よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料4 有効性評価に基づく子宮頸がん検診ガイドライン更新版2020年3月31日 (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25869.html
出典情報 がん検診のあり方に関する検討会(第35回 5/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

偽陰性率を正しく評価するため、対象者全員にコルポスコピーを行った 3 つの研究をレビューした
が、浸潤がんの偽陰性率は 0 から 25%まで報告されていたものの、浸潤がんの数が 1 桁から 2 桁
の報告であり、信頼区間が広く、どのスクリーニング検査が偽陰性率が高いかという評価は困難で
あった 16~19)。

3) 不安
子宮頸がん検診には、検診に対する羞恥心や不安のほか、がん検診に共通してみられる検診
陽性結果を受け取ったときの不安やコルポスコピーの心理的負担も考えられる。
子宮頸がん検診の不安を評価した量的研究は 9 研究であったが多くは細胞診陽性者を評価し
ていた。細胞診陽性の女性は一般的に不安スコアが高く、一部の女性では抑うつやパニックを起
こしたと報告されている

20, 21)。細胞診検査で

ASC₋US、LSIL へのトリアージとして、HPV 検査、

細胞診、いずれかの informed choice の 3 群に割り付けた無作為化比較試験では、子宮頸がん
に対する不安ではトリアージ方法別の差はなかった 20:McCaffery-2010)。
一方 HPV 検査に伴う不安を評価した量的研究は 2 研究しかなかった。ARTISTIC 研究の付
随研究では、HPV 検査陽性者は、細胞診陽性者と精神的な負担や不安に差はなく、1 次スクリー
ニングに HPV 検査が追加されることによる精神的な影響は小さいと報告されている 23)。
不安に対する量的研究が少ないことから、Hendry のレビュー24)を参照し質的研究のレビューを
行った。その結果、HPV 検査の導入には、ネガティブな感情ばかりではなく、ポジティブな感情も
認められた。ネガティブな感情は必ずしも HPV 検査や感染に関するものではなく、子宮頸がんや
精密検査に関するものも含まれていた。一方、パートナーとの関係に関連するネガティブな感情は
複数の研究で報告されている。しかし、調査後の受診行動をフォローした研究では、これらの感情
は必ずしも検診受診抑制にはつながっていなかった。

4) 過剰診断
進行速度の遅い前がん病変や早期のがんは放置しても現病死に至らない場合があり、過剰診
断と呼ばれ、集団としてみた場合の最大の不利益となりうる。子宮頸がん検診については過剰診
断の検討は乏しく、2 つの研究を認めるにとどまった。オランダから MISCAN モデルを用いた細胞
診による子宮頸がん検診の過剰診断推計の報告がみられた

25)。Marmot

Report26)の過剰診断

割合の定義のうち、住民全体の観点からみた検診開始から生涯にわたる CIN3+の診断例におけ
る過剰診断割合はほぼ 50%と、かなり大きな値を示していた。またフィンランドの細胞診単独法と
HPV 検査単独法を比較した無作為化比較試験の成績を用いた推計

27)では

CIN3+の病変で細

胞診 52.1%、HPV 検査 69.4%と推計されていた。

5. 費用効果分析
子宮頸がんに関する費用効果分析の多くは、HPV ワクチンの使用を前提としたものであった。
今回はワクチンをモデルに加えていない研究について検討した。