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参考資料7 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第三次)~研究用新規胚の作成を伴うゲノム編集技術等の利用について~(令和4年2月1日総合科学技術・イノベーション会議) (74 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29769.html |
出典情報 | ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第4回 12/28)《厚生労働省》《文部科学省》 |
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討などを目的とする研究について、ヒト受精胚を用いる前に、他の種類の細
胞を用いて技術精度を高めることは当然であるが、その上で、ヒト受精胚に
適用した場合の技術精度を高めることや、モザイク状態を確認する研究は海
外でもまだ検討中であり、ヒト受精胚の利用を最小限にするという観点から
も、科学的合理性を有すると考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(ヒト受精胚にゲノム編集技術等を用いることで知見が得られる可能性がある疾患例)
・ Angelman 症候群、偽性副甲状腺機能低下症タイプ Ib、Silver‐Russell 症候群、
Prader‐Willi 症候群、Beckwith‐Wiedemann 症候群、網膜芽細胞腫等の疾患は、初期胚
におけるインプリンティングが原因と考えられ、ヒト受精胚にゲノム編集技術を用いる研
究を行うことが発症原因解明や治療法の開発に繋がる可能性がある。
・遺伝性疾患の中には、ライソゾーム病等治療法が開発されていない疾患もある。
・優性遺伝病 (ハンチントン舞踏病、筋強直性ジストロフィーなど)については、現在の
遺伝子治療法では対処できていない。これらが対象疾患になる可能性が考えられる。
・体細胞治療では難しいもの(複数臓器の障害、発生初期・新生児期の死亡)にゲノム編集は有
効と思われる。
・日本学術会議提言においては、着床前診断が有効でない常染色体優性遺伝疾患のホモ接合
体の親に対する治療や重篤なミトコンドリア病の子どもへの遺伝予防を目的とする治療の
場合の子どもの福祉を考慮した生殖医療、また、原因遺伝子が明らかになった疾患を対象
に、受精胚や生殖細胞においてそれらの遺伝子変異を修復する研究が例示されている。ま
た、英国ナフィールド生命倫理評議会報告書においては、ヒト受精胚へのゲノム編集技術
の使用が想定される疾患例として、ハンチントン病などの優性遺伝の遺伝的疾患で、片方
の親が疾患をもたらす遺伝子のコピーを2つ持っている場合や、嚢胞性線維症や鎌状赤血
球症といった劣性遺伝の遺伝的疾患で、両方の親が疾患をもたらす遺伝子のコピーを2つ
持っている場合が挙げられている。
・日本学術会議提言(平成 29 年 9 月)に基づき、ヒト生殖細胞・受精胚へのゲノム編集技
術の使用について、直截に人の子宮に遺伝子改変した胚を移植するようなことを目指す基
礎研究というのは控えるべきであるが、そういうことを目指さないこのような科学的な研
究については、公開の場での研究目的の正当性というのを慎重に確かめた上で容認するこ
とはできるのではないか。
(代替不可能性)
・遺伝性・先天性疾患研究については、例えば神経疾患の病態モデルとして、ゲノム編集技
術を用いて遺伝子変異を導入したiPS細胞を神経細胞に分化誘導し、変異の有無で原因
の解明や創薬応用を目指す研究が実施されている。
・ゲノム編集による臨床応用については、子宮内遺伝子治療など他の治療法の可能性につい
ても留意が必要。
・ヒトとマウスでは初期胚における遺伝子発現が大きく異なる。
・オフターゲット切断リスクなどは動物種や細胞種により異なるため、ヒト余剰胚の活用が
期待される。
(遺伝性・先天性疾患研究の範囲)
・海外では、病態解明等と並行して、ゲノム編集技術等の関連技術精度を高めるための研究
や技術の評価手法の検討などを目的とする研究が行われている。
・ヒト受精胚はその生物学的な基本的特性がほとんど未解明であり、具体的な遺伝性・先天
性疾患の病態解明に資するかどうかを現時点で見極めることは困難である。
・あらかじめ特定の遺伝子に限定するのではなく、遺伝子を網羅的に解析して全体像を理解
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胞を用いて技術精度を高めることは当然であるが、その上で、ヒト受精胚に
適用した場合の技術精度を高めることや、モザイク状態を確認する研究は海
外でもまだ検討中であり、ヒト受精胚の利用を最小限にするという観点から
も、科学的合理性を有すると考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(ヒト受精胚にゲノム編集技術等を用いることで知見が得られる可能性がある疾患例)
・ Angelman 症候群、偽性副甲状腺機能低下症タイプ Ib、Silver‐Russell 症候群、
Prader‐Willi 症候群、Beckwith‐Wiedemann 症候群、網膜芽細胞腫等の疾患は、初期胚
におけるインプリンティングが原因と考えられ、ヒト受精胚にゲノム編集技術を用いる研
究を行うことが発症原因解明や治療法の開発に繋がる可能性がある。
・遺伝性疾患の中には、ライソゾーム病等治療法が開発されていない疾患もある。
・優性遺伝病 (ハンチントン舞踏病、筋強直性ジストロフィーなど)については、現在の
遺伝子治療法では対処できていない。これらが対象疾患になる可能性が考えられる。
・体細胞治療では難しいもの(複数臓器の障害、発生初期・新生児期の死亡)にゲノム編集は有
効と思われる。
・日本学術会議提言においては、着床前診断が有効でない常染色体優性遺伝疾患のホモ接合
体の親に対する治療や重篤なミトコンドリア病の子どもへの遺伝予防を目的とする治療の
場合の子どもの福祉を考慮した生殖医療、また、原因遺伝子が明らかになった疾患を対象
に、受精胚や生殖細胞においてそれらの遺伝子変異を修復する研究が例示されている。ま
た、英国ナフィールド生命倫理評議会報告書においては、ヒト受精胚へのゲノム編集技術
の使用が想定される疾患例として、ハンチントン病などの優性遺伝の遺伝的疾患で、片方
の親が疾患をもたらす遺伝子のコピーを2つ持っている場合や、嚢胞性線維症や鎌状赤血
球症といった劣性遺伝の遺伝的疾患で、両方の親が疾患をもたらす遺伝子のコピーを2つ
持っている場合が挙げられている。
・日本学術会議提言(平成 29 年 9 月)に基づき、ヒト生殖細胞・受精胚へのゲノム編集技
術の使用について、直截に人の子宮に遺伝子改変した胚を移植するようなことを目指す基
礎研究というのは控えるべきであるが、そういうことを目指さないこのような科学的な研
究については、公開の場での研究目的の正当性というのを慎重に確かめた上で容認するこ
とはできるのではないか。
(代替不可能性)
・遺伝性・先天性疾患研究については、例えば神経疾患の病態モデルとして、ゲノム編集技
術を用いて遺伝子変異を導入したiPS細胞を神経細胞に分化誘導し、変異の有無で原因
の解明や創薬応用を目指す研究が実施されている。
・ゲノム編集による臨床応用については、子宮内遺伝子治療など他の治療法の可能性につい
ても留意が必要。
・ヒトとマウスでは初期胚における遺伝子発現が大きく異なる。
・オフターゲット切断リスクなどは動物種や細胞種により異なるため、ヒト余剰胚の活用が
期待される。
(遺伝性・先天性疾患研究の範囲)
・海外では、病態解明等と並行して、ゲノム編集技術等の関連技術精度を高めるための研究
や技術の評価手法の検討などを目的とする研究が行われている。
・ヒト受精胚はその生物学的な基本的特性がほとんど未解明であり、具体的な遺伝性・先天
性疾患の病態解明に資するかどうかを現時点で見極めることは困難である。
・あらかじめ特定の遺伝子に限定するのではなく、遺伝子を網羅的に解析して全体像を理解
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