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参考資料4 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン更新版2020年3月31日 (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25869.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第35回 5/25)《厚生労働省》
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浸潤がん罹患率の減少を証明することが困難なことから、次なる評価指標として累積 CIN3+病変
検出率の増加(同ランク 5)が検討されている。今回のガイドラインの作成にあたってはランク 3 の浸
潤がん罹患率までを利益として評価したが、ランク 4、5 については参考データとして以下に示す。
ヨーロッパからの無作為化比較試験 6 件に加え、カナダの研究 1 件(HPV FOCAL13))、を加
えた合計 7 件の無作為化比較試験が CIN の追加的検出効果を評価していた。HPV FOCAL は
HPV 検査単独法と細胞診単独法を比較した研究である。
メタアナリシスでは、累積 CIN3+検出率は、HPV 検査を含む検査法が細胞診と比べ、より多く
の病変を検出できるという証拠は得られなかった(相対検出率 [RD:relative detection] = 1.10
[95% CI: 0.89―1.36]; I2=75%)。サブグループ解析においても併用法、HPV 検査単独法の両者
ともに細胞診単独法と検出率が異なる証拠はなかった。HPV 検査を含む全研究では CIN3+検出
率の追加的検出効果の 95%信頼区間は null effect(RR=1)を含んでいた。HPV 検査単独法お
よび併用法のサブグループ解析でも同様の結果であった。また感度分析においても全体として同
様の結果であった。
次に介入による一定期間内の CIN2+検出率の増加後に CIN3+の検出率が減少するかを確認
した。1ラウンド目で CIN2+検出率が高ければ、それを除いたものが対象となる 2 ラウンド目で
CIN3+検出率が減少するかもしれない。ラウンド間の間隔が短ければ CIN3+検出を把握できない
可能性があるので、2 つのラウンド全体の CIN2+検出率と 2 ラウンド目終了後以降の CIN3+検出
率を検討した。Finnish trial を除く 6 件の無作為化比較試験が 1 ラウンド目の CIN2+検出率上
昇とその後の CIN3+検出率減少を検討していた。HPV 検査を含む検査法は細胞診単独法と比
較 し て 1 ラ ウ ン ド 目 に は CIN2+ 検 出 率 が 48% 増 加 す る と い う 強 い 証 拠
(RD=1.48[95%CI:1.14―1.96];I2=81%)が認められた。しかし、2 ラウンド目の CIN3+検出率は研
究により多様な結果であり、HPV 検査を含む検査法が細胞診単独法より CIN3+検出率が減少す
る証拠は認められなかった(RD=1.05[95%CI:0.49―2.40];I2=90%)。
表 4 の下段に、累積 CIN3+検出率の増加に関するまとめを示した。HPV 検査単独法では、細
胞診に対する相対リスクは 1.26 (95%CI: 0.76―2.12)、絶対イベント数のリスク差は 329 人増加
(/1,000,000 人年)であった。
細胞診と HPV 検査併用法では、細胞診に対する相対リスクは 0.99 (95%CI: 0.78―1.27)、絶
対イベント数のリスク差は 13 人減少(/1,000,000 人年)であった。

3. 細胞診、HPV 検査を用いた検診方法のスクリーニング精度
健常者を対象としたスクリーニング精度の研究では、24 件の前向きコホートを評価の対象とした。
HPV 検査については 13 種の高リスク HPV 遺伝子型を検出する HC2 が 19 件に使用されて
おり、このほかにも Aptima HPV®、cobas® HPV 等が採用されていた。HC と他の HPV 検査プ
ラットフォームを直接比較した研究は 6 件あり、Aptima HPV®、遺伝子タイプ 16 と 18 のみに限
定したプラットフォームは特異度に優れる傾向が認められたものの、感度は劣るというトレードオフ
の関係がみられた。また careHPV®は精度全体(つまり判別能自体)が劣る可能性が示唆された。