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資料3-1  リツキシマブ(遺伝子組換え) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00026.html
出典情報 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第54回 2/15)《厚生労働省》
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renal outcome. Clin J Am Soc Nephrol 2009; 4: 579-87. 30)
ループス腎炎に対する本剤治療後の長期成績について、後方視的解析が実施された。
本剤による治療開始前 3 カ月以内の腎生検で活動性のループス腎炎と診断され、観察期間
が 12 カ月以上であった 20 例(17~37 歳)を解析対象とした。Class IV が 15 例(4 例は Class
IV+V)、Class V が 5 例であった。また、1 回以上の再燃歴を有する症例は 12 例、1 回以上の
免疫抑制剤治療を受けている症例は 18 例(CY 静注の 15 例を含む)であった。18 例は本剤
投与前にネフローゼ症候群様の腎機能障害を呈しており、9 例は急性腎不全を生じていた。
本剤は、375 mg/m2 を 1 週間間隔で 4 回投与した(2 例は 3 回投与)
。3 例で CY が併用され
た。10 例で維持療法として本剤が投与されていた(本剤投与回数の中央値:2 回、範囲:1
~11 回)
。本剤の投与目的は、12 例が治療抵抗性に対する治療、6 例が再燃に対する治療、2
例が初回治療であった。
CR は、尿蛋白が 0.5 g/日未満、血尿の消失及び eGFR が正常値(60 mL/min/1.73 m2 以上)
又はベースラインから 50%を超える改善を認めた場合とし、PR は、24 時間尿蛋白が 50%を
超えて改善し、eGFR が安定した場合と定義した。
観察期間中央値 22 カ月(範囲:10~51 カ月)において、20 例中 CR は 7 例、PR は 5 例で
あった。奏効(CR 又は PR)が認められた 12 例のうち、6 カ月以内の奏効例は 6 例、6 カ月
以上 12 カ月以内の奏効例は 5 例であり、1 例は 26 カ月後の奏効であった。Class IV について、
10/15 例で奏効(CR 及び PR 各 5 例)が認められたが、うち 1 例は奏効から 6 カ月後に再燃
したため本剤を 2 回投与し、PR となった。また、本剤が無効であった 4/5 例は透析へ移行し
た。Class V について、2/5 例が CR となり、観察期間中の再燃は認めなかった。一方で、二
次性に発現した巣状分節性糸球体硬化症により効果判定ができなかった 1 例を含む 3 例は、
本剤が無効であった。
安全性について、Infusion reaction が 3 例(頭痛 2 例、悪心 1 例)に発現したものの、本剤
の忍容性が認められた。観察期間中に感染症が 5 例に発現し、うち透析に至った 2 例(敗血
症性ショック 1 例、敗血性関節炎 1 例)は重篤であった。また、本剤治療中に 1 例で口腔咽
頭炎が認められた。本剤投与後 2~18 カ月の観察期間中に、中等度の好中球減少(800~
1500/mm3)が 4 例に認められた。また、本剤が無効であった 2 例で可逆性白質脳症が発現し
た。死亡例は、10 カ月目に SLE の増悪と高血圧による広範囲な脳出血を発現した 1 例であっ
た。
11) Garcia-Carrasco M, et al. Anti-CD20 therapy in patients with refractory systemic lupus
erythematosus: a longitudinal analysis of 52 Hispanic patients. Lupus 2010; 19: 213-9. 31)
難治性 SLE 患者に対する本剤治療の有効性及び安全性を検討する試験が実施された。
SLE 患者 52 例(19~72 歳)に本剤が投与された。13/52 例でループス腎炎を合併しており、
臨床所見により診断された症例が 7 例、
腎生検により診断された症例が 6 例
(WHO 分類 Class
III:2 例、IV:4 例)であった。13 例全例で、CY、MMF 又はアザチオプリンのいずれかに
よる治療にもかかわらず活動性の炎症所見が認められた。

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