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【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (117 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》
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大久保らは NDB を用いて同様の加算の効果を差分の差分分析を用いて評価を行い 13、抗菌薬処方
の減少を示した(DID 推定、1,000 症例あたり -228.6 DOT [95%信頼区間

-272.4 ~ -184.9])。

また、呼吸器症状の治療薬 (DID 推定、1,000 症例あたり -256.9 DOT [-379.3 ~ -134.5]) 、抗
ヒスタミン薬 (DID 推定、1,000 症例あたり -198.5 DOT [-282.1 ~ -114.9])であり、時間外診療の
増加も見られなかった [DID 推定、1,000 件あたり -4.43 件 [-12.8 ~ 3.97]。また入院増加は見られな
かった[DID 推定値、1,000 例あたり-0.08 件 [-0.48~0.31] 。医療に悪影響を与えることなく、不
要な抗菌薬処方の削減につながったとことを示した。
[処方状況に関する研究]
佐藤らは JMDC を用いて、2015 年 9 月から 2018 年 8 月の期間で 18 歳以上を対象として、抜歯後
の予防抗菌薬の処方状況を分析し、AMR 対策アクションプランの影響を調査した 14。その結果、
66,2435 人の該当患者のうち、予防抗菌薬の処方があった患者は全体で 83%、術後感染症のリスクが
低いと定義した患者の 82%であった。研究期間内でこの割合に変化は見られなかったものの、処方
内訳は第3世代セファロスポリンが 58%から 34%(病院)、57%から 56%(診療所)へ減少が見ら
れた。またアモキシシリンは 16%から 37%(病院)、6%から 10%(診療所)へ増加していた。
また荒木らは、JMDC を用いて 2005 年 1 月から 2016 年 2 月の期間で 5 年以上健康診断を受け、2
回以上感冒と診断された労働年齢人口 18,659 人を対象として調査を行った 15。その結果、49.2%
(9,180 人)に抗菌薬が処方されており、その要因として慢性疾患がないこと、男性患者、診療所も
しくは 20 床以下の病院ということが明らかとなった。また 40~45%がセファロスポリンの処方を受
けていた。解釈においては、労働年齢人口が対象であることに留意が必要である。
不適切処方の状況が明らかとなり、中でもセファロスポリン系の使用が多く、ASP を進める必要性
を示す結果であった。
2.抗菌薬適正使用に関する新たな研究報告
都築らは抗菌薬使用量が 2015 年から 2021 年まで経時的に減少し続けているにも関わらず、耐性
菌による菌血症の疾病負荷には同期間で明らかな減少が見られなかったことを指摘した。なぜこのよ
うな現象が見られたかについては複数の仮説が考えられるが、ただ抗菌薬の使用量を減少させるだけ
では有効な AMR 対策としては不十分である可能性を示唆している 16。
室らは NDB を用いて、2016 年 4 月から 2017 年 3 月の間に入院した市中肺炎患者において血液培
養の有用性と、死亡率、入院期間、および抗菌薬の使用に対する血液培養の影響を調べた。傾向スコ
アマッチングにより血液培養実施群と対照群を比較した結果、血液培養実施群は対照群に比べて死亡
率および在院日数が有意に低く、また抗菌薬使用が優位に高いことを示し、市中肺炎における血液培
養実施が適正使用に関連することを示した 17。
井出らは JMDC を用いて、2013 年から 2018 年の経口マクロライド系抗菌薬の処方状況を調査した。
マクロライドは経口抗菌薬の 30%を占め、このうち 60%をクラリスロマイシンが占めていた。多く
が風邪に対する処方であり、アレルギー疾患や皮膚疾患といった慢性疾患も一部含まれていた。風邪
に対するマクロライドの使用の見直しと、皮膚やアレルギー疾患に対する長期使用の適切な評価の必
要性を示唆している 18。
後藤らは MDV を用いて、2010 年から 2019 年までのバンコマイシン投与患者について TDM 実施群
と対象群について有効性と安全性に対する要因を調査した。薬剤管理料は 30 日死亡率の減少に寄与

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