よむ、つかう、まなぶ。
【参考1】診療の手引き・第9.0版 (66 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法
バリシチニブ
商品名:オルミエント錠 4 mg,2 mg
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
2021.4.23
追加承認
禁忌 ①本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
②活動性結核の患者
③好中球数が 500 /m3 未満の患者
④妊婦または妊娠している可能性のある女性
⑤透析患者または末期腎不全[eGFR < 15 mL/min/1.73 m2]の患者
⑥リンパ球数が 200 /m3 の患者
COVID-19 と診断された入院患者 1,033 人を対象にレムデシビル(10 日以内)に加えて,
バリシチニブ(14 日以内)またはプラセボ(対照)を投与した RCT では,バリシチニブを
投与された患者の回復までの期間の中央値は 7 日,対照群では 8 日であり(回復率比 1.16;
95% CI 1.01 ~ 1.32;P = 0.03),15 日目の臨床状態の改善のオッズは 30%高かった(オッ
ズ比 1.3;95% CI 1.0 ~ 1.6).また,部分解析集団において登録時に高流量酸素または非侵襲
的人工呼吸を受けた患者の回復までの期間は,併用療法で 10 日,対照群で 18 日であった(回
復率比 1.51;95% CI 1.10 ~ 2.08).デキサメタゾンとバリシチニブの優位性の検証は現在行
われているところである.
入院患者 1,525 人(標準療法としてステロイド投与 79 %,レムデシビル投与 19 %)を対
象とした二重盲検試験(COV-BARRIER)において,
主要評価項目の人工呼吸管理/死亡に至っ
た割合に差は認められなかったが,治療開始 28 日以内の死亡はバリシチニブ群で有意に低かっ
た(8.1 % vs 13.1 %).
また,入院患者 8,156 人(90 % 以上の患者は低流量酸素管理または非侵襲的人工呼吸管理)
を対象に英国で実施されたオープンラベル試験(RECOVERY)では,標準治療にバリシチニブ
を追加した群(4,148 人)は標準治療のみの群(4,008 人)に比べて,28 日死亡率比が有意
に低かった(514 人[12 % ]vs 546 人[14 %]
)
.同試験ではステロイド,トシリズマブを
投与された患者がそれぞれ 95 %, 23 % 含まれている.また,この試験を含めた9つの臨床試
験のメタアナリシスでは,バリシチニブやその他の JAK 阻害薬の投与により死亡率比が 20 %
減少したことが示された.
投与方法(用法・用量)
〈SARS-CoV-2 による肺炎〉
レムデシビルとの併用において,バリシチニブとして,
4 mg 1 日 1 回
最長 14 日間
(経口)
投与時の注意点
・入院後から時間的経過が短く(3 日以内)
,CRP 等の炎症マーカーが増加し,高流量酸
素療法や非侵襲的人工呼吸管理を必要とする患者に,入院下で投与すること.
・中等度の腎機能障害[30 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 60]のある患者には,2 mg 1 日
1 回経口投与とする.重度の腎機能障害[15 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 30]では
2 mg を 48 時間ごとに1回投与(最大 7 回まで).なお,eGFR(mL/min/1.73m2)< 15
では投与しないこと.
・血栓塞栓予防を行うこと.
・投与前に結核および B 型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること.
66
バリシチニブ
商品名:オルミエント錠 4 mg,2 mg
ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
2021.4.23
追加承認
禁忌 ①本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
②活動性結核の患者
③好中球数が 500 /m3 未満の患者
④妊婦または妊娠している可能性のある女性
⑤透析患者または末期腎不全[eGFR < 15 mL/min/1.73 m2]の患者
⑥リンパ球数が 200 /m3 の患者
COVID-19 と診断された入院患者 1,033 人を対象にレムデシビル(10 日以内)に加えて,
バリシチニブ(14 日以内)またはプラセボ(対照)を投与した RCT では,バリシチニブを
投与された患者の回復までの期間の中央値は 7 日,対照群では 8 日であり(回復率比 1.16;
95% CI 1.01 ~ 1.32;P = 0.03),15 日目の臨床状態の改善のオッズは 30%高かった(オッ
ズ比 1.3;95% CI 1.0 ~ 1.6).また,部分解析集団において登録時に高流量酸素または非侵襲
的人工呼吸を受けた患者の回復までの期間は,併用療法で 10 日,対照群で 18 日であった(回
復率比 1.51;95% CI 1.10 ~ 2.08).デキサメタゾンとバリシチニブの優位性の検証は現在行
われているところである.
入院患者 1,525 人(標準療法としてステロイド投与 79 %,レムデシビル投与 19 %)を対
象とした二重盲検試験(COV-BARRIER)において,
主要評価項目の人工呼吸管理/死亡に至っ
た割合に差は認められなかったが,治療開始 28 日以内の死亡はバリシチニブ群で有意に低かっ
た(8.1 % vs 13.1 %).
また,入院患者 8,156 人(90 % 以上の患者は低流量酸素管理または非侵襲的人工呼吸管理)
を対象に英国で実施されたオープンラベル試験(RECOVERY)では,標準治療にバリシチニブ
を追加した群(4,148 人)は標準治療のみの群(4,008 人)に比べて,28 日死亡率比が有意
に低かった(514 人[12 % ]vs 546 人[14 %]
)
.同試験ではステロイド,トシリズマブを
投与された患者がそれぞれ 95 %, 23 % 含まれている.また,この試験を含めた9つの臨床試
験のメタアナリシスでは,バリシチニブやその他の JAK 阻害薬の投与により死亡率比が 20 %
減少したことが示された.
投与方法(用法・用量)
〈SARS-CoV-2 による肺炎〉
レムデシビルとの併用において,バリシチニブとして,
4 mg 1 日 1 回
最長 14 日間
(経口)
投与時の注意点
・入院後から時間的経過が短く(3 日以内)
,CRP 等の炎症マーカーが増加し,高流量酸
素療法や非侵襲的人工呼吸管理を必要とする患者に,入院下で投与すること.
・中等度の腎機能障害[30 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 60]のある患者には,2 mg 1 日
1 回経口投与とする.重度の腎機能障害[15 ≦ eGFR(mL/min/1.73m2)< 30]では
2 mg を 48 時間ごとに1回投与(最大 7 回まで).なお,eGFR(mL/min/1.73m2)< 15
では投与しないこと.
・血栓塞栓予防を行うこと.
・投与前に結核および B 型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること.
66