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医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-全体版 (27 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_240308000171690.html
出典情報 医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-(3/8)《総務省》
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必要な医療的ケアなど

喀痰吸引、気管切開部の管理
※在校中の医療的ケア実施なし(見守り)

<事例の概要>
当該教育委員会では、市内在住で、隣市の幼稚園に通っている医療的ケア児につ
いて、隣市からの情報提供により、就学前年の令和 3 年 6 月頃に保護者の就学先の
意向(小学校希望)を把握した。
当該教育委員会が当該児童の就学に際し専門家の意見を聴取したところ、小学校
への就学に当たっては、在校中の医療的ケアの実施はないものの、器具が外れた際
の対応は保護者か看護師等しかできないため、その場合に備える必要があるとの意
見であった。当該教育委員会において専門家の意見を踏まえた上で保護者の就学先
の意向を改めて確認したところ、保護者自身が地域の小学校への就学を希望してい
ることもあり、その時点で保護者から毎日付き添うと申出があったため、保護者の
付添いを前提として小学校への就学が可能と合意形成を図り、看護師等の確保はし
なかった。
なお、当該教育委員会としては、「これまで域内の小学校で受け入れた医療的ケ
ア児について看護師等の確保を行ったことがなく、マニュアルなども整備されてい
ない状況である。そのため、保護者から付添いの申出がなければ、看護師等を確保
すべく対応したと考えられるが、看護師等の確保の難しさもあり、小学校での受入
れは困難であった可能性がある。」としている。
(注) 当省の調査結果による。

看護師の確保が困難となっている理由について市区町村教育委員会では、看護人材
の不足に加え、会計年度任用職員として採用する場合は、市区町村の給与規定等に位
置付けられ、医療機関勤務に比べて給与が低くなってしまうためとの意見があったほ
か、医師のいない小学校で勤務することに対する不安があると考えられるためといっ
た勤務環境に起因すると思われる意見もあった。また、小学校勤務のため、夏休み等
の長期休暇の際には仕事がなくなるとの意見もあった 12。
一方で、医療的ケア実施者として小学校に勤務する場合は夜間勤務や土日・祝日の
勤務がないこと等も踏まえ、そのような働き方を希望する看護師には好ましい勤務先
ではないかとする市区町村教育委員会もあり、小学校勤務という働き方が認知されて
いないことが看護師の応募が少ない理由だとする意見もあった 12。
また、今回調査した市区町村教育委員会のうち、初めて小学校で医療的ケア児を受
け入れた一部の教育委員会からは、これまで小学校への就学を希望する医療的ケア児
がいなかったため、医療的ケア児は特別支援学校で受け入れることが一般的と認識し
ていたとする声や、小学校への医療的ケア児の受入れのために医療的ケア実施者を確
保するという認識が不足していたとする声も聴かれた。
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