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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (38 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント
c )環境への影響に配慮した呼吸療法の選択
・低流量酸素療法を第一選択とする
・高流量酸素療法や非侵襲的陽圧換気は使用しない
・食道内圧測定ができる場合,内圧振幅 > 15 cmH2O はできるだけ速やかに挿管する
・人工呼吸器のガス出入口にバクテリアフィルターを使用する
・人工呼吸回路の加温加湿には人工鼻あるいはフィルター機能付き人工鼻を使用する
・気管吸引では閉鎖式システムを使用する
・エアロゾル発生リスクの高い作業は極力行わない
d )L 型の時の人工呼吸器の使い方
・ARDS として換気設定すると肺損傷(VILI)を生じる
・低酸素血症は FiO2 の 上昇で対応し,必要最低限の PEEP を設定する
・高 CO2 血症は1回換気量を増やすことで対応する
・リクルートメントは必要ない
・挿管後は深鎮静にする
・PEEP を8〜 10 cmH2O とする
・腹臥位換気は上記に反応しない場合に実施する
e )H 型の時の人工呼吸器の使い方
・重症 ARDS として治療する
・より高い PEEP(10 〜 14 cmH2O)を使う
・人工呼吸療法に抵抗性の場合は,腹臥位療法が推奨される
・さらに治療抵抗性の場合は ECMO も考慮する
f )L 型から H 型への移行
・L 型から H 型へ急速に移行することがある
・移行を予測できるバイオマーカーはない
g )腹臥位療法について
・COVID-19 重症肺炎に対する腹臥位療法の開始時期や生命予後への効果を示す証拠は得ら
れていない.
• イタリアにおける後方視的多施設観察研究では,ARDS と診断された COVID-19 重症肺
炎患者 1,057 人のうち 61%は少なくとも1回腹臥位療法が適用され,ARDS 重症度が
高いほど実施回数が多かった.腹臥位療法を要した患者はより重篤で死亡率は有意に高
かった.腹臥位は PaO2/FiO2 比の有意な増加をもたらした.PaO2/FiO2 比が 20 mmHg
以上増加した場合を反応ありと定義すると,反応なし患者はより重度の呼吸不全を患い,
ICU でより多く死亡した(65%対 38%,p = 0.047)
.
・腹臥位療法は,少なくとも ARDS と診断され,人工呼吸療法で酸素化が維持できない場合
には推奨される.
*人工呼吸療法の相談は「COVID-19 対応 ECMO net コールセンター」が 24 時間対応する.
〈参考〉
・日本集中治療医学会 HP https://www.jsicm.org/news/upload/COVID&MVstrategy_ECMOnet_v2.pdf
・ビデオ教材 http://square.umin.ac.jp/jrcm/news/news20200415.html
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c )環境への影響に配慮した呼吸療法の選択
・低流量酸素療法を第一選択とする
・高流量酸素療法や非侵襲的陽圧換気は使用しない
・食道内圧測定ができる場合,内圧振幅 > 15 cmH2O はできるだけ速やかに挿管する
・人工呼吸器のガス出入口にバクテリアフィルターを使用する
・人工呼吸回路の加温加湿には人工鼻あるいはフィルター機能付き人工鼻を使用する
・気管吸引では閉鎖式システムを使用する
・エアロゾル発生リスクの高い作業は極力行わない
d )L 型の時の人工呼吸器の使い方
・ARDS として換気設定すると肺損傷(VILI)を生じる
・低酸素血症は FiO2 の 上昇で対応し,必要最低限の PEEP を設定する
・高 CO2 血症は1回換気量を増やすことで対応する
・リクルートメントは必要ない
・挿管後は深鎮静にする
・PEEP を8〜 10 cmH2O とする
・腹臥位換気は上記に反応しない場合に実施する
e )H 型の時の人工呼吸器の使い方
・重症 ARDS として治療する
・より高い PEEP(10 〜 14 cmH2O)を使う
・人工呼吸療法に抵抗性の場合は,腹臥位療法が推奨される
・さらに治療抵抗性の場合は ECMO も考慮する
f )L 型から H 型への移行
・L 型から H 型へ急速に移行することがある
・移行を予測できるバイオマーカーはない
g )腹臥位療法について
・COVID-19 重症肺炎に対する腹臥位療法の開始時期や生命予後への効果を示す証拠は得ら
れていない.
• イタリアにおける後方視的多施設観察研究では,ARDS と診断された COVID-19 重症肺
炎患者 1,057 人のうち 61%は少なくとも1回腹臥位療法が適用され,ARDS 重症度が
高いほど実施回数が多かった.腹臥位療法を要した患者はより重篤で死亡率は有意に高
かった.腹臥位は PaO2/FiO2 比の有意な増加をもたらした.PaO2/FiO2 比が 20 mmHg
以上増加した場合を反応ありと定義すると,反応なし患者はより重度の呼吸不全を患い,
ICU でより多く死亡した(65%対 38%,p = 0.047)
.
・腹臥位療法は,少なくとも ARDS と診断され,人工呼吸療法で酸素化が維持できない場合
には推奨される.
*人工呼吸療法の相談は「COVID-19 対応 ECMO net コールセンター」が 24 時間対応する.
〈参考〉
・日本集中治療医学会 HP https://www.jsicm.org/news/upload/COVID&MVstrategy_ECMOnet_v2.pdf
・ビデオ教材 http://square.umin.ac.jp/jrcm/news/news20200415.html
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