰されている。こうしたことを踏まえれば、保護者の社会経済的地位による格差が拡⼤するわが国においても、教員の質を⾼めることは重要であるが、教育の「量」と「質」とはトレード・オフ
の関係にあるという有⼒な研究が存在している点には注意が必要だ。Jepsen & Rivkin(2009)では、カリフォルニア州で⾏われた学級規模の縮⼩について分析し、学級規模の縮⼩によっ
て、平均的に⼦どもたちの数学と国語の学⼒は上昇したものの、学級規模縮⼩のもたらす直接的なプラスの効果は、追加的に雇⽤された教員として経験が少ない質の低い教員が増加したことに
よってかなりの部分が失われ、質の低い教員の増加のマイナスの影響をもっとも強く受けたのは、⿊⼈や貧困層の⼦どもたちであったことが明らかとなっている。
・⽇本で教員の「量」を増やすことを政策⽬標とした場合、短期的に教員の「質」が低下するという恐れはないか。そして、教員の働き⽅、処遇、マネージメント体制や⼈事評価のあり⽅などの改
善に⼿をつけることなく、⽬の前の仕事が多忙であるという問題を解決するために、ひたすら教員の数を増やせば、教員という仕事の魅⼒が低下し、優秀な⼈材が教員の市場に参⼊するこ
とを妨げるだけなのではないのか。
(『少⼈数学級はいじめ・暴⼒・不登校を減らすのか』2017.3 中室)