福祉士及び認定特定行為業務従事者をいう。以下同じ。）の確保までには一定期間
が必要である。
本報告書では、小学校における医療的ケアの実施体制を整えるためには、就学を
迎える医療的ケア児をできるだけ早く把握するとともに、保護者等の就学先の意向
（小学校を希望、特別支援学校を希望など）を把握し、医療的ケア実施者の確保を
図ることが必要ではないかとの観点から、市区町村教育委員会における医療的ケア
児に係る情報の把握状況、就学先に係る保護者等の意向の把握状況及び医療的ケア
実施者の確保状況を調査し、その結果を項目 2 で整理した。
②

小学校における医療的ケアの実施状況
文部科学省は、法の趣旨を踏まえ、各教育委員会等に対し、保護者の付添いがな

くても学校で必要な医療的ケアが受けられるようにするための措置を講ずることを
求めているが、一方で、文部科学省の調査 7においては、看護師等を確保・配置して
いるにもかかわらず保護者の付添いが一定程度生じていることが報告されている。
このことを踏まえ、こうした保護者の付添いを解消する余地はないかという観点
から、小学校での医療的ケアの実施状況について、保護者の付添いの実態やこのよ
うな付添いを解消するために講じている方策等を調査し、その結果を項目 3 で整理
した。
③

在校時における発災への備えの状況
上記（2）のとおり、法附則第 2 条第 3 項において、災害時における医療的ケア児

に対する支援の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ず
るものとされている。
このことを踏まえ、医療的ケア児が在校中の災害発生に備えた安全確保の取組状
況を把握する観点から、発災時の避難に向けた取組状況及び学校待機時の医療的ケ
アの実施に向けた備えの状況を調査し、その結果を項目 4 で整理した。
イ

調査対象機関の選定
本調査における調査対象は以下のとおり選定した。
①

各市区町村教育委員会における医療的ケア児に係る情報の把握状況、就学に係
る調整状況及び就学後の小学校における医療的ケアの実施状況を調査するため、
文部科学省が実施した「令和元年度学校における医療的ケアに関する実態調査結
果」及び「令和 3 年度学校における医療的ケアに関する実態調査結果」の比較に

7

「令和 4 年度 学校における医療的ケアに関する実態調査結果」（令和 5 年 3 月文部科学省）

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