【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (14 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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イシン(VCM)耐性率は海外に比較して比較的低い水準にあるものの、2022 年は 2.6%と増加傾向
にあり、一部の地域で VCM 耐性 E. faecium による多施設が関連する広域な病院内アウトブレイクが
認められている。
また、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の割合は 2019 年より再上昇の傾向にあったが、
2021 年減少に転じた。2022 年も同傾向にあるが、諸外国に比して未だに高い水準にある。食品およ
びヒト由来のサルモネラ属菌の各血清型において、各種薬剤に対する耐性率のパターンに明瞭な類似
性が認められたことから、食品およびヒト由来耐性株間の関連性が強く示唆された。
日本におけるヒト用抗菌薬の販売量に基づいた抗菌薬使用は、2022 年においては、9.78 DID であ
り、2020 年と比較して、3.9%減少していた。また内服薬は抗菌薬全体の 90.4%を占めており、その
内訳では、第 3 世代セファロスポリン系、フルオロキノロン系、マクロライド系の使用比率が高かっ
た。2022 年は使用比率の高い 3 系統の抗菌薬も、2020 年と比較すると、それぞれ 11.9%、8.4%、
9.2%減少していた。一方、注射カルバペネム系抗菌薬は 2020 年と比較して 2.9%増加していた。
WHO が抗菌薬適正使用の指標として推奨している AWaRe 分類における”Access“の割合は、2013 年
から経年的にみると、11.0%から 2020 年は 20.9%、2022 年は 23.8%へと徐々に上昇し、”Watch“の
占める割合は 87.6%から 74.9%へと低下していた。
動物分野においては、畜産動物(牛、豚及び鶏)、水産動物(全ての養殖魚種)、愛玩動物(犬及
び猫)の薬剤耐性に関する動向調査を実施した結果、ヒト医療上重要な抗菌剤の1つであるカルバペ
ネム系に対する腸内細菌目細菌の耐性率及びヒトの院内感染などで大きな問題となるバンコマイシン
に対する腸球菌属菌の耐性率はいずれも 0.0%であった。
畜産動物においては、アクションプラン(2016-2020)の成果指標としている健康な畜産動物由来
の大腸菌のテトラサイクリン系薬への耐性率は、2014 年の 45.2%から 2015 年には 39.9%に減少し
たものの、2016 年以降耐性率は増減を繰り返し、2021 年は 40.7%であった。一方、第3世代セファ
ロスポリン及びフルオロキノロン系の抗菌剤への耐性率は、2014 年から 2021 年の間、概ね 10%以下
で推移していた。
水産動物においては病魚由来の α 溶血性レンサ球菌症原因菌(Lactococcus garvieae)において、
リンコマイシンに対する耐性率は 2017 年に 61.0%、2018 年に 31.5%、2019 年には 55.2%、2020 年
に 53.8%、2021 年には 66.2%で推移した。エリスロマイシン及びオキシテトラサイクリンに対する
耐性率は 2021 年にはそれぞれ 14.5%及び 1.0%であり、いずれも低値で維持されていたが、前者では
2020 年の 0.6%から増加傾向にあった。健康な養殖ぶり由来のビブリオ及び α 溶血性レンサ球菌症
原因菌について、2021 年から試行的な調査を開始した。
愛玩動物においては、疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫)由来の大腸菌について、畜産動物と比
較して、テトラサイクリン系やアミノグリコシド系の抗菌剤に対する耐性率は低いものの、ヒト医療
上重要なフルオロキノロン系やセファロスポリン系の抗菌剤に対する耐性率が高い傾向が認められた。
健康な愛玩動物(犬及び猫)由来の大腸菌については、疾病にり患した愛玩動物(犬及び猫)と比較
して、全ての薬剤で低い耐性率を示し、概ね感受性が維持されていることが確認された。
動物用抗菌剤の販売量(畜産動物、水産動物及び愛玩動物への販売量)については、動物用医薬品
等取締規則第 71 条の2に基づき報告された抗生物質及び合成抗菌剤の販売量から、原末換算した量
(トン:t)として集計した。2021 年も、これまでと同様に最も販売量が多い系統はテトラサイク
リン系薬であったが、近年は販売量が減少しており、全体の約 4 割を下回っている。第3世代セファ
ロスポリン及びフルオロキノロン系薬については、それぞれ全体の 0.1%及び1%前後であった。動物
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