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医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-全体版 (42 ページ)

公開元URL https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_240308000171690.html
出典情報 医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査-小学校における医療的ケアの実施体制の構築を中心として-(3/8)《総務省》
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表 3-⑩

特別支援教育支援員が認定特定行為業務従事者の資格を取得して医療的ケア

を実施している事例
地方公共団体の規模

市(人口 10 万人未満)

<事例の概要>
当該教育委員会において雇用している特別支援教育支援員のうち、介護福祉士の
資格を持っている者に認定特定行為業務従事者の資格を取得した上で医療的ケアを
実施することについて打診したところ、本人の了承が得られたため、当該職員に認
定特定行為業務従事者の研修を受講の上、資格を取得させた。その後、医療的ケア
の内容が特定行為である当該児童のいる小学校に異動させた上で医療的ケアを実施
している。
なお、当該小学校には、学校医が勤務している診療所から看護師が 2 か月に 1 回
訪問し、医療的ケア実施者に対する指導や手順等の必要事項の検討を行っている。
(注) 当省の調査結果による。

他方、多くの市区町村教育委員会では、認定特定行為業務従事者による特定行為の
実施については、安全面での不安の声が聴かれ、また、教員が認定特定行為業務従事
者の資格を取得して特定行為を行うことについては、教員の負担増を懸念する声が聴
かれるなど、看護師等以外の者が特定行為を実施することについては、全体として慎
重な意見が多くみられた。
(まとめ)


ガイドライン等に基づき実施することとしている医療的ケアの範囲
今回、各市区町村教育委員会が策定しているガイドライン等に学校で行う医療的ケ
アの範囲がどのように記載されているかについてみたところ、域内の小学校における
体制の整備状況等の実情によりその範囲は様々であったが、中には、ガイドライン等
に特定の医療的ケアの記載がないことをもって、当該医療的ケアを必要とする児童に
係る医療的ケア実施者の確保の検討が行われず、保護者が付き添ってケアを実施して
いる事例がみられた。
医療的ケア児は、一人一人が抱える症状が様々であることから、小学校における医
療的ケアの実施の可否を含めた対応について、医療的ケア児の個々の状態を踏まえた
上での判断が必要と考えられる。そのため、特定のケアの種類であることのみをもっ
て、一律に小学校においてケアを行わないとすることは合理性がないと思われる。
したがって、文部科学省は、市区町村教育委員会に対し、特定の医療的ケアがガイ
ドライン等に記載されていないことを理由に一律に当該ケアを実施しないのではなく、
個々の医療的ケア児の状態に応じて、主治医や医療的ケア指導医(医療的ケアについ
て助言や指導を得るための医師を言う。以下同じ。)、保護者と相談・協議して小学
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