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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (48 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント
【参考】自宅療養・宿泊療養を行っている患者で酸素投与の適応となる場合の経口ステロ
イド薬投与における留意点
経口ステロイド薬の適応となる状況や,副作用による影響を考慮すると,ステロイド投与を行う際の病状評
価および治療適応の判断にあたっては,原則として,自宅に赴いた往診医や宿泊施設内における担当医師など
による対面診療のもと,処方することが推奨される(処方例 デキサメタゾン 6 mg 分 1 10 日間または
症状軽快まで)
・ただし,患者が急増し,ただちに対面診療を実施することが困難であるような状況下で,緊急性が高いと
判断される場合は,事前にステロイド薬を処方しておくことも考慮される.その際には内服を開始する基
準(咳嗽などの呼吸器症状があり,SpO2 93% 以下)を伝え,これを遵守するよう指示する.電話・オン
ライン診療によりステロイドの内服開始を指示することが望ましい.患者が内服を開始した場合には,必
ず 24 時間以内の対面診療などによるフォローアップを行う.
・また,緊急的な処方が必要と医師が判断した場合は,訪問看護師が患者の側に同席しており,かつ対面診
療を含めて必要なフォローアップを行うことを前提に,電話・オンライン診療によりステロイド薬の処方
を行うことは許容される.
・投与の実施にあたっては,地域の実情も考慮しつつ,以下の体制を整える.
・医療機関と確実に連絡が取れる状態(電話・オンライン診療を含む)
・副作用も含めた必要な指導を行うこと
・パルスオキシメーターで SpO2 を正確に測ることが可能な状態(マニキュアなどがなく,正確な向き
と位置で測定できているのが確認できること
・糖尿病がある場合には,投与中の高血糖に留意し,必要時に血糖測定を行えること
・投与後は,当日ないしは翌日中に,対面診療(または地域の実情に応じて電話・オンライン診療)に
よるフォローアップを行い,状態が改善するまで,高血糖,消化性潰瘍,せん妄などの副作用のモニ
タリングを含めた連日のフォローを行うこと
・適応を正確に評価することなく投与を行ったり,患者の自己判断で服薬させたりしないこと.可能であれ
ば,呼吸数・呼吸様式などを含めた総合的な呼吸状態の評価を行うことが望ましい.
・酸素需要のない軽症・中等症Ⅰの患者にはステロイド薬の投与は推奨されず,デメリットが大きくなる可
能性があることに留意する.
〈参考〉日本在宅ケアアライアンス.新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対する医療提供プロトコール (第 6 版)2022.1.28.
【参考】日本救急医学会・日本臨床救急医学会による新型コロナウイルス感染症患者急増
の際の入院優先度判断の考え方について
感染者の急増(サージ)に対応するためには,医療体制の予備能(サージキャパシティ:スペース,人員,
薬剤等を含む資器材,運用体制)の拡充を図りつつ,入院や集中治療室入室に際し一時的に優先度を判断しな
がら対応することが求められる.
優先度の判断に係る普遍的な指針は存在しない.判断基準の考え方の一例として,諸外国の既報告を参考に
した患者の緊急度(重症化するスピード)に基づく入院優先度判断フローを以下の図に示した.一般に,入院
判断は医療機関における診療と検査結果に基づくものである.他方,新型コロナウイルス感染症患者の入院勧告・
措置については,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき行政機関の権限で行われ
る.その際医療機関における診療と検査結果を判断の参考にすることは非常に重要である.そこで本判断フロー
には,従来の保健所等での聞き取りから得られる「症状と重症化リスク因子の有無を中心とした評価」(ステッ
プ 1)に,血液検査やスコア化した画像検査結果等を用いた「より高度な評価」(ステップ 2,3,4)が加えら
れている.当然ながら急増の度合いや地域の状況によっては,これらすべての評価を個々に適用できない場合
もある.また,このような基準のみで判断するのではなく,個々の感染者が置かれている環境や症状の経時的
変化あるいは重症化のリスク因子の程度などを考慮したうえで,入院の優先度を総合的に判断することは容認
される.
このような基準やそれに基づく運用方法は,実施する医療機関や行政機関の医療の責任者の監督下で,幅広
いコンセンサスの下に事前に決定されなければならない.このうえで,緊急度の評価にあたった医療従事者の
個々の方針によるのではなく,当該医療機関や行政機関の事前の方針に基づいて入院優先度の判断が行われる
ことになる.このように一定の基準を組織的方針の下で用いることによって,判断に係る公平性や一貫性が高
まり,実施する医療従事者の精神的負担の軽減にもつながる.
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【参考】自宅療養・宿泊療養を行っている患者で酸素投与の適応となる場合の経口ステロ
イド薬投与における留意点
経口ステロイド薬の適応となる状況や,副作用による影響を考慮すると,ステロイド投与を行う際の病状評
価および治療適応の判断にあたっては,原則として,自宅に赴いた往診医や宿泊施設内における担当医師など
による対面診療のもと,処方することが推奨される(処方例 デキサメタゾン 6 mg 分 1 10 日間または
症状軽快まで)
・ただし,患者が急増し,ただちに対面診療を実施することが困難であるような状況下で,緊急性が高いと
判断される場合は,事前にステロイド薬を処方しておくことも考慮される.その際には内服を開始する基
準(咳嗽などの呼吸器症状があり,SpO2 93% 以下)を伝え,これを遵守するよう指示する.電話・オン
ライン診療によりステロイドの内服開始を指示することが望ましい.患者が内服を開始した場合には,必
ず 24 時間以内の対面診療などによるフォローアップを行う.
・また,緊急的な処方が必要と医師が判断した場合は,訪問看護師が患者の側に同席しており,かつ対面診
療を含めて必要なフォローアップを行うことを前提に,電話・オンライン診療によりステロイド薬の処方
を行うことは許容される.
・投与の実施にあたっては,地域の実情も考慮しつつ,以下の体制を整える.
・医療機関と確実に連絡が取れる状態(電話・オンライン診療を含む)
・副作用も含めた必要な指導を行うこと
・パルスオキシメーターで SpO2 を正確に測ることが可能な状態(マニキュアなどがなく,正確な向き
と位置で測定できているのが確認できること
・糖尿病がある場合には,投与中の高血糖に留意し,必要時に血糖測定を行えること
・投与後は,当日ないしは翌日中に,対面診療(または地域の実情に応じて電話・オンライン診療)に
よるフォローアップを行い,状態が改善するまで,高血糖,消化性潰瘍,せん妄などの副作用のモニ
タリングを含めた連日のフォローを行うこと
・適応を正確に評価することなく投与を行ったり,患者の自己判断で服薬させたりしないこと.可能であれ
ば,呼吸数・呼吸様式などを含めた総合的な呼吸状態の評価を行うことが望ましい.
・酸素需要のない軽症・中等症Ⅰの患者にはステロイド薬の投与は推奨されず,デメリットが大きくなる可
能性があることに留意する.
〈参考〉日本在宅ケアアライアンス.新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対する医療提供プロトコール (第 6 版)2022.1.28.
【参考】日本救急医学会・日本臨床救急医学会による新型コロナウイルス感染症患者急増
の際の入院優先度判断の考え方について
感染者の急増(サージ)に対応するためには,医療体制の予備能(サージキャパシティ:スペース,人員,
薬剤等を含む資器材,運用体制)の拡充を図りつつ,入院や集中治療室入室に際し一時的に優先度を判断しな
がら対応することが求められる.
優先度の判断に係る普遍的な指針は存在しない.判断基準の考え方の一例として,諸外国の既報告を参考に
した患者の緊急度(重症化するスピード)に基づく入院優先度判断フローを以下の図に示した.一般に,入院
判断は医療機関における診療と検査結果に基づくものである.他方,新型コロナウイルス感染症患者の入院勧告・
措置については,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき行政機関の権限で行われ
る.その際医療機関における診療と検査結果を判断の参考にすることは非常に重要である.そこで本判断フロー
には,従来の保健所等での聞き取りから得られる「症状と重症化リスク因子の有無を中心とした評価」(ステッ
プ 1)に,血液検査やスコア化した画像検査結果等を用いた「より高度な評価」(ステップ 2,3,4)が加えら
れている.当然ながら急増の度合いや地域の状況によっては,これらすべての評価を個々に適用できない場合
もある.また,このような基準のみで判断するのではなく,個々の感染者が置かれている環境や症状の経時的
変化あるいは重症化のリスク因子の程度などを考慮したうえで,入院の優先度を総合的に判断することは容認
される.
このような基準やそれに基づく運用方法は,実施する医療機関や行政機関の医療の責任者の監督下で,幅広
いコンセンサスの下に事前に決定されなければならない.このうえで,緊急度の評価にあたった医療従事者の
個々の方針によるのではなく,当該医療機関や行政機関の事前の方針に基づいて入院優先度の判断が行われる
ことになる.このように一定の基準を組織的方針の下で用いることによって,判断に係る公平性や一貫性が高
まり,実施する医療従事者の精神的負担の軽減にもつながる.
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