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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (13 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像
【ワクチンによる重症化予防効果】
国立感染症研究所において,検査陰性デザインを用いた症例対照研究により,オミクロン流
行期 (2022 年 1 月 ) における新型コロナワクチンの発症予防効果が報告された.2 回接種から
0 〜 2 カ月の有効率 ( 発症予防効果 ) は 71 %,2 回接種から 2 〜 4 カ月の有効率は 54 %,2
回接種から 4 〜 6 カ月の有効率は 49 %,2 回接種から 6 カ月以降の有効率は 53 %,追加接種
後 2 週間程度(中央値 16 日)の有効率は 81 % であった.
また,オミクロン流行下での米国における検討では,死亡リスクは 2 回接種者で 0.08 %(未
接種者 0.3 %),追加接種者 0.07%と報告されている.日本においても接種者は重症化率が低
いことが示されている(図 2-2).再感染やブレイクスルー感染での重症化リスク因子は高齢
(65
歳以上),複数の基礎疾患(特に4つ以上)などが報告されている.
ワクチン接種歴による年代別重症化率(2022年1⽉〜
2022年2⽉;暫定値)
*
(2022 年 1 月〜 2022 年 2 月;暫定値)
図
表 2-2
6-2 ワクチン接種歴による年代別重症化率
検体採取時の個人防護具
% 12
*重症化率:人工呼吸器,ECMO,ICU などで治療を受けた患者および死亡者の感染者に対する割合
10 %
ワクチン接種歴あり(3回)
ワクチン接種歴あり(2回以下)
ワクチン接種歴なし
8
6
4
2
0
10歳未満
10代
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代
90代以上
・茨城県,広島県,石川県のデー
タ(第 70 回・80 回新型コロナウ
イルス感染症対策アドバイザリー
ボード資料)を元に作成
・本データは感染者が療養または入院期間が終了した際のステータスまたは 2022 年5月 31 日時点でのステータスに基づき
算出しており,重症化率・致死率を過小評価している可能性がある.
・感染者数は感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であり,無症候性病原体保有者を含むすべて
の感染者を補足できておらず,重症化率・致死率を過大評価している可能性がある.
・表記の期間内に発生した新規感染者数とそのうちの重症数と死亡者数を単純に集計したものであり,ワクチン接種から検査
までの期間や治療内容等の背景因子が異なることなどから,本データによりワクチン接種による予防効果が明らかになる
ものではない.
【重症化マーカー】
血液検査は患者の状態把握に参考となるため,重症化リスク因子を有する患者や中等症以上
の患者においては実施されることが望ましい.特に患者の重症度判定や予後予測に資するバイ
オマーカー(重症化マーカー)については,国内外で多数の研究が実施されてきた.これらを
補助的に活用することで,診療の質向上や医療資源の有効活用などが期待される.
メタアナリシス(研究数 32;入院患者 10,491 名が対象)によれば,①リンパ球減少,②
血小板減少,③ D ダイマー上昇,④ CRP 上昇,⑤プロカルシトニン上昇,⑥クレアチンキナー
ゼ上昇,⑦ AST 上昇,⑧ ALT 上昇,⑨クレアチニン上昇,⑩ LDH 上昇,が人工呼吸や死亡
と有意に関連していた.
・重症例ではインターフェロン産生の低下に関連する遺伝子変異の割合が高いとする報告がある.
・IFN- λ 3(インターフェロンラムダ3)は,SARS-CoV-2 に感染した患者の血中で,酸素投与
を要する中等症Ⅱ以上の症状を示す 1 〜 3 日前に上昇することが知られており,SARS-CoV- 2
陽性の,基本的には入院患者を対象に,測定を実施することで重症化を予測できる可能性がある.
ただし,IFN- λ 3 陽性の場合は陰性の場合に比べて重症化のリスクが高いが,陰性であっても重
症化の可能性を完全に除外することは困難であることに留意すること.
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【ワクチンによる重症化予防効果】
国立感染症研究所において,検査陰性デザインを用いた症例対照研究により,オミクロン流
行期 (2022 年 1 月 ) における新型コロナワクチンの発症予防効果が報告された.2 回接種から
0 〜 2 カ月の有効率 ( 発症予防効果 ) は 71 %,2 回接種から 2 〜 4 カ月の有効率は 54 %,2
回接種から 4 〜 6 カ月の有効率は 49 %,2 回接種から 6 カ月以降の有効率は 53 %,追加接種
後 2 週間程度(中央値 16 日)の有効率は 81 % であった.
また,オミクロン流行下での米国における検討では,死亡リスクは 2 回接種者で 0.08 %(未
接種者 0.3 %),追加接種者 0.07%と報告されている.日本においても接種者は重症化率が低
いことが示されている(図 2-2).再感染やブレイクスルー感染での重症化リスク因子は高齢
(65
歳以上),複数の基礎疾患(特に4つ以上)などが報告されている.
ワクチン接種歴による年代別重症化率(2022年1⽉〜
2022年2⽉;暫定値)
*
(2022 年 1 月〜 2022 年 2 月;暫定値)
図
表 2-2
6-2 ワクチン接種歴による年代別重症化率
検体採取時の個人防護具
% 12
*重症化率:人工呼吸器,ECMO,ICU などで治療を受けた患者および死亡者の感染者に対する割合
10 %
ワクチン接種歴あり(3回)
ワクチン接種歴あり(2回以下)
ワクチン接種歴なし
8
6
4
2
0
10歳未満
10代
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代
90代以上
・茨城県,広島県,石川県のデー
タ(第 70 回・80 回新型コロナウ
イルス感染症対策アドバイザリー
ボード資料)を元に作成
・本データは感染者が療養または入院期間が終了した際のステータスまたは 2022 年5月 31 日時点でのステータスに基づき
算出しており,重症化率・致死率を過小評価している可能性がある.
・感染者数は感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であり,無症候性病原体保有者を含むすべて
の感染者を補足できておらず,重症化率・致死率を過大評価している可能性がある.
・表記の期間内に発生した新規感染者数とそのうちの重症数と死亡者数を単純に集計したものであり,ワクチン接種から検査
までの期間や治療内容等の背景因子が異なることなどから,本データによりワクチン接種による予防効果が明らかになる
ものではない.
【重症化マーカー】
血液検査は患者の状態把握に参考となるため,重症化リスク因子を有する患者や中等症以上
の患者においては実施されることが望ましい.特に患者の重症度判定や予後予測に資するバイ
オマーカー(重症化マーカー)については,国内外で多数の研究が実施されてきた.これらを
補助的に活用することで,診療の質向上や医療資源の有効活用などが期待される.
メタアナリシス(研究数 32;入院患者 10,491 名が対象)によれば,①リンパ球減少,②
血小板減少,③ D ダイマー上昇,④ CRP 上昇,⑤プロカルシトニン上昇,⑥クレアチンキナー
ゼ上昇,⑦ AST 上昇,⑧ ALT 上昇,⑨クレアチニン上昇,⑩ LDH 上昇,が人工呼吸や死亡
と有意に関連していた.
・重症例ではインターフェロン産生の低下に関連する遺伝子変異の割合が高いとする報告がある.
・IFN- λ 3(インターフェロンラムダ3)は,SARS-CoV-2 に感染した患者の血中で,酸素投与
を要する中等症Ⅱ以上の症状を示す 1 〜 3 日前に上昇することが知られており,SARS-CoV- 2
陽性の,基本的には入院患者を対象に,測定を実施することで重症化を予測できる可能性がある.
ただし,IFN- λ 3 陽性の場合は陰性の場合に比べて重症化のリスクが高いが,陰性であっても重
症化の可能性を完全に除外することは困難であることに留意すること.
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