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資料1-3-1          新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注) (289 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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疑われる場合は、診断に躊躇することなくアドレナリンの筋肉注射をすべきであった。今回の事例では、
看護師が女性の体調変化に気付いた時点で救護室に運ばず、その場でアドレナリンの筋肉注射をすべき
で体制に問題があった。
14:42 頃に救急隊が到着。気管挿管を試みるが、泡沫状の血痰が多量の為できなかった。
14:55、救急車に同乗し、15:15 に高次病院到着となった。
高次病院において救命措置が行われ、8 回のアドレナリンの静注が試みられたが、残念ながら救命し得な
かった。
・ 早期にアドレナリンを打てなかった要因にはシステム的な問題を含めいくつか考えられる。
ワクチン接種担当医師としては、ワクチン接種会場においてアナフィラキシーの発生を考慮して、発生時
の準備を怠らない事が重要である。アドレナリンを即座に打てるように接種会場の救急備品の準備、配置
をするのみでなく、使い方も周知しておく必要があったと考えられる。
・ 医師個人の問題と捉えるのでなくシステム的な問題もいくつか考えられる。
医師のみでなく会場のスタッフ全員にアナフィラキシーの発生を予期する様に協力体制を整える必要が
あり、アナフィラキシーを常に疑い、発生時には迅速にアドレナリンを投与できる様に協力体制を確認し
ておく必要があった。
また、急変時にも全員が患者のまわりに集まり協力できる体制を確認し、指揮する人の役割を明確にし
てあらかじめ確認しておく必要があったと考えられる。
ただ、アドレナリンを準備しておけば体制が十分であったという事では、突然起こるアナフィラキシー
には対応出来なかったと考えられる。
この様なシステム的な対応ができていて初めてアナフィラキシーの患者を救命し得たものと考えられ
る。
・ 残念ながら本事例は、最重症型であった可能性が想定され、医師が呼ばれた時点においてアドレナリン
の投与が行われたとしても救命できなかった可能性が高いと考えられる。

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