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参考資料4 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン更新版2020年3月31日 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25869.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第35回 5/25)《厚生労働省》
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XIV. 子宮頸がん検診の国際的評価
PDQ(Physician Data Query)では、子宮頸がん検診について細胞診と HPV 検査のレビュー
を行っている

79)。細胞診については観察的研究しかないものの、少なくとも

80%の死亡率減少や

浸潤がん罹患率減少効果があるとしている。ただし、21 歳未満では浸潤がんに移行する数自体が
少ないので、効果も小さく、精密検査や治療といった不利益も若年者で最大となるとしている。
HPV 検査単独法については陽性者の 86.7%が前がん病変やがんに進展しないことを示し、併用
法では細胞診よりも偽陽性が増えること(30~34 歳で 11%、60~65 歳で 2.6%)を示している。
USPSTF では 2018 年 8 月に子宮頸がん検診のガイドラインの更新版を公開した

80)。細胞診

単独法、HPV 検査単独法、細胞診・HPV 検査併用法を評価していた。HPV 検査のほうが細胞
診単独法よりも感度はほんの少し上昇するが偽陽性率も上昇すること、特に細胞診・HPV 検査併
用法では偽陽性率が他の方法よりも高くなることを指摘しながらも、不利益はいずれの方法も
Moderate と判定していた。結論として 21~29 歳については 3 年ごとの細胞診単独法を推奨グレ
ード A、30~65 歳までは 3 年ごとの細胞診、5 年ごとの HPV 検査単独法、細胞診と HPV 検査
併用法のいずれも推奨グレード A としていた。
Canadian Task Force on Preventive Health Care の 2013 年に公開された子宮頸がん検
診ガイドライン

81)では、HPV

検査については証拠が不十分として推奨しておらず、細胞診につい

て 20 歳未満、20~24 歳についてはルーチンのスクリーニング検査は推奨せず、25~29 歳の 3
年ごとのスクリーニングを検診の効果が小さいことから、弱い推奨としている。30~69 歳について
は効果が大きいことから強い推奨とし、70 歳以上で十分な受診歴がある場合に検診の中止を推奨
しているが、10 年間に 3 回の陰性結果を得ていないものは検診の継続を弱い推奨としている。
英国の国立検診委員会(NSC: National Screening Committee)では、2012 年の更新の際に
専門家パネルによるシステマティック・レビューを行い、細胞診を用いた子宮頸がん検診の 20 代前
半の効果が確立していないことを理由に開始年齢を 25 歳に引き上げ、50~64 歳の検診間隔を 5
年に拡大する(25~49 歳は 3 年ごと)推奨を出していた 82)。2015 年に子宮頸がん検診の手法とし
て HPV 検査単独法を推奨し、2019 年から HPV 検査単独法を、英国の一部で screening
program として開始している。
オーストラリアでは、2011 年から検討をはじめ、2014 年には 25~69 歳を対象とした 5 年に 1
度の細胞診・HPV 検査併用法を推奨したが、2017 年末から 25~74 歳を対象とした 5 年毎の
HPV 検査単独法への推奨に変更した。また 2017 年に子宮頸がん検診の全般を包括したガイド
ラインを公表している。このガイドラインでは、スクリーニング検査にとどまらず、検査結果毎のアル
ゴリズム、コルポスコピーの方法、治療や病理診断に至るまでを様々な立場でまとめており、個々
の結論をエビデンスベースか、コンセンサスに基づくかを明記している。
スウェーデンでは、23~49 歳は 3 年おき、50~60 歳は 5 年おきの細胞診が推奨されてきたが、
2015 年 6 月にガイドラインが更新された。23~29 歳は細胞診単独法、30~64 歳は HPV 検査