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参考資料4 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン更新版2020年3月31日 (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25869.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第35回 5/25)《厚生労働省》
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XII. 多元的意思決定分析(MCDA)
推奨を決めるにあたり、多元的視点から優先順位を設定し定量化して意思決定を行うための補
助的手段として多元的意思決定分析(MCDA;Multi-Criteria Decision Analysis)の一つである
階層分析法を用いた

6, 7)。利益として浸潤がん罹患率減少効果、不利益として偽陽性、過剰診断

を要因として、1)スクリーニングの要件として 2 つの要因のうちどちらが重要か、2)各要因の観点か
ら個々の検査方法のどちらがより好ましいかをスコア化して評価した(図 7)。ガイドライン作成委員
会の個々のメンバーに、エビデンスレポートとガイドライン・ドラフトを提示したうえで、スコア化を行
い、委員会全体で統合したスコア値を検診手法別に求めた。このスコア値の高いものほど、検診手
法として良好という判断がなされたことを示す。モデル 1 は、利益(浸潤がん罹患率減少効果)と不
利益(偽陽性、過剰診断)のみを分析したものであり、モデル 2 として利益、不利益に医療資源(費
用、婦人科医)、価値観(受診意欲、心理的不安)を加えたものである。
その結果(図 8)、モデル1では細胞診単独法(0.29)がもっともスコア値が高く4つの検査法の中
では最良と判断された。2 番目に HPV 検査単独法(医師採取)(0.25)で、3 番目に細胞診・HPV
検査併用法(0.21)、4 番目に HPV 検査単独法(自己採取)(0.18)という結果であった。次に医療資
源、価値観を加えたモデル 2 では、やはり細胞診単独法(0.28)ともっともスコア値が高く、2 番目が
HPV 検査単独法(自己採取)、3 番目に HPV 検査単独法(医師採取)(0.22)、4 番目に細胞診・
HPV 検査併用法(0.19)であった。細胞診単独法、HPV 検査単独法(医師採取)、細胞診・HPV 検
査併用法の優先順位については、モデル1でもモデル 2 でも変動はなかったが、医療資源、価値
観を加えたモデル 2 で HPV 検査単独法(自己採取法)の順位が 2 番目にあがった。