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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (51 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法
薬物療法
【注意】本章の薬剤に関する情報は改訂されることがあります.処方に当たっては,最新の添付文書
を参照するなど,細心の注意を払うようにしてください.
COVID-19 に対する治療薬は開発が進められているところである.薬物療法を検討する際には,
日本感染症学会がまとめる『COVID-19 に対する薬物治療の考え方』等も参照することが望まし
い.有効性の確立した承認薬も増加しており,これらの薬剤を重症化リスク・重症度等に応じて
適切に使用することは,患者の予後改善と医療提供体制の確保の点からも重要と考えられる.
【参考】軽症から中等症Ⅰの患者に対する薬物療法の考え方:薬剤選択において考慮すべき点
地域で流行している変異株:
・中和抗体薬の有効性に影響する(有効性は試験管内レベルの実験結果で判断されることが多い)
・2022 年 12 月現在,オミクロンに対して,中和抗体薬(日本国内で入手可能な製剤)の有効性は減弱している
点滴治療が可能か:
・レムデシビルは点滴投与が 3 ~ 5 日間必要である
常用薬があるか:
・ニルマトレルビル/リトナビルやエンシトレルビルには相互作用のある薬剤が多い
腎機能障害があるか:
・レムデシビル,ニルマトレルビル/リトナビルは,腎機能障害がある場合,減量または投与を避ける必要がある
妊娠をしているか:
・モルヌピラビルやエンシトレルビルには催奇形性の懸念があり,妊婦や妊娠している可能性のある女性には禁忌
1 抗ウイルス薬
レムデシビル
商品名:ベクルリー点滴静注用 100 mg
RNA 合成酵素阻害薬
2020.5.7 特例承認,2021.1.7 適応拡大,2021.8.12 保険適用,
2021.10.18 一般流通開始,2022.3.18 適応拡大
禁忌 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
レムデシビルは RNA ウイルスに広く活性を示す RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害薬である.
中等症・重症の COVID-19 患者を対象とした 5 つのランダム化比較試験の結果から,レム
デシビルはすでに人工呼吸や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性
が高いが,そこまでに至らない症例では症状の早期改善などの有効性が見込まれる.
投与期間に関しては,挿管例を除く低酸素血症のある肺炎患者では 5 日間治療群と 10 日間
治療群とでは有効性・副作用に差がなかったことなどから,原則として 5 日間の投与が推奨さ
れるが,個々の患者に応じた判断を行う.
また,重症化リスク因子のある発症 7 日以内の非入院患者(軽症・中等症 I に相当)を対象
に行われたランダム化比較試験(PINETREE)において,レムデシビルを 3 日間投与した治療
群では,プラセボ群と比較して COVID-19 に関連した入院または死亡を 87%減少させた(表
5-1 参照).この結果を受けて,重症化リスク因子を有するなど,本剤の投与が必要と考えられ
る軽症患者へ適応拡大された(2022 年 3 月)
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法
薬物療法
【注意】本章の薬剤に関する情報は改訂されることがあります.処方に当たっては,最新の添付文書
を参照するなど,細心の注意を払うようにしてください.
COVID-19 に対する治療薬は開発が進められているところである.薬物療法を検討する際には,
日本感染症学会がまとめる『COVID-19 に対する薬物治療の考え方』等も参照することが望まし
い.有効性の確立した承認薬も増加しており,これらの薬剤を重症化リスク・重症度等に応じて
適切に使用することは,患者の予後改善と医療提供体制の確保の点からも重要と考えられる.
【参考】軽症から中等症Ⅰの患者に対する薬物療法の考え方:薬剤選択において考慮すべき点
地域で流行している変異株:
・中和抗体薬の有効性に影響する(有効性は試験管内レベルの実験結果で判断されることが多い)
・2022 年 12 月現在,オミクロンに対して,中和抗体薬(日本国内で入手可能な製剤)の有効性は減弱している
点滴治療が可能か:
・レムデシビルは点滴投与が 3 ~ 5 日間必要である
常用薬があるか:
・ニルマトレルビル/リトナビルやエンシトレルビルには相互作用のある薬剤が多い
腎機能障害があるか:
・レムデシビル,ニルマトレルビル/リトナビルは,腎機能障害がある場合,減量または投与を避ける必要がある
妊娠をしているか:
・モルヌピラビルやエンシトレルビルには催奇形性の懸念があり,妊婦や妊娠している可能性のある女性には禁忌
1 抗ウイルス薬
レムデシビル
商品名:ベクルリー点滴静注用 100 mg
RNA 合成酵素阻害薬
2020.5.7 特例承認,2021.1.7 適応拡大,2021.8.12 保険適用,
2021.10.18 一般流通開始,2022.3.18 適応拡大
禁忌 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
レムデシビルは RNA ウイルスに広く活性を示す RNA 依存性 RNA ポリメラーゼ阻害薬である.
中等症・重症の COVID-19 患者を対象とした 5 つのランダム化比較試験の結果から,レム
デシビルはすでに人工呼吸や高流量の酸素投与に至った重症例では効果が期待できない可能性
が高いが,そこまでに至らない症例では症状の早期改善などの有効性が見込まれる.
投与期間に関しては,挿管例を除く低酸素血症のある肺炎患者では 5 日間治療群と 10 日間
治療群とでは有効性・副作用に差がなかったことなどから,原則として 5 日間の投与が推奨さ
れるが,個々の患者に応じた判断を行う.
また,重症化リスク因子のある発症 7 日以内の非入院患者(軽症・中等症 I に相当)を対象
に行われたランダム化比較試験(PINETREE)において,レムデシビルを 3 日間投与した治療
群では,プラセボ群と比較して COVID-19 に関連した入院または死亡を 87%減少させた(表
5-1 参照).この結果を受けて,重症化リスク因子を有するなど,本剤の投与が必要と考えられ
る軽症患者へ適応拡大された(2022 年 3 月)
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