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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●4 重症度分類とマネジメント
【小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children, MIS-C *)】
*疾患名について,米国では MIS-C と一般化しているのに対し,本疾患の発生初期に報告した英国などの研究グループでは,
paediatric inflammatory multisystem syndrome temporally associated with SARS-CoV-2 の略称で
‘PIMS-TS’ あるいは ‘PIMS’ と呼んでいる.
〈臨床像〉
〇 欧米では COVID-19 パンデミックに伴い,20 歳以下の感染者の中に複数臓器に強い炎症を
認め,その中に川崎病と類似した症例のあることが報告された.この小児多系統炎症性症候群
(MIS-C)に典型的な経過は,COVID-19 の罹患後2〜6週目に,高熱と下痢,嘔吐,腹痛な
どの消化器症状と前後して,血圧低下,ショック,心不全を呈し,しばしば発疹や眼球結膜充血,
口唇・口腔粘膜の発赤やイチゴ舌,指趾の発赤など,川崎病に類似した症状群を伴う.川崎病
の診断基準を満たすのは患者の 22 〜 64% と考えられる.一部には川崎病と同様に冠動脈の
拡張や瘤形成が報告され,痙攣,意識障害などの神経症状が併発する例もある.検査所見では,
発症時のリンパ球と血小板の減少は特徴的で,CRP,NT-pro-BNP または BNP や IL-6,D
ダイマー,フェリチンなど多くの炎症性マーカーが上昇する.
〇 日本小児科学会・日本集中治療医学会による小児重症 COVID-19 registry によれば,2021
年 7 月〜 2022 年 1 月までに 11 例の MIS-C が報告され,死亡例はまだない.発症年齢は平
均 9 歳と川崎病に比べ高く,海外の報告でも人種的にアジア人は発症者が少ないようである
が,国内での入院症例は,小児病院,成人も対応する集中治療施設や一般総合病院,大学病院
と多岐にわたるため,日本における MIS-C の症例数について悉皆的調査が必要である.現在,
上記2学会と日本小児循環器学会,日本川崎病学会の連携により全国調査が進められており,
2022 年 10 月末現在,約 30 例について詳細が集まっており結果が待たれる.
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【小児多系統炎症性症候群(Multisystem Inflammatory Syndrome in Children, MIS-C *)】
*疾患名について,米国では MIS-C と一般化しているのに対し,本疾患の発生初期に報告した英国などの研究グループでは,
paediatric inflammatory multisystem syndrome temporally associated with SARS-CoV-2 の略称で
‘PIMS-TS’ あるいは ‘PIMS’ と呼んでいる.
〈臨床像〉
〇 欧米では COVID-19 パンデミックに伴い,20 歳以下の感染者の中に複数臓器に強い炎症を
認め,その中に川崎病と類似した症例のあることが報告された.この小児多系統炎症性症候群
(MIS-C)に典型的な経過は,COVID-19 の罹患後2〜6週目に,高熱と下痢,嘔吐,腹痛な
どの消化器症状と前後して,血圧低下,ショック,心不全を呈し,しばしば発疹や眼球結膜充血,
口唇・口腔粘膜の発赤やイチゴ舌,指趾の発赤など,川崎病に類似した症状群を伴う.川崎病
の診断基準を満たすのは患者の 22 〜 64% と考えられる.一部には川崎病と同様に冠動脈の
拡張や瘤形成が報告され,痙攣,意識障害などの神経症状が併発する例もある.検査所見では,
発症時のリンパ球と血小板の減少は特徴的で,CRP,NT-pro-BNP または BNP や IL-6,D
ダイマー,フェリチンなど多くの炎症性マーカーが上昇する.
〇 日本小児科学会・日本集中治療医学会による小児重症 COVID-19 registry によれば,2021
年 7 月〜 2022 年 1 月までに 11 例の MIS-C が報告され,死亡例はまだない.発症年齢は平
均 9 歳と川崎病に比べ高く,海外の報告でも人種的にアジア人は発症者が少ないようである
が,国内での入院症例は,小児病院,成人も対応する集中治療施設や一般総合病院,大学病院
と多岐にわたるため,日本における MIS-C の症例数について悉皆的調査が必要である.現在,
上記2学会と日本小児循環器学会,日本川崎病学会の連携により全国調査が進められており,
2022 年 10 月末現在,約 30 例について詳細が集まっており結果が待たれる.
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