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【参考1】診療の手引き・第9.0版 (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00416.html |
出典情報 | 「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」の改訂について(2/10付 事務連絡)《厚生労働省》 |
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●新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き・第 9.0 版 ●2 臨床像
妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 ~ 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
~ 12.5])が中等症・重症と関連していた.
【妊婦におけるワクチンの効果と副反応】
諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リスクを減少させる.死産,ある
いは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,未接種者に多かったと報告されている.わ
が国においてもオミクロン流行以降は,母体の重症例は減少しているが,一定頻度で妊娠中期
の流産や死産が発生しており,そのほとんどがワクチン未接種の妊婦である.諸外国でもわが
国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と胎児・新生児に対する奇形や流早産などの重篤な
有害事象の増加はない.そのため,日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会では,すべ
ての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン接種を推奨している.
7 罹患後症状
COVID-19 罹患後の一部の患者に,急性期症状の持続や新たな症状の出現,症状の再燃を認
めることがある.WHO は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の症状*を「新型コロ
ナウイルス(SARS-CoV-2)に罹患した人にみられ,少なくとも2カ月以上持続し,また,他
の疾患による症状として説明がつかないもの」と定義している.また,「通常は COVID-19 の
発症から3カ月経った時点にもみられる」
としている.代表的な罹患後症状を図 2-8 にまとめた.
罹患後症状の詳細に関しては,『別冊:罹患後症状のマネジメント』を参照のこと.
*国内における定義は現時点では定まっていないが,WHO が定義する「post COVID-19 condition」を
「COVID-19 後の症状」と訳したうえで,本手引きでは,「罹患後症状」とする.
図 2-8
代表的な罹患後症状
●疲労感・倦怠感
●咳
●喀痰
●記憶障害
●嗅覚障害
●関節痛
●息切れ
●集中力低下
●味覚障害
●筋肉痛
●胸痛
●頭痛
●動悸
●脱毛
●抑うつ
●下痢
●腹痛
●睡眠障害
●筋力低下
◆引用・参考文献◆
1. 臨床像
・国立感染症研究所.新型コロナウイルス感染症における積極的疫学調査の結果について(最終報告)
.IASR 2021.
・国立感染症研究所.SARS-CoV-2 B.1.1.529 系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査
(第 5 報): 疫学的・臨床的特徴.2022.2.18.
・平良勝也,ほか.沖縄県における SARS-CoV-2 の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)症例の実地疫学調査報告(続報).
IASR 2022.2.18.
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.新型コロナウイルス感染症(オミクロン株)による上気道狭窄への注意喚起.2022.3.2.
・Adachi T, et al. Clinicopathologic and immunohistochemical findings from autopsy of patient with COVID-19,
Japan. Emerg Infect Dis 2020.
・Attaway AH, et al. Severe covid-19 pneumonia: pathogenesis and clinical management. BMJ 2021.
・Cevik M, et al. Virology,transmission,and pathogenesis of SARS-CoV-2. BMJ 2020.
・Hou YJ, et al. SARS-CoV-2 reverse genetics reveals a variable infection gradient in the respiratory tract. Cell
2020.
・Matsunaga N, et al. Clinical epidemiology of hospitalized patients with COVID-19 in Japan: Report of the
COVID-19 registry Japan. Clin Infect Dis 2020.
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妊婦(254 例)を軽症群と中等症・重症群で比較したところ,妊娠中期(14 週)以降(OR 5.3
[95%CI: 1.2 ~ 23.1]),基礎疾患(喘息,糖尿病,高血圧など)の存在(OR 3.9 [95%CI: 1.2
~ 12.5])が中等症・重症と関連していた.
【妊婦におけるワクチンの効果と副反応】
諸外国の統計では,妊娠中のワクチン接種は新生児の入院リスクを減少させる.死産,ある
いは母児ともに生命にかかわる事態に陥ったのは,未接種者に多かったと報告されている.わ
が国においてもオミクロン流行以降は,母体の重症例は減少しているが,一定頻度で妊娠中期
の流産や死産が発生しており,そのほとんどがワクチン未接種の妊婦である.諸外国でもわが
国でも,妊娠中のワクチン接種による母体と胎児・新生児に対する奇形や流早産などの重篤な
有害事象の増加はない.そのため,日本産科婦人科学会・日本産婦人科感染症学会では,すべ
ての妊婦に週数を問わず,積極的なワクチン接種を推奨している.
7 罹患後症状
COVID-19 罹患後の一部の患者に,急性期症状の持続や新たな症状の出現,症状の再燃を認
めることがある.WHO は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の症状*を「新型コロ
ナウイルス(SARS-CoV-2)に罹患した人にみられ,少なくとも2カ月以上持続し,また,他
の疾患による症状として説明がつかないもの」と定義している.また,「通常は COVID-19 の
発症から3カ月経った時点にもみられる」
としている.代表的な罹患後症状を図 2-8 にまとめた.
罹患後症状の詳細に関しては,『別冊:罹患後症状のマネジメント』を参照のこと.
*国内における定義は現時点では定まっていないが,WHO が定義する「post COVID-19 condition」を
「COVID-19 後の症状」と訳したうえで,本手引きでは,「罹患後症状」とする.
図 2-8
代表的な罹患後症状
●疲労感・倦怠感
●咳
●喀痰
●記憶障害
●嗅覚障害
●関節痛
●息切れ
●集中力低下
●味覚障害
●筋肉痛
●胸痛
●頭痛
●動悸
●脱毛
●抑うつ
●下痢
●腹痛
●睡眠障害
●筋力低下
◆引用・参考文献◆
1. 臨床像
・国立感染症研究所.新型コロナウイルス感染症における積極的疫学調査の結果について(最終報告)
.IASR 2021.
・国立感染症研究所.SARS-CoV-2 B.1.1.529 系統(オミクロン株)感染による新型コロナウイルス感染症の積極的疫学調査
(第 5 報): 疫学的・臨床的特徴.2022.2.18.
・平良勝也,ほか.沖縄県における SARS-CoV-2 の変異株 B.1.1.529 系統(オミクロン株)症例の実地疫学調査報告(続報).
IASR 2022.2.18.
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会.新型コロナウイルス感染症(オミクロン株)による上気道狭窄への注意喚起.2022.3.2.
・Adachi T, et al. Clinicopathologic and immunohistochemical findings from autopsy of patient with COVID-19,
Japan. Emerg Infect Dis 2020.
・Attaway AH, et al. Severe covid-19 pneumonia: pathogenesis and clinical management. BMJ 2021.
・Cevik M, et al. Virology,transmission,and pathogenesis of SARS-CoV-2. BMJ 2020.
・Hou YJ, et al. SARS-CoV-2 reverse genetics reveals a variable infection gradient in the respiratory tract. Cell
2020.
・Matsunaga N, et al. Clinical epidemiology of hospitalized patients with COVID-19 in Japan: Report of the
COVID-19 registry Japan. Clin Infect Dis 2020.
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