【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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(1) ヒト
① グラム陰性菌
データ元:JANIS
グラム陰性菌での状況としては、近年、世界各国で大腸菌や肺炎桿菌などの腸内細菌目細菌におけ
るカルバペネム(イミペネム(IPM)、メロペネム(MEPM))の耐性率の増加が問題となっている
が、日本では、大腸菌、肺炎桿菌におけるカルバペネム系抗菌薬への耐性率は表1、2に示すように
1%未満と低い水準に留まっている。2020 年まで増加傾向だった大腸菌におけるセフォタキシム
(CTX)などの第3世代セファロスポリン系抗菌薬及びレボフロキサシン(LVFX)などのフルオロ
キノロン系抗菌薬への耐性率は、2021 年に初めて微減となり、2022 年は横ばいおよび減少を示した。
第3世代セファロスポリン系抗菌薬に対する耐性率の増加は ESBL 遺伝子を保有する菌の増加を反映
していると考えられる。2021 年以降の大腸菌の第3世代セファロスポリン系抗菌薬に対する耐性率
減少が一過性のものか、あるいは真に減少に転じた結果なのか即断はできない。一方、第3世代セフ
ァロスポリン系抗菌薬耐性 Klebsiella pneumoniae は増加傾向が続いており、第3世代セファロスポ
リン系抗菌薬耐性大腸菌とは異なる挙動を示している。両者ともに今後の動向を引き続き注視する必
要がある。
Enterobacter cloacae(表 3)及び Klebsiella(Enterobacter)aerogenes(表 4)におけるカルバ
ペネム系抗菌薬への耐性率は 1~2%台、緑膿菌(表 5)及びアシネトバクター属菌(表 6)における
各種抗菌薬への耐性率は諸外国と同等以下と低い水準を維持している。特にアシネトバクター属菌の
カルバペネム耐性率については1~3%程度と低い水準にある。
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