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資料3-1 リツキシマブ(遺伝子組換え) (33 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00026.html |
出典情報 | 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第54回 2/15)《厚生労働省》 |
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とした臨床試験及び観察研究を調査した。その結果、12 報(272 例)が対象となった。
ループス腎炎に関する主な結果の概要を以下に示す。
すべての研究が症例集積研究であり、対照群は設けられていなかった。
主に英国、米国、カナダの研究であった(162 例〈60%〉
)
。年齢は 6~28 歳であった。SLE
の平均発症年齢は 6 報で報告されており、7.8~12.5 歳であった。平均罹病期間は 9 報で
報告されており、1.4~4.7 年であった。
前治療については、全例で CY 及び MMF が無効であり、多くの患者では 1 種類以上の他
の免疫抑制剤(アザチオプリン、IVIG、メトトレキサート、シクロスポリン、タクロリ
ムス、サリドマイド等)が無効であった。追跡期間は 1~36 カ月であった。
難治性ループス腎炎に関する報告は 7 報であった。
本剤の投与量は 11 報(264 例)で報告され、レジメンは多様であった。最も一般的なレ
ジメンは、375 mg/m2/週であった。1 コース当たりの投与回数は 2~4 回で、コース数は 1
~12 回であった。4 報では、本剤 750 mg/m2(最大 1,000 mg)を約 14 日間隔で 2 回投与
していた。7 報で併用薬剤が報告され、重症の疾患に対して CY が併用され、多くの研究
でステロイド及び免疫抑制剤(生物学的製剤でない)が併用されていた。
ループス腎炎合併例は 89 例(33%)であり、7 報で 2~12 カ月以内に腎機能の改善及び
尿蛋白の減少が報告されている。
本剤は steroid-sparing 効果という点で有効と考えられる。7 報で短期から長期(1~12 カ
月)の間にステロイドの投与量を減少させたと報告されている。
安全性について、有害事象は 10 報で 78 例に報告された。頻度の高い有害事象は、infusion
reaction(14 例)
、ウイルス感染症(10 例)であった。重篤な有害事象は 22 例に認められ、
その中には重症の血球減少(11 例)
、中枢神経血管炎(1 例)
、生命を脅かす infusion reaction
(2 例)が含まれていた。本剤に関連する重症の感染症は 6 例に認められ、うち 2 例が日
和見感染症であった。
11) Vachvanichsanong P, et al. Pediatric lupus nephritis: more options, more chances? Lupus 2013;
22: 545-53. 55)
小児ループス腎炎の総説において、本剤に関する以下の記載がある。
本剤(375 mg/m2 を 1 週間間隔で 4 回投与)は、当初、B 細胞性悪性リンパ腫に対して使用
されていた。形質細胞には作用しないことから免疫グロブリンを減少させず、感染症の発現
率に影響しないとされている。本剤は CY 等の免疫抑制剤と併用され、標準治療に抵抗性の
患者に寛解をもたらすことが可能である。
CY 及びステロイドによる一次治療が無効となった後、本剤 375 mg/m2 を 1 週間間隔で 2~4
回投与した小児期発症の重症ループス腎炎 18 例を対象とした研究では、17 例で疾患活動性
スコア、腎機能、尿蛋白、抗 ds-DNA 抗体価が改善した。しかしながら、本剤の複数回投与
を必要とした症例(5 例)や、感染性心内膜炎により死亡した症例(1 例)も報告されている。
また、CY を含む複数の免疫抑制剤による治療歴を有する小児の難治性ループス腎炎 7 例を
33
ループス腎炎に関する主な結果の概要を以下に示す。
すべての研究が症例集積研究であり、対照群は設けられていなかった。
主に英国、米国、カナダの研究であった(162 例〈60%〉
)
。年齢は 6~28 歳であった。SLE
の平均発症年齢は 6 報で報告されており、7.8~12.5 歳であった。平均罹病期間は 9 報で
報告されており、1.4~4.7 年であった。
前治療については、全例で CY 及び MMF が無効であり、多くの患者では 1 種類以上の他
の免疫抑制剤(アザチオプリン、IVIG、メトトレキサート、シクロスポリン、タクロリ
ムス、サリドマイド等)が無効であった。追跡期間は 1~36 カ月であった。
難治性ループス腎炎に関する報告は 7 報であった。
本剤の投与量は 11 報(264 例)で報告され、レジメンは多様であった。最も一般的なレ
ジメンは、375 mg/m2/週であった。1 コース当たりの投与回数は 2~4 回で、コース数は 1
~12 回であった。4 報では、本剤 750 mg/m2(最大 1,000 mg)を約 14 日間隔で 2 回投与
していた。7 報で併用薬剤が報告され、重症の疾患に対して CY が併用され、多くの研究
でステロイド及び免疫抑制剤(生物学的製剤でない)が併用されていた。
ループス腎炎合併例は 89 例(33%)であり、7 報で 2~12 カ月以内に腎機能の改善及び
尿蛋白の減少が報告されている。
本剤は steroid-sparing 効果という点で有効と考えられる。7 報で短期から長期(1~12 カ
月)の間にステロイドの投与量を減少させたと報告されている。
安全性について、有害事象は 10 報で 78 例に報告された。頻度の高い有害事象は、infusion
reaction(14 例)
、ウイルス感染症(10 例)であった。重篤な有害事象は 22 例に認められ、
その中には重症の血球減少(11 例)
、中枢神経血管炎(1 例)
、生命を脅かす infusion reaction
(2 例)が含まれていた。本剤に関連する重症の感染症は 6 例に認められ、うち 2 例が日
和見感染症であった。
11) Vachvanichsanong P, et al. Pediatric lupus nephritis: more options, more chances? Lupus 2013;
22: 545-53. 55)
小児ループス腎炎の総説において、本剤に関する以下の記載がある。
本剤(375 mg/m2 を 1 週間間隔で 4 回投与)は、当初、B 細胞性悪性リンパ腫に対して使用
されていた。形質細胞には作用しないことから免疫グロブリンを減少させず、感染症の発現
率に影響しないとされている。本剤は CY 等の免疫抑制剤と併用され、標準治療に抵抗性の
患者に寛解をもたらすことが可能である。
CY 及びステロイドによる一次治療が無効となった後、本剤 375 mg/m2 を 1 週間間隔で 2~4
回投与した小児期発症の重症ループス腎炎 18 例を対象とした研究では、17 例で疾患活動性
スコア、腎機能、尿蛋白、抗 ds-DNA 抗体価が改善した。しかしながら、本剤の複数回投与
を必要とした症例(5 例)や、感染性心内膜炎により死亡した症例(1 例)も報告されている。
また、CY を含む複数の免疫抑制剤による治療歴を有する小児の難治性ループス腎炎 7 例を
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