【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (34 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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データ元:感染症発生動向調査事業(NESID)
NESID における 2021 年までの各年の届出症例数は確定報告データとして公開されている。2013 年
以降の報告数を以下に示す。届出対象は、分離菌が感染症の起因菌と判定されるか、通常無菌的であ
るべき検体からの検出である場合となっており、いわゆる保菌は届出対象ではない。
全数把握対象疾患のうち、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)感染症は、2013 年から 2016 年まで
50-60 例で推移していたが、2017 年以降は増加傾向で 2021 年は 124 例が報告された。バンコマイシ
ン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)感染症は届出対象となった 2003 年 11 月5日以降報告はない。カル
バペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症については、2014 年9月 19 日より届出対象となり、
2021 年には 2,066 例が報告され、2018 年以降概ね 2,000 例から 2,300 例で推移していた。薬剤耐性
アシネトバクター属(MDRA)感染症は、2011 年 2 月より基幹定点医療機関からの届出対象疾患と
して把握が開始されたが、2014 年9月 19 日より全数把握対象疾患となり、毎年 20-40 例の報告で推
移していたが、2021 年は 6 例が報告された。
CRE 感染症については、2017 年 3 月の厚生労働省健康局結核感染症課長通知により、届出症例よ
り分離された菌株について地方衛生研究所等で PCR 法によるカルバペネマーゼ遺伝子等の試験検査
が実施されている。2021 年は 1,441 株の結果が報告され、主要なカルバペネマーゼ遺伝子が検出さ
れた株は 217 株(15.1%)で、国内型カルバペネマーゼ遺伝子の IMP 型が 189 株(87.1%)と大半を
占めた。IMP 型検出株の菌種や IMP 遺伝子型別は、2017 年以降、同様の地域特性を示した。
基幹定点医療機関(原則病床数 300 以上の医療機関、全国 500 か所)が届出を行う薬剤耐性菌感染
症については、MRSA 感染症は 2011 年以降、報告数及び定点あたり報告数ともに概ね減少しており、
2021 年は、14,516 例が報告された。薬剤耐性緑膿菌(MDRP)感染症は 2013 年から概ね減少して
おり、2021 年の報告数は 118 例であった。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症は報告数及び定
点あたり報告数ともに減少傾向が続いていた。
ⅰ. 全数把握対象疾患
表 15
全数把握対象疾患の報告数推移、2013-2021(件)
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
VRE
55
56
66
61
83
80
80
136
124
VRSA
0
0
0
0
0
0
0
0
0
CRE
-
314*
1,671
1,573
1,660
2,289
2,333
1,956
2,066
MDRA
-
15*
38
33
28
24
24
10
6
*2014 年 9 月 19 日からの報告数。
-:調査を実施していない区分。
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