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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像
・TARC は,SARS-CoV-2 に感染した患者の血中で,酸素投与を要する中等症Ⅱ以上の重症化に
至る患者では発症初期から重症化するまでの期間は低値を示すことが知られている.このため,
SARS-CoV-2 陽性の患者を対象に 1 回測定することで,重症化する患者を特定できる可能性が
ある.ただし,重症化するタイミングを予測することはできないことに留意すること.
【入院患者における予後予測スコア】
COVID-19 の患者数増加に伴い,限られた医療資源を適正に配分するため,重症化する患者
を早期に予測するツールの開発が期待されている.すでに入院患者を対象に予後予測スコアが
いくつか開発されている(COVID-GRAM,ISARIC WHO 4C Mortality Score など)
.これ
らの予後予測スコアは,ワクチン普及以前に開発されたものが多く,臨床像の異なるオミクロ
ンの流行においても適応できるか注意が必要である.
3 胸部画像所見
わが国には,独自に開発された胸部高分解能 CT があり,それを活用した画像所見と病理所
見が対比されてきた歴史がある.また胸部 CT が比較的容易に撮影できることから,胸部画像
のパターン解析がなされてきた.以下に COVID-19 症例の画像所見をパターン化して解説する.
SARS-CoV-2 による肺炎の画像所見を特発性間質性肺炎の分類を用いて解析すると,重症
のものから,急性間質性肺炎,急性線維素性器質化肺炎,非特異性間質性肺炎,特発性器質化
肺炎を示唆する画像所見になる.
胸部 CT 検査にて明らかな陰影を認めないにも関わらず,低酸素血症を呈する場合があり,
肺微小血栓がその病態であると考えられる.このような症例では血痰を伴うことが多い.
また,オミクロンの流行が始まって以来,高齢者では SARS-CoV-2 陽性者における誤嚥性
肺炎が増加しており,画像診断はこれらの鑑別にも有用である.
図 2-3
20 代女性(2020 年 3 月入院:中等症Ⅰ)
米国から帰国後に上気道炎症状が出現,発熱なし.経過観察のみで軽快した.非定型肺炎が最も適切な診断で
あろう.ウイルス性肺炎といっても矛盾はない.陰影の消退が悪ければ,特発性器質化肺炎も鑑別に上がる.
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・TARC は,SARS-CoV-2 に感染した患者の血中で,酸素投与を要する中等症Ⅱ以上の重症化に
至る患者では発症初期から重症化するまでの期間は低値を示すことが知られている.このため,
SARS-CoV-2 陽性の患者を対象に 1 回測定することで,重症化する患者を特定できる可能性が
ある.ただし,重症化するタイミングを予測することはできないことに留意すること.
【入院患者における予後予測スコア】
COVID-19 の患者数増加に伴い,限られた医療資源を適正に配分するため,重症化する患者
を早期に予測するツールの開発が期待されている.すでに入院患者を対象に予後予測スコアが
いくつか開発されている(COVID-GRAM,ISARIC WHO 4C Mortality Score など)
.これ
らの予後予測スコアは,ワクチン普及以前に開発されたものが多く,臨床像の異なるオミクロ
ンの流行においても適応できるか注意が必要である.
3 胸部画像所見
わが国には,独自に開発された胸部高分解能 CT があり,それを活用した画像所見と病理所
見が対比されてきた歴史がある.また胸部 CT が比較的容易に撮影できることから,胸部画像
のパターン解析がなされてきた.以下に COVID-19 症例の画像所見をパターン化して解説する.
SARS-CoV-2 による肺炎の画像所見を特発性間質性肺炎の分類を用いて解析すると,重症
のものから,急性間質性肺炎,急性線維素性器質化肺炎,非特異性間質性肺炎,特発性器質化
肺炎を示唆する画像所見になる.
胸部 CT 検査にて明らかな陰影を認めないにも関わらず,低酸素血症を呈する場合があり,
肺微小血栓がその病態であると考えられる.このような症例では血痰を伴うことが多い.
また,オミクロンの流行が始まって以来,高齢者では SARS-CoV-2 陽性者における誤嚥性
肺炎が増加しており,画像診断はこれらの鑑別にも有用である.
図 2-3
20 代女性(2020 年 3 月入院:中等症Ⅰ)
米国から帰国後に上気道炎症状が出現,発熱なし.経過観察のみで軽快した.非定型肺炎が最も適切な診断で
あろう.ウイルス性肺炎といっても矛盾はない.陰影の消退が悪ければ,特発性器質化肺炎も鑑別に上がる.
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