【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (55 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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① 家畜由来細菌
データ元:動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)
JVARM では、CLSI に準拠した微量液体希釈法による薬剤感受性試験を実施し、収集した各種菌株
の抗菌剤の MIC を測定している。なお、ブレイクポイント(BP)は、CLSI で規定されている薬剤に
ついてはその値を採用し、CLSI で規定されていない薬剤については、EUCAST で規定されている値
又は微生物学的 BP(二峰性を示す MIC 分布の中間点)を採用した。これらの方法で BP を設定でき
ない薬剤については、耐性率を算出できないことから表中に掲載しないこととした。
病畜由来細菌
病畜由来細菌については、家畜保健衛生所において病性鑑定を実施した家畜から分離された菌を調
査対象とした。菌分離部位については、 Salmonella spp.では主に糞便、消化管及び肝臓から、
Staphylococcus spp.では主に乳汁及び乳房から、Escherichia coli では主に糞便、消化管及び肺から
分離された。
ⅰ. Salmonella spp.
2011 年から 2018 年は 11 薬剤、2019 年以降はメロペネム(MEPM)を加えた 12 薬剤を対象とし
て調査を行った。2021 年に収集された牛及び豚由来株の耐性率については、テトラサイクリン(TC)
に対して 40%を超える耐性が認められた。一方ヒトの医療で重要な抗菌剤であるセフォタキシム
(CTX)及びシプロフロキサシン(CPFX)の豚由来株での耐性率は 5%未満であり、牛由来株では
CTX 26.5%、CPFX 2%であり、MEPM に対する耐性率は牛、豚及び鶏ともに 0.0%であった。なお
2016 年から、セファゾリン(CEZ)、コリスチン(CL)及び CPFX は CLSI の変更後の低い BP に変
更している点に留意する必要がある。また、2014 年から 2020 年に病畜から分離されたサルモネラの
血 清 型 は 、 牛 で は S. Typhimurium 及 び そ の 単 相 変 異 型 で あ る S. 4:i:- が 多 く 、 豚 で は 、 S.
Typhimurium、S. Choleraesuis 及び S. 4:i:-が、鶏では、S. Schwarzengrund、S. Infantis 及び S.
Enteritidis が多かった。2021 年度に収集された株では、牛で S. Dublin の分離率が増加しており、そ
の全てで CTX 及び CL 耐性であった。血清型別の耐性率については、豚由来の S. Choleraesuis では
アンピシリン(ABPC)、TC に対して 50%を超える耐性が認められた。また牛及び豚由来の S. 4:i:では ABPC 及び TC、鶏由来の S. Infantis では TC、鶏由来の S. Schwarzengrund ではカナマイシン
(KM)及び TC に対していずれも 70%を超える耐性が認められた。一方ヒトの医療で重要な抗菌剤
である CTX 及び CPFX に対する耐性率はいずれの血清型においても 10%未満であった。
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