よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【参考1】診療の手引き・第9.0版 (55 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法

ニルマトレルビル/リトナビル

商品名:パキロビッドパック

プロテアーゼ阻害薬
2022.2.10 特例承認
禁忌 ①本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

②特定の薬剤を投与中の患者(最新の添付文書を参照)
③腎機能または肝機能障害のある患者で,コルヒチンを投与中の患者

本剤は,本邦で特例承認されたものであり,承認時において有効性および安全性に係る情
報は限られており,引き続き情報を収集中である.そのため,本剤の使用に当たっては,
あらかじめ患者または代諾者に,その旨ならびに有効性および安全性に関する情報を十分
に説明し,文書による同意を得てから投与すること.
ニルマトレルビルは,SARS-CoV-2 のメイン(3CL)プロテアーゼに作用し,その働きを
阻害することによりウイルスの増殖を阻害する.リトナビルは,ニルマトレルビルの代謝を遅
らせ,体内濃度をウイルスに作用する濃度に維持する目的で併用される.
国内外で実施された多施設共同,プラセボ対照,ランダム化二重盲検試験において,重症
化リスクのある非入院 COVID-19 患者の外来治療を対象にニルマトレルビル 300 mg /リ
トナビル 100 mg またはプラセボを 1 日 2 回,5 日間経口投与する群に 1 対 1 で無作為割
付した.主要有効性解析集団とされた mITT 集団(無作為化され,治験薬が 1 回以上投与さ
れ,ベースライン後から無作為化 28 日目までに少なくとも 1 回の受診があり,ベースライン
時点で COVID-19 に対するモノクローナル抗体が投与されておらず投与の予定もなく,かつ,
COVID-19 の症状発現から 3 日以内に治験薬が投与された被験者)の 45%が投与 28 日目を
完了した時点で行うよう事前に計画されていた中間解析において,mITT 集団のうちプラセボ
群(385 名)の 28 日目までの入院または死亡 27 名(7.0%)に対し,治療群(389 名)で
は 3 名(0.8%)と相対リスクが 89%減少した(p<0.0001)


この結果を受け,中間解析以降の被験者登録が中止されたが,被験者登録が中止されるまで
に組み入れられたすべての被験者(2,246 名)を対象とした解析の結果においては,mITT 集
団のうちプラセボ群(682 名)の 28 日目までの入院または死亡が 44 名(6.5%)に対し,治
療群(697 名)では 5 名(0.7%)と,相対リスクが 89%減少となった.
また,副次有効性解析集団とされた mITT1 集団(無作為化され,治験薬が 1 回以上投与さ

れ,ベースライン後から無作為化 28 日目までに少なくとも 1 回の受診があり,ベースライン
時点で COVID-19 に対するモノクローナル抗体が投与されておらず投与の予定もなく,かつ,
COVID-19 の症状発現から 5 日以内に治験薬が投与された被験者)における,被験者登録が中

止されるまでに組み入れられたすべての被験者を対象とした解析の結果では,mITT1 集団のう
ちプラセボ群(1,046 名)の 28 日目までの入院または死亡が 66 名(6.3%)に対し,治療群
(1,039 名)では 8 名(0.8%)と,相対リスクが 88%減少した.
オミクロン流行時における薬剤の有効性を評価する論文も公表されるようになってきた.イ
スラエルにおける 40 歳以上の COVID-19 患者を対象とした後ろ向き調査では,109,254 人
中 3,902 人に本薬剤が処方された.65 歳以上の患者における入院率(10 万人日あたり)は,
処方群 14.7,非処方群 58.9 であり,調整ハザード比は 0.27 (0.15 〜 0.49) であった.また,
死亡の調整ハザード比は 0.21(0.05 〜 0.82)であった.一方,40-64 歳の患者では入院率,
55