【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (36 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
ⅰ. Campylobacter spp.
データ元:東京都健康安全研究センター
東京都健康安全研究センターでは、カンピロバクター属菌について薬剤耐性率の動向調査を行って
いる。2022 年に東京都内で発生した食中毒 104 事例中 19 事例(18.3%)がカンピロバクター属菌に
よるものであり、2005 年以降、細菌性食中毒原因菌の第1位を占めている 1。薬剤感受性試験に供試
し た 菌 株 は 、 東 京 都 内 で 分 離 さ れ た 散 発 下 痢 症 患 者 由 来 の Campylobacter jejuni お よ び
Campylobacter coli である。2011 年から 2021 年の耐性率を表に示した。2021 年は、新型コロナウ
イルス感染症が流行した影響で、供試菌株は非常に少なかった。Campylobacter jejuni のシプロフロ
キサシン(CPFX)耐性率は 31.0%で、2020 年と同程度の耐性率であった。エリスロマイシン(EM)
耐性株は 2.4%であった。Campylobacter coli における CPFX 耐性率は 100%であり、昨年より耐性
率は高かった。いずれも年により耐性率の増減はあるものの、ほぼ横ばい傾向で推移している。ただ
し、Campylobacter coli では供試菌株数が少ないことも考慮に入れる必要がある。
表 17
散発下痢症由来 Campylobacter jejuni *の耐性率(%)
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
(108)
(83)
(85)
(125)
(116)
(113)
(115)
(110)
(132)
(86)
(42)
EM
3.7
2.4
1.2
0.8
0.9
0.9
1.7
1.8
3.0
0.0
2.4
NA
53.7
62.7
50.6
50.4
37.1
53.1
46.1
51.7
54.5
31.4
31.0
CPFX
53.7
62.7
50.6
50.4
37.1
52.2
43.5
51.8
54.5
31.4
31.0
(供試数)
*東京都内の散発下痢症患者から分離された株。文献〔5〕から作成、一部変更。
表 18
散発下痢症由来 Campylobacter coli *の耐性率(%)
2011
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
(8)
(9)
(12)
(7)
(8)
(14)
(8)
(8)
(16)
(7)
(3)
EM
12.5
22.2
16.7
28.6
0.0
14.3
25.0
62.5
25.0
28.6
33.3
NA
87.5
66.7
75.0
57.1
50.0
50.0
62.5
50.0
68.8
57.1
100.0
CPFX
87.5
66.7
75.0
57.1
50.0
35.7
62.5
37.5
68.8
57.1
100.0
(供試数)
*東京都内の散発下痢症患者から分離された株。文献〔5〕から作成、一部変更。
ⅱ. Non-typhoidal Salmonella spp.
データ元:地方衛生研究所
全国 21-23 か所の地方衛生研究所では、2015 年~2022 年に分離されたサルモネラ 3,303 株の薬剤
耐性状況を統一した方法で調査している 2。ヒト由来株及び食品由来株の主な血清型を表 19 に示して
いる。
ヒト(有症者)由来株(2,316 株)の 38.3%、食品由来株(987 株)の 90.4%が、調査に用いた 17
剤のうち 1 剤以上の抗菌薬に耐性を示した(表 20、21)。事業化された調査ではないものの、全国
的調査であり、2015 年~2022 年分離株の年次毎の耐性率は、国内の状況を反映していると考えられ
る。今期(2022 年)分離株では、ヒト由来 239 株中の 73 株(30.5%)、及び食品由来 132 株中の
31