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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (58 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html
出典情報 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●5 薬物療法

投与時の注意点
・一般に,重症化リスク因子のない軽症例では,経過観察のみで自然に軽快するが多いこ
とに留意する(「4-2 軽症」を参照)

・COVID-19 の 5 症状(上記を参照)への効果が検討された臨床試験における成績など
を踏まえ,高熱・強い咳症状・強い咽頭痛などの臨床症状がある者に処方を検討するこ
と.また,本剤の処方の対象者に関しては,今後の臨床試験等の結果も踏まえた検討が
必要となる.
・本剤の有効性は症状発現から 3 日目までに投与開始された患者において推定されてお
り,SARS-CoV-2 による感染症の症状が発現してから遅くとも 72 時間以内に初回投
与すること.
・本剤においては,重症化リスク因子のある軽症例に対して,重症化抑制効果を裏づける
データは得られていない.このため,日本感染学会『COVID-19 に対する薬物治療の
考え方(第 15 版)』では,重症化リスク因子のある軽症〜中等症の患者には,レムデ
シビル,モルヌピラビル,ニルマトレルビル/リトナビルを投与することを検討すべき
としている.
・重症度の高い(概ね中等症Ⅱ以上)患者に対する有効性は確立していない.
・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため,服用中のすべての薬剤を確認する
こと.また,本剤で治療中に新たに他の薬剤を追加する場合,相互作用を確認すること.
本剤は CYP3A 誘導薬との併用に係る薬物相互作用,CYP3A に対する強い阻害作用,
P-gp,BCRP,OATP1B1,OATP1B3 に対する阻害作用などを有するため,薬物相
互作用に注意する.〈参考〉添付文書 https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00070668.pdf
特定の背景のある患者への投与

〔腎機能障害患者〕軽度[60 ≦ eGFR (mL/min/1.73m2) < 90]
,もしくは中等度
2
[30 ≦ eGFR (mL/min/1.73m ) < 60]の腎機能障害患者において用量調節は不要と
考えられる.ただし,重度の腎機能障害患者[eGFR (mL/min/1.73m2) < 30]では
治療上の有益性が上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること.なお,コルヒチ
ン投与中の患者にはコルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあり投与しないこと.
〔肝機能障害患者〕重度の肝機能障害がある場合,本剤の投与は推奨されない.中等度
(Child-Pugh 分類 B)肝機能障害患者においては,現在実施されている臨床薬理試験
結果が出るまで,治療上の有益性が上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること.
なお,コルヒチン投与中の患者にはコルヒチンの血中濃度が上昇するおそれがあり投
与しないこと.
〔妊婦〕妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.ウサギにおいて,
臨床曝露量の 5.0 倍相当以上で胎児への催奇形性や流産,胚・胎児生存率の低下が認
められる.妊娠可能な女性に対しては,本剤投与中および最終投与後一定期間は適切
な避妊を行うよう指導すること.
〔授乳婦〕授乳しないことが望ましい.ラットにおいて,乳汁への移行が認められるとと
もに,母動物に毒性が認められた用量で出生児の生後 4 日生存率の低下および発育遅
延が認められている.
〔小児〕12 歳未満を対象とした臨床試験は実施されていない.
入手方法

・本剤(エンシトレルビル)は安定的な入手が可能になるまでは一般流通は行われず,厚
生労働省が所有したうえで,対象となる患者が発生した医療機関および薬局からの依頼
に基づき,無償で譲渡される.詳細は最新の事務連絡を参照すること.
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