よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料7 「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」見直し等に係る報告(第三次)~研究用新規胚の作成を伴うゲノム編集技術等の利用について~(令和4年2月1日総合科学技術・イノベーション会議) (89 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29769.html
出典情報 ヒト受精胚等へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議(再設置第4回 12/28)《厚生労働省》《文部科学省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

Embryology Authority)によるパブリック・コンサルテーションにおいて、
ミトコンドリアドナーに由来するDNAは 0.054%に過ぎないこと、また、
子どもの形質に影響を与えるのはあくまでも核DNAであることが指摘され
ている。また、研究に用いたヒト受精胚の取扱いを原始線条までに限定し、
胎内移植及び出産を前提としない基礎的研究の段階においては、倫理的課題
として扱う必要はないと考えられる。
【タスク・フォース会合における主要知見】
(生命科学や医学の恩恵への期待)
・ミトコンドリア病の発症は各組織における変異ミトコンドリアの量に依存し、代謝疾患
(肝機能不全等)、神経疾患(リー脳症等)、流産、死産など様々な重篤な症状を呈し得
る。
・ミトコンドリア病の発症率は5千人に1人程度であり、様々な重篤な症状を呈する。
・核置換により、提供者の卵子又は受精胚に第三者の卵子又は受精胚に由来するミトコンド
リアDNAが導入されることとなる。
・英国においては重篤なミトコンドリア病の予防のため、受精胚核置換及び卵子間核置換の
臨床利用を認める法律が、平成 27 年 10 月に施行されている。英国ではミトコンドリア提
供を必要とする女性は 150 人/年、そのうち提供を受けるのは数人~十数人。
・現在の日本の生殖関連の規制や社会合意と照らすと臨床利用は許容できず、臨床利用を目
指す受精胚核置換や卵子間核置換の基礎研究も容認できない。一方、ミトコンドリアDN
Aのボトルネックやミトコンドリア病の母系遺伝の機構解明に資する基礎研究(核移植の
他、ミトコンドリア含む細胞質移植もありえる)は許容しうると考える。

【タスク・フォースの見解】
○ミトコンドリア病研究を目的とし、ヒト受精胚への核置換技術を用いた基礎
的研究を行うことについては、科学的合理性・社会的妥当性があると考えら
れ、ゲノム編集技術等を用いる場合と同様、一定の要件が確保されることを
個別の研究計画において適切に確認することを前提に、容認することが適当
である。
○また、ミトコンドリア病研究を目的とする研究用新規作成胚(配偶子に核置
換技術を用い、受精させる場合を含む。)及びその際の卵子提供に係る倫理
的課題については、遺伝性・先天性疾患研究目的において研究用新規作成胚
にゲノム編集技術等を用いる場合と同様に考えられるため、専門調査会にお
いて引き続き検討していくこととする。
○なお、核置換のうち受精胚核置換については、クローン技術規制法に定める
特定胚の一種の「ヒト胚核移植胚」注12であり、現在は特定胚指針において
注12クローン技術規制法第2条第1項第9号

ヒト胚核移植胚

一の細胞であるヒト受精胚若しくはヒト胚分割胚又はヒト受精胚、ヒト胚分

- 87 -