【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (49 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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データ元:J-SIPHE、AMRCRC
AMR 臨床リファレンスセンター(AMRCRC)では、地域連携の推進とともに病院での AMR 対策
に活用できるシステム J-SIPHE を運営している。2022 年の年報の対象施設は 1,876 施設(加算 1:
868 施設、加算 2:493 施設、加算 3:487 施設、加算なし:28 施設)であった。登録情報は、各参
加施設が任意に選択することができる。1,000 患者日あたりの血液培養提出数(n=1,049)は、中央値
23.2(IQR:0-131.8)であり、複数セット率(20 件以上提出の施設を集計 n=960)は、成人では中
央値 90.3%(IRQ:0-100)であった。陽性率(20 件以上提出の施設を集計 n=960)は、中央値
17.9%(IRQ:1.3-85.8)であった。
2022 年における血液検体から検出された菌の 10,000 患者日あたりの発生数は、大腸菌の中央値
2.4(IQR:1.8-3.5)が最多で、黄色ブドウ球菌の 1.9(IQR:1.3-2.6)、肺炎桿菌の 1.0(IQR:0.51.5)と続き、昨年度に比してわずかに上昇した。一方、黄色ブドウ球菌及び大腸菌、肺炎桿菌の薬
剤耐性菌の発生率は横ばいである。
手指衛生プラクティス状況では、手指衛生遵守率(n=110)が全体で 67.0%、内訳ではクリティカ
ルケア部門(n=45)が一般病棟と比較して 72.2%と高かった。1,000 患者日あたりの手指消毒剤使
用量(n=988)は、全体で 10.4 L(IQR:6.5-15.6)、内訳ではクリティカルケア部門(n=364)が
45.3 L(IQR:26.7-69.8)と一般病棟と比較して高かった。2019 年から上昇傾向にあり、新型コロナ
ウイルス感染症対策に伴う手指衛生意識の向上がうかがえるが、2022 年は昨年度と比較すると横ば
いとなっている。
また、厚生労働行政推進調査事業費にて、JANIS データを利用した研究を行い、血流感染症の患者
における推定死亡数を公開した。MRSA による死亡数は減少から横ばいであった。フルオロキノロン
耐性大腸菌による死亡数は、年々増加傾向は変わらなかった。今回、肺炎球菌、肺炎桿菌、緑膿菌を
追加した。
死亡以外の要因(後遺症など)による損失も含めた疾病負荷の指標である DALYs を公開した。推
定に要したいくつかのパラメータは海外の先行研究等から借用したものである。
表 38
J-SIPHE 年報対象施設の基本情報
2019
2020
2021
2022
参加施設数
581
778
818
1,876
(加算 1)
(449)
(539)
(547)
(868)
(加算 2)
(127)
(232)
(263)
(493)
*
(加算 3)
-
-
-
(487)
(加算なし)
(5)
(7)
(8)
(28)
病床数, median(IQR)
平均在院日数, median
(IQR)
340.5
308.1
301
214
(221.3-525.3)
(196.0-498.3)
(184-480)
(129.8-382.2)
13.6(11.7-17.1)
14.4(12.0-19.0)
14.0 (11.8-19.7)
16.9(12.3-34.7)
IQR(Interquartile range):四分位範囲
*
加算 3 は 2022 年 4 月に新設された。
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