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(参考資料)2 (56 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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患者本位の治療の確立に向けた取組み

資料Ⅳ-2-23

○ 質の高い医療の効率的提供という観点からは、患者本位の良識ある腫瘍治療研究の確立に向けて、将来ビジョンや基本的考え方を
共有しようとする専門家の取組み(Common Sense Oncology)がカナダを起点に世界の腫瘍治療研究専門家により行われている。
○ そこでは、患者の立場に立って、専門家として意味ある改善が期待できない治療を推奨しないことや、患者や政策当局者のがん治療の
選択肢に対する理解を深めていくことが目指されている。
○ 我が国においても、患者本位の治療、研究の確立という考え方に沿って、幅広く対策を講じていく必要がある。
◆良識ある腫瘍治療・研究(Common Sense Oncology: outcomes that matter)の取組み
・質の高いがん治療を推進するための草の根の運動
・2023年4月にカナダ・クィーン大学での準備会合で開始
・医師、保健専門家、患者、患者団体、学会、メディア、規制当局、政策当局の誰もが参加できる
・患者本位の効果ある治療の研究、患者本位の研究結果の解釈、研究結果のコミュニケーション・がん治療の選択肢に対する理解促進

対応すべき課題(ポイントを抜粋)

Vision(ポイントを抜粋)

〇がん治療方針の決定は患者と診療側にとってより複雑になっている
・大きな恩恵をもたらす新薬もあるが、承認された新薬の多くは寿命を延ば
したり症状を改善したりしない。
・全てのがん治療は副作用を伴い、大きな経済負担が生じ、病院で過ごすこ
とで家族や友人と過ごす時間を少なくする。
・生存期間延長とQOL改善をもたらす治療を研究し促進することも大事だが、
そうでないものを見極めることも重要。

Guiding Principles(ポイントを抜粋)

〇公的費用で賄う治験から業界負担の治験に変わり、患者の便益ではなく業
界の利益ががん治療と研究を動かしている。
〇治療の便益とリスクに関する明確なコミュニケーションが不足している。
治癒しないがん治療において、予後と治療手法を議論する際に、治療者と
患者の双方にとって希望と現実のバランスを取ることが難しい。
〇患者はもっと治療に関する情報を知り、質の高い治療を受けられるべき。
教育、研究手法、研究投資、政策、メディア、コミュニケーション、治療
について発想の転換が必要。
出所:https://commonsenseoncology.org

・患者は有意な改善を示すがん治療にアクセスできる
・患者にとって重要な成果が全ての治験等の中心である
・治験報告の透明性。(患者等が明確に理解できる言葉で)
・患者の意思決定に資する明確なコミュニケーション
・患者の生活改善に資する治療だけが推奨される


1.質の高いがん治療へのアクセスは基本的な人権
2.患者と社会のニーズががん研究と治療を動かすべき
3.政策決定には患者と国民が関与すべき
4.患者は推奨されるがん治療が有意に生存期間を延長するかQOLを
改善するものと期待すべき
5.患者と腫瘍専門家の間の意思決定は患者の価値観、エビデンスに
基づく医薬品と評価に基づくべき
6.がん治療は適切な価格で行われるべき
7.質の高い治療へのアクセスを優先すべき
8.総合的な患者本位のがん治療は適切なタイミングでの精神腫瘍学、
発病後の生活等の指南、緩和ケアを含む