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医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-全体版 (56 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_240308000171690.html
出典情報 医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-(3/8)《総務省》
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る。
・ 当教育委員会では、令和 4 年度当初に看護師が 5 名必要なところ、4 名しか確保できず、5
名確保できたのは夏休み前となってしまった。看護師を会計年度任用職員として採用する場
合は、当市の給与規定等に基づいて給与が決定されるため、病院勤務の看護師に比べて時給
が低い、夏休みなど勤務がない期間が長期に及ぶなど、若い現役世代のニーズには合わず確
保に結び付かなかった。
一方、自身の子育てを終えて復職を検討するも、交代制勤務が求められるような病院勤務
には自信がなかったり、既に年金を受給している世代の人が空いている時間を有効活用した
いと考えていたりする人もいることが分かった。当教育委員会では、今後はこのような人た
ちに訴求するような方法もとるなど採用広報等を工夫する余地があると考えている。
・ 当教育委員会では、看護師の確保に当たって市のホームページに公募情報を掲載するほか、
ハローワークや県看護協会等に対し紹介依頼を行っているが、なかなか応募がなく、令和 4
年度については当教育委員会職員からの紹介により何とか確保に至った。令和 5 年度も同様
に応募が少なかったが、何とか確保に至った。


当教育委員会では、看護師の確保に当たって市のホームページや広報誌への掲載のほか、
県看護協会が運営している無料職業紹介に求人募集したり、医療的ケア児の保護者の知人や
小学校の教員の知人に依頼したりして何とか確保している。
なお、確保した看護師は、病院での週 5 日の勤務は体力的に厳しいが、医療的ケア児が登

校する日や医療的ケアを実施する時間だけ働く分には問題ないとしている人が多かった。


当教育委員会では、看護師の確保よりも、確保後の定着に課題があると考えており、待遇

面よりも環境面の課題のほうが大きいと考えている。看護師からは、例えば、①病院内で勤
務すれば身近に看護師の同僚、看護師長及び医師がいるため相談ができるが、学校現場では
これらの者がいないため相談することが難しく責任が重く感じること、②幅広い知識と経験
が求められる場合があること(学校における医療的ケアに当たっては、小児科等の知識が必
要であるが、呼吸器などを扱った経験や重度・重複障害児(注)との関わりの経験等の有無に
より、自分の力量でできるのかと不安になる。)
、③学校では授業や行事が優先されるため、
病院で行っていたときと同じようなケアができず対応が難しいこと、④医療の知識がない教
員との打合せ等病院勤務とは違った仕事の内容が含まれることなどが挙げられた。
(注) 学校教育法施行令(昭和 28 年政令第 340 号)第 22 条の 3 に規定する障害(視覚障害、聴覚障害、
「精神発達の遅
知的障害、肢体不自由、病弱)を 2 以上併せ有する者のほかに、発達的側面からみて、
れが著しく、ほとんど言語を持たず、自他の意思の交換及び環境への適応が著しく困難であって、日
常生活において常時介護を必要とする程度」の者、行動的側面からみて「破壊的行動、多動傾向、異
常な週間、自傷行為、自閉性、その他の問題行動が著しく、常時介護を必要とする程度」の者



当教育委員会では、看護師の確保が難しい理由について、給与の面も大きいかもしれない
が、看護師資格を持っている人が、勤務先の選択肢として学校があるということ、いわゆる

学校看護師という働き方があるということを認知していないことが要因の一つとしてあるの
ではないか。
・ 当教育委員会における看護師の確保に当たっては、医療的ケアを行う時間以外は学校サポ
ートスタッフとして勤務できるよう、勤務時間を応募者に応じて柔軟に対応することとした

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