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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント

重症度分類とマネジメント

ワクチンの普及やオミクロンの感染拡大に伴い,成人では典型的なウイルス性肺炎を呈する

患者が大幅に減少した.2022 年 9 月 26 日からは届出対象が全数から重症化リスクの高い患

者に変更され,検査キットを用いたセルフチェックによって速やかに自宅療養を患者が選択す
ることもできるようになった.

しかし,高齢者では誤嚥性肺炎,うっ血性心不全などを合併し,入院治療が必要となる患者

は少なくない.また,小児の患者数増加に伴い,入院治療が必要な症例も発生している.個々

の患者の病状に応じた適切な治療の選択が重要である.本章では,重症度分類と重症度別マネ
ジメントについて,入院治療を中心に解説する.

1 重症度分類(医療従事者が評価する基準)
酸素飽和度

臨床状態

診療のポイント

SpO2 ≥ 96%

呼吸器症状なし
or
咳のみで呼吸困難なし
いずれの場合であって
も肺炎所見を認めない

・多くが自然軽快するが,急速に病状
が進行することもある
・高齢者では全身状態を評価して入院
の適応を判断する

中等症Ⅰ
呼吸不全なし

93% < SpO2 < 96%

呼吸困難,肺炎所見

・入院の上で慎重な観察が望ましい
・低酸素血症があっても呼吸困難を訴
えないことがある

中等症Ⅱ
呼吸不全あり

SpO2 ≤ 93%

酸素投与が必要

・呼吸不全の原因を推定
・高度な医療を行える施設へ転院を検討

ICU に入室
or
人工呼吸器が必要

・人工呼吸器管理に基づく重症肺炎
の2分類(L 型,H 型)が提唱
・L 型:肺はやわらかく,換気量が増加
・H 型:肺水腫で,ECMO の導入を検討
・L 型から H 型への移行は判定が困難

重症度








・COVID-19 の死因は,呼吸不全が多いため,重症度は呼吸器症状(特に呼吸困難)と 酸素化を中心に分類した.
・SpO2 を測定し酸素化の状態を客観的に判断することが望ましい.

・呼吸不全の定義は PaO2 ≦ 60 mmHg であり SpO2 ≦ 90% に相当するが,SpO2 は 3% の誤差が予測されるので SpO2 ≦ 93% とした.
・肺炎の有無を確認するために,院内感染対策を行い,可能な範囲で胸部 CT を撮影することが望ましい.

・酸素飽和度と臨床状態で重症度に差がある場合,重症度の高い方に分類する.

・重症の定義は厚生労働省の事務連絡に従った.ここに示す重症度は中国や米国 NIH の重症度とは異なっていることに留意すること.
・この重症度分類は新型コロナウイルス感染症の肺炎の医療介入における重症度である.入院に関しては,この分類で軽症に該
当する患者であっても全身状態などを考慮する必要がある(
「4-5 高齢者の管理」を参照).

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