よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


【参考資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書2023 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

120 株(90.9%)が 1 剤以上に耐性を示し、これらは、2015 年~2021 年に分離されたヒト由来 2,077
株の耐性率(39.2%)、及び食品由来 855 株の耐性率(90.3%)と比べ、それぞれ大きな相違はなか
ったが、過去 8 年間の年次推移では、ヒト由来株ではやや減少傾向が見られる一方、食品由来株では
ほぼ横ばいに推移している。多剤耐性の状況としては、ヒト由来株及び食品由来株ともに 3 剤耐性の
割合が多かった。6 から 11 剤に耐性を示す多剤耐性株も、ヒト由来 2,316 株中の 42 株(1.8%)、食
品由来 987 株中の 64 株(6.5%)に認められた。また、2020 年のヒト由来分離株から初めてメロペ
ネム(MEPM)に対する耐性株が検出され(表 20)、分離された1株は S. Heidelberg で、MEPM
を含め 8 剤に耐性を示す多剤耐性株であった。一方、食品由来株からはこれまでにメロペネム耐性株
は検出されていない。
食品由来株上位2血清型(S. Infantis、S. Schwarzengrund)の薬剤耐性率を表 22~23 に、ヒト由
来株上位 5 血清型(S. Infantis、S. Enteritidis、S. Thompson、S. 4:i:-, S. Saintpaul)の薬剤耐性率
を表 24~28 に示す。食品由来株では、最近(2020-2022 年)分離された S. Schwarzengrund の占め
る割合が 2015 年~2019 年よりも特に高くなっていたが、耐性傾向は大きくは異なっていなかった。
一方、ヒト由来株においては血清型別に特徴的な耐性傾向が認められたため、血清型別の耐性率を経
年的に比較し示している。
また、ヒト由来株上位 10 血清型及び食品由来株上位5血清型に共通して見いだされる3血清型(S.
Schwarzengrund、S. Infantis、S. Manhattan)の薬剤耐性率をヒト由来株と食品由来株の間で比較
すると(表 29)、それぞれの血清型において、各種抗菌薬に対する全体的な耐性傾向に高い類似性
が認められることから、ヒト由来耐性菌(S. Infantis の約4割、S. Schwarzengrund と S. Manhattan
の大部分)と食品由来耐性菌との間の関連が強く示唆された。
薬剤感受性試験に加えて、2015 年~2021 年分離株(ヒト由来 2,077 株、食品由来 855 株)のうち、
セフォタキシム(CTX)、セフタジジム(CAZ)、セフォキシチン(CFX)の 1 剤以上に耐性を示す
菌株(ヒト由来 44 株、食品由来 49 株)を対象に、基質特異性拡張型 β-ラクタマーゼ(ESBL)産
生遺伝子及び AmpC 型 β-ラクタマーゼ(AmpC)産生遺伝子の検出を実施した。ESBL 産生遺伝子
では、ヒト由来株、食品由来株とも、CTX-M-1 グループの保有が最も多く、TEM 型が次に多かった。
AmpC 産生遺伝子では、ヒト由来株、食品由来株とも、CIT 型の保有が最も多かった。これらの結果
から、ESBL 産生遺伝子、AmpC 産生遺伝子ともに、ヒト由来株と食品由来株での検出傾向に類似性
が認められた一方、CTX-M-9 グループ(ESBL 産生遺伝子)はヒト由来株のみに、EBC 型(AmpC
産生遺伝子)は食品由来株のみに検出されるなど、それぞれの株に特徴的な検出も認められた。

32