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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (19 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像
カタールにおける小児 COVID-19 患者の重症度をデルタ流行期(2021 年 6 月 1 日〜 2021
年 11 月 6 日)とオミクロン流行期(2022 年 1 月 1 日〜 2022 年 1 月 15 日)の各 985 例
で検討した.デルタでは軽症 84.2 %,中等症 15.7 %,重症 0.1 % であり,オミクロンでは
軽症 97.8 %,中等症 2.2 %,重症 0 % であった.
日本集中治療医学会小児集中治療委員会による,新型コロナウイルス関連小児重症・中等症
例の発生把握関連情報によると,いわゆる第 7 波(2022 年夏の感染拡大)による主な入院理
由は,急性脳症(25.0 %),COVID-19 肺炎 (19.7 %)
,痙攣 (16.4 %)であった.小児重症・
中等症例の年齢層は,新生児 (0.7 %),未就学児 (49.3 %),小学生 (29.6 %),中学生 (4.6 %),
高校生 (4.6 %) であった.
【小児における死亡例】
国 立 感 染 症 研 究 所 の 報 告 に よ る と, 国 内 に お い て は,2022 年 1 月 ~ 9 月 の 間 に
COVID-19 発症後の 20 歳未満の死亡例が 62 例確認された.その年齢は,0 歳 9 例(14.5 %),
1 ~ 4 歳 19 例(31 %),5 ~ 11 歳 25 例(40 %),12 ~ 19 歳 9 例(14.5 %)であり,5
歳未満が約半数を占めていた.さらに,62 例のうち実地疫学調査が実施できた症例は 57 例であ
り,このうち,明らかな内因性死亡とされた 50 例のうち,半数以上の 29 例(58 %)は基礎疾
患のない生来健康な小児であった.死亡に至る主な経緯は,中枢神経系の異常 19 例(38 %:急
性脳症等),循環器系の異常 9 例(18%:急性心筋炎,不整脈等),呼吸器系の異常 4 例(8 %:
肺炎,細菌性肺炎等),その他 9 例(18%:多臓器不全等),原因不明 9 例(18 %)であった.
50 例の新型コロナワクチンの接種状況は,死亡時点で接種対象外年齢の者が 24 例(48 %),接
種対象年齢の者が 26 例(52 %)であり,接種対象年齢となる 5 歳以上の 26 例では,未接種が
23 例(88 %),2 回接種が 3 例(12 %)であった.
症状は,呼吸器症状以外の症状のうち,悪心・嘔吐(46%)
,意識障害(42%)
,痙攣 (36%),
経口摂取不良(22%)などの割合が高かったことから,小児においては,痙攣,意識障害など
の神経症状や,嘔吐,経口摂取不良などの呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必
要がある.また,死亡に至る経緯として,中枢神経系の異常と循環器系の異常が多く,いずれ
も急激な全身状態の悪化が見られたこと,内因性死亡と考えられた小児等の死亡例 50 例に
おいても,発症から心肺停止および死亡までの日数は,中央値が各々 2.0 日,3.0 日であり,
1 週間未満の症例が各々 81%,75% を占めたことから,基礎疾患がない小児においても,特
に発症後1週間の症状の経過観察が重要であると考えられると報告された.流行期間を通して,
小児における致死率の上昇は確認されていないが,小児感染例の増加に伴う重症例の増加には
注意が必要である.
【小児における感染経路】
日本小児科学会の小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus
Disease 2019(COVID-19)症例の臨床経過に関する検討」で公開されているデータでは,
20 歳未満症例 9,567 例の中で,5,533 例 (58 %) において家族(父親 1,864 例,母親 1,676 例,
両親 297 例,同胞 1,128 例,祖父母 306 例,その他 262 例)が先行感染者であり,学校関
係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 10 %,8 % であった(2022 年 9 月
17 日時点)
.
一方で,国内でオミクロンの流行が顕在化した 2022 年 1 月以降に報告された 5,208 例の
小児に限定すると,家族内感染は 2,471 例 (47 %) に留まっており,学校関係者および幼稚園・
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カタールにおける小児 COVID-19 患者の重症度をデルタ流行期(2021 年 6 月 1 日〜 2021
年 11 月 6 日)とオミクロン流行期(2022 年 1 月 1 日〜 2022 年 1 月 15 日)の各 985 例
で検討した.デルタでは軽症 84.2 %,中等症 15.7 %,重症 0.1 % であり,オミクロンでは
軽症 97.8 %,中等症 2.2 %,重症 0 % であった.
日本集中治療医学会小児集中治療委員会による,新型コロナウイルス関連小児重症・中等症
例の発生把握関連情報によると,いわゆる第 7 波(2022 年夏の感染拡大)による主な入院理
由は,急性脳症(25.0 %),COVID-19 肺炎 (19.7 %)
,痙攣 (16.4 %)であった.小児重症・
中等症例の年齢層は,新生児 (0.7 %),未就学児 (49.3 %),小学生 (29.6 %),中学生 (4.6 %),
高校生 (4.6 %) であった.
【小児における死亡例】
国 立 感 染 症 研 究 所 の 報 告 に よ る と, 国 内 に お い て は,2022 年 1 月 ~ 9 月 の 間 に
COVID-19 発症後の 20 歳未満の死亡例が 62 例確認された.その年齢は,0 歳 9 例(14.5 %),
1 ~ 4 歳 19 例(31 %),5 ~ 11 歳 25 例(40 %),12 ~ 19 歳 9 例(14.5 %)であり,5
歳未満が約半数を占めていた.さらに,62 例のうち実地疫学調査が実施できた症例は 57 例であ
り,このうち,明らかな内因性死亡とされた 50 例のうち,半数以上の 29 例(58 %)は基礎疾
患のない生来健康な小児であった.死亡に至る主な経緯は,中枢神経系の異常 19 例(38 %:急
性脳症等),循環器系の異常 9 例(18%:急性心筋炎,不整脈等),呼吸器系の異常 4 例(8 %:
肺炎,細菌性肺炎等),その他 9 例(18%:多臓器不全等),原因不明 9 例(18 %)であった.
50 例の新型コロナワクチンの接種状況は,死亡時点で接種対象外年齢の者が 24 例(48 %),接
種対象年齢の者が 26 例(52 %)であり,接種対象年齢となる 5 歳以上の 26 例では,未接種が
23 例(88 %),2 回接種が 3 例(12 %)であった.
症状は,呼吸器症状以外の症状のうち,悪心・嘔吐(46%)
,意識障害(42%)
,痙攣 (36%),
経口摂取不良(22%)などの割合が高かったことから,小児においては,痙攣,意識障害など
の神経症状や,嘔吐,経口摂取不良などの呼吸器症状以外の全身症状の出現にも注意を払う必
要がある.また,死亡に至る経緯として,中枢神経系の異常と循環器系の異常が多く,いずれ
も急激な全身状態の悪化が見られたこと,内因性死亡と考えられた小児等の死亡例 50 例に
おいても,発症から心肺停止および死亡までの日数は,中央値が各々 2.0 日,3.0 日であり,
1 週間未満の症例が各々 81%,75% を占めたことから,基礎疾患がない小児においても,特
に発症後1週間の症状の経過観察が重要であると考えられると報告された.流行期間を通して,
小児における致死率の上昇は確認されていないが,小児感染例の増加に伴う重症例の増加には
注意が必要である.
【小児における感染経路】
日本小児科学会の小児症例レジストリ調査「データベースを用いた国内発症小児 Coronavirus
Disease 2019(COVID-19)症例の臨床経過に関する検討」で公開されているデータでは,
20 歳未満症例 9,567 例の中で,5,533 例 (58 %) において家族(父親 1,864 例,母親 1,676 例,
両親 297 例,同胞 1,128 例,祖父母 306 例,その他 262 例)が先行感染者であり,学校関
係者および幼稚園・保育所関係者からの感染はそれぞれ 10 %,8 % であった(2022 年 9 月
17 日時点)
.
一方で,国内でオミクロンの流行が顕在化した 2022 年 1 月以降に報告された 5,208 例の
小児に限定すると,家族内感染は 2,471 例 (47 %) に留まっており,学校関係者および幼稚園・
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