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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像
図 2-6
70 代男性(COVID-19 肺炎:重症)
図6
基礎疾患として肥満(BMI 28.5).急性呼吸不全のため挿管・人工呼吸管理となった.転院時の血液検査で
CRP 20.56 mg/dL,D ダイマー 140.4 µg/mL と著明高値を認めたため,造影 CT を実施したところ,複数
の右肺動脈に血栓(矢頭)があり,右肺動脈血栓塞栓症と診断した.
図 2-7
80 代男性(COVID-19 肺炎:重症)
基礎疾患として未治療の 2 型
糖尿病.人工呼吸管理中に,D
ダイマー が 81.3 µg/mL と著
明高値となった.人工呼吸器離
脱に向けて鎮静薬を減量するが
覚醒がなく,頭部単純 CT を撮
影したところ,複数の部位に出
血性梗塞(矢頭)を認めた.
他の病原体との重複感染,二次性感染症:COVID-19 における重複感染,二次性感染症に関
するエビデンスは限られている.欧州では入院時における細菌の重複感染症の合併率は
3.5
図7
%であるものの,入院中の二次性細菌感染症の合併は 15 %にのぼると報告されている.欧
州の多施設研究では侵襲性肺アスペルギルス症(CAPA:COVID-19-associated pulmonary
aspergillosis)を ICU 入室例の 18.4 %に認めた.高齢,人工呼吸器使用,トシリズマブの併
用が CAPA と関連し,予後不良因子(90 日死亡率:57 % vs 非 CAPA 例 29 %)であった.
一方,日本呼吸器学会の調査では人工呼吸器管理例でも 0.54 %と低率であった.国際的な診
断基準に基づいた疫学研究が日本国内でも必要である.ムーコル症の合併は最近の総説による
とインドをはじめ少なくとも 18 カ国から報告されている.鼻脳型が多く,致死率は高い.環
境要因に加え,コントロール不良の糖尿病やステロイド使用などが原因と推測されている.日
本国内ではムーコル症の増加は報告されていない.
また,COVID-19 で入院した患者についての 14 の研究でのウイルス感染合併の頻度をまと
めたメタアナリシスでは,他のウイルスとの重複感染は 3 %であった.
17
図 2-6
70 代男性(COVID-19 肺炎:重症)
図6
基礎疾患として肥満(BMI 28.5).急性呼吸不全のため挿管・人工呼吸管理となった.転院時の血液検査で
CRP 20.56 mg/dL,D ダイマー 140.4 µg/mL と著明高値を認めたため,造影 CT を実施したところ,複数
の右肺動脈に血栓(矢頭)があり,右肺動脈血栓塞栓症と診断した.
図 2-7
80 代男性(COVID-19 肺炎:重症)
基礎疾患として未治療の 2 型
糖尿病.人工呼吸管理中に,D
ダイマー が 81.3 µg/mL と著
明高値となった.人工呼吸器離
脱に向けて鎮静薬を減量するが
覚醒がなく,頭部単純 CT を撮
影したところ,複数の部位に出
血性梗塞(矢頭)を認めた.
他の病原体との重複感染,二次性感染症:COVID-19 における重複感染,二次性感染症に関
するエビデンスは限られている.欧州では入院時における細菌の重複感染症の合併率は
3.5
図7
%であるものの,入院中の二次性細菌感染症の合併は 15 %にのぼると報告されている.欧
州の多施設研究では侵襲性肺アスペルギルス症(CAPA:COVID-19-associated pulmonary
aspergillosis)を ICU 入室例の 18.4 %に認めた.高齢,人工呼吸器使用,トシリズマブの併
用が CAPA と関連し,予後不良因子(90 日死亡率:57 % vs 非 CAPA 例 29 %)であった.
一方,日本呼吸器学会の調査では人工呼吸器管理例でも 0.54 %と低率であった.国際的な診
断基準に基づいた疫学研究が日本国内でも必要である.ムーコル症の合併は最近の総説による
とインドをはじめ少なくとも 18 カ国から報告されている.鼻脳型が多く,致死率は高い.環
境要因に加え,コントロール不良の糖尿病やステロイド使用などが原因と推測されている.日
本国内ではムーコル症の増加は報告されていない.
また,COVID-19 で入院した患者についての 14 の研究でのウイルス感染合併の頻度をまと
めたメタアナリシスでは,他のウイルスとの重複感染は 3 %であった.
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