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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (46 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント

7 妊産婦の管理

〇 COVID-19 に感染した妊婦の多くは無症状もしくは軽症のままに経過するが,一部は特に妊

娠の後半期に重症化し,死産や本人の生命にかかわる事態に陥る.これはデルタのみならず,
オミクロンでも同様である.ワクチンの未接種は母体の重症化ばかりでなく,流早産や子宮
内胎児死亡のリスクを高めると考えられる(
「2-6 妊婦例の特徴」を参照)


〇 無症状あるいは軽症で,自宅療養・宿泊療養中の妊婦を訪問する,あるいは電話やインター
ネットによる遠隔診療を行う医療者は,呼吸状態,心拍数や呼吸数とその変化などの急速な
病状の進行を疑う症状,あるいは産科的異常を示唆する症状を確認する必要がある.可能で

あればパルスオキシメーターで血中酸素濃度を自己測定し,SpO2 が 95%を下回る状態が続

く場合は連絡をさせる.また,妊娠の時期を問わず,性器出血,持続する・あるいは周期的

な腹部緊満感・子宮収縮感,破水感・胎動の減少などがある場合,妊婦健診を受けているか
かりつけの産科医に直接相談するように指導する必要がある.

〇 かかりつけの産科医は,COVID-19 に感染した妊婦が上記のような相談をしてきた場合,

速やかに地域の COVID-19 に係る周産期医療体制の関係者と連携して,適切な診察・医療

を受けることができる施設への緊急搬送,あるいは自院への受診を指示すること.内科等の
産婦人科医以外の医療者が診療する場合は,産科的異常を示唆する症状にも留意するととも

に,日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会が 2021 年 8 月 23 日に発出した文章に記載さ
れている症状,所見,検査結果を認める場合,入院の必要性を地域の産科医と相談する.

〇 COVID-19 に感染した妊婦に,必ずしも産科的な管理が必要ではなく,COVID-19 患者と

して内科病棟等に入院する妊婦については,呼吸数,心拍数の漸増は妊婦の代償機能が働い
ている 徴候であるとされており,その推移に注意すること.また,酸素飽和度を適切な値

(SpO2 95%以上)に保つことができるように留意する.児の娩出時期や分娩方法,妊婦に
対する薬物療法については産婦人科医,小児科医と密接な連携をとる必要がある.

〇 COVID-19 に感染した妊婦から出生した新生児の管理については,出生直後に母親から新
生児を隔離し,PCR 検査を実施し,2 回陰性を確認することで,濃厚接触とはならないとい

う見解が 2021 年8月 10 日に日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会・日本新生児成育医
学会連名で出されている.

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