よむ、つかう、まなぶ。
参考資料7 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第三次)~研究用新規胚の作成を伴うゲノム編集技術等の利用について~(令和4年2月1日総合科学技術・イノベーション会議) (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29769.html |
出典情報 | ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第4回 12/28)《厚生労働省》《文部科学省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
また、当該疾患の患者から提供を受けた卵子を用いる研究も想定され、
患者団体から、こうした場合でも十分な説明と同意の確認等の適切な対応
が行われる前提で、卵子の提供を前向きに検討するとの意見があることが
紹介された6。
加えて、国際的な検討の状況について、WHO等の国際機関における専
門委員会の構成員や、国際学会の会員である専門委員及び参考人から報告
があった。米国及び英国のアカデミアからなる国際委員会における
Heritable Human Genome Editing (HHGE) (2020) 報告書7において、ヒト
胚へのゲノム編集技術等の臨床利用は認められないこと、適切な検証、評
価体制を国内に持つべきであること等の提言が示されていること、また、
WHO等の国際組織において、日本を含む各国の専門家が集まって検討を
開始し、重要となる原則、鍵となる組織や関係者(政府、学術組織、研究
者、市民等)、効果的な仕組み(mechanisms)など、多面的な内容を含んで
いること、適切なガバナンスのフレームワークを提案していること等が報
告された。このような国際的な検討の状況を参考としつつ、国際的な研究
コミュニティや国際機関等における議論に対する情報発信や、国際協調に
基づく検討が引き続き重要と考えられた。
また、第二次報告において、国民的な議論の重要性が指摘されているこ
とを踏まえ、調査会ではヒアリングの対象を生命科学の専門家のみではな
く、関連する学術団体や患者会などにも意見を求め、議論を行ってきた。
さらに、調査会において取り扱っているテーマについて、国民が実際に議
論に参画できるような場を設けること等を通じて、理解の増進及び検討内
容の透明性の確保や、国民の意見を汲み、検討に反映させる取組を行って
きた。こうした取組は、調査会として引き続き実施すべきという意見があ
った。
最後に、臨床利用につながるリスクについては、Ⅰ.2.に述べたとおり
である。
②
検討内容を踏まえた考察
当該検討の過程において、研究用新規胚を作成して行う研究と余剰胚を
利用して行う研究で倫理的な差異があるとする意見と、研究用新規胚と余
剰胚はいずれも尊重されるべき胚としての尊厳は同等であるとする意見が
あり、研究用新規胚の作成に対しては様々な考え方があることに十分な留
意が必要である。
また、研究用新規胚による研究においては、研究のために配偶子の提供
を受ける必要があり、この点については余剰胚とは異なる手続きを要する
6
7
現時点で、ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究において卵子の提供を受ける場合
は、ART指針の規定により、研究への提供が認められる卵子は生殖補助医療に用いる
目的で採取されたもの又は疾患の治療等のために摘出された卵巣やその切片から採取さ
れたものに限定されている。
“Heritable Human Genome Editing, (2020 Sep 3), The Royal Society; National Academy of
Sciences; National Academy of Medicine; International Commission on the Clinical Use of
Human Germline Genome Editing.”
-7-
患者団体から、こうした場合でも十分な説明と同意の確認等の適切な対応
が行われる前提で、卵子の提供を前向きに検討するとの意見があることが
紹介された6。
加えて、国際的な検討の状況について、WHO等の国際機関における専
門委員会の構成員や、国際学会の会員である専門委員及び参考人から報告
があった。米国及び英国のアカデミアからなる国際委員会における
Heritable Human Genome Editing (HHGE) (2020) 報告書7において、ヒト
胚へのゲノム編集技術等の臨床利用は認められないこと、適切な検証、評
価体制を国内に持つべきであること等の提言が示されていること、また、
WHO等の国際組織において、日本を含む各国の専門家が集まって検討を
開始し、重要となる原則、鍵となる組織や関係者(政府、学術組織、研究
者、市民等)、効果的な仕組み(mechanisms)など、多面的な内容を含んで
いること、適切なガバナンスのフレームワークを提案していること等が報
告された。このような国際的な検討の状況を参考としつつ、国際的な研究
コミュニティや国際機関等における議論に対する情報発信や、国際協調に
基づく検討が引き続き重要と考えられた。
また、第二次報告において、国民的な議論の重要性が指摘されているこ
とを踏まえ、調査会ではヒアリングの対象を生命科学の専門家のみではな
く、関連する学術団体や患者会などにも意見を求め、議論を行ってきた。
さらに、調査会において取り扱っているテーマについて、国民が実際に議
論に参画できるような場を設けること等を通じて、理解の増進及び検討内
容の透明性の確保や、国民の意見を汲み、検討に反映させる取組を行って
きた。こうした取組は、調査会として引き続き実施すべきという意見があ
った。
最後に、臨床利用につながるリスクについては、Ⅰ.2.に述べたとおり
である。
②
検討内容を踏まえた考察
当該検討の過程において、研究用新規胚を作成して行う研究と余剰胚を
利用して行う研究で倫理的な差異があるとする意見と、研究用新規胚と余
剰胚はいずれも尊重されるべき胚としての尊厳は同等であるとする意見が
あり、研究用新規胚の作成に対しては様々な考え方があることに十分な留
意が必要である。
また、研究用新規胚による研究においては、研究のために配偶子の提供
を受ける必要があり、この点については余剰胚とは異なる手続きを要する
6
7
現時点で、ヒト受精胚の作成を行う生殖補助医療研究において卵子の提供を受ける場合
は、ART指針の規定により、研究への提供が認められる卵子は生殖補助医療に用いる
目的で採取されたもの又は疾患の治療等のために摘出された卵巣やその切片から採取さ
れたものに限定されている。
“Heritable Human Genome Editing, (2020 Sep 3), The Royal Society; National Academy of
Sciences; National Academy of Medicine; International Commission on the Clinical Use of
Human Germline Genome Editing.”
-7-